第四十三話 初めての練習
一週間後、彼女たちは放課後に四人全員の都合がつく日を見つけ、初めての練習を行った。この時、クリスマスパーティーのパフォーマンス本番まではおよそ三週間となっていた。戴千祈はどうやら本当に他に加入してくれるメンバーを見つけられなかったようで、その後メンバーが追加されることはなかった。もし本当にそうなら、邱艾晶と方雨彗が参加を承諾してくれて幸いだった。それにしても、普段クラスであんなに人望がある戴千祈が、最終的に三人しかメンバーを集められず、しかも全員そこまで親しくない人たちばかりだというのは、実に想像しがたいことである。
「それじゃあ、これから一緒にパフォーマンスをするメンバーとして、みんな同じクラスとはいえまだあまり親しくないかもしれないから、まずは自己紹介から始めようか!私は戴千祈。私自身、アイドルを追いかけるのがすごく好きで、例えばWinkystarsとかThe Brightiesみたいなガールズグループが好きなの。だから将来は、あんな風にステージでパフォーマンスしてみたいっていう夢があって、それが今回グループを組んでクリスマスパーティーに応募しようと思った理由なんだ。みんな、練習で壁にぶつかった時とか、推し活関連のいろんな話題とか、なんでも大歓迎だから気軽に話しかけてね!」
「えっと、その……私は溫茵です。普段はあまり喋らない方だけど、歌うことは結構好きで、だからこのパフォーマンスに挑戦してみようかなって。でも、人前で歌ったことはほとんどなくて、大抵は自分の部屋で一人で歌ってるから、最初は人に聴かせるとなると少し緊張するかもしれないけど、それでもステージでのパフォーマンスに挑戦してみたいなって……そんな感じです。」
「私は邱艾晶。私自身、ステージでパフォーマンスするなんて経験があんまりないから、いい経験になるんじゃないかなと思って、やってみるのも悪くないかなって。でも、この間ちょっと怪我しちゃって、みんなに迷惑をかけないか少し不安なんだけど、私なりに全力で頑張るよ。」
「私は方雨彗。その、邱艾晶から、戴千祈が私を誘いたがってるって聞いて、もう少し人数が必要なのかなって思って?だから私も入ることにしたんだけど……でも私、歌もダンスもほとんどできないから。でも、参加するからには絶対に全力を尽くすし、あんたたちや観客をガッカリさせないようにしたいと思ってるわ。」
「オッケー。話を聞く限り、みんなそれぞれに乗り越えるべき壁があるみたいだね。でも、みんなが来てくれただけで私はもう十分嬉しいから、絶対に高いハードルを押し付けたりしないよ。困ったことがあればできる限り手助けするし、みんなにはステージを楽しんでもらえればそれで十分!それじゃあ、前回パフォーマンスの選曲について話し合った時、みんな特に意見はなくて私に任せてくれたよね。私としては、Winkystarsのこの曲がすごく合ってると思うんだけど、みんな一緒に見てみて。」
そう言うと、戴千祈はタブレットを開き、パフォーマンス用に決めた楽曲のダンス動画をみんなに見せた。
Winkystarsは七人組の女性アイドルグループで、キュートな路線を売りにする日系ガールズグループだ。メンバーそれぞれがイントロからAメロにかけて徐々に姿を現し、フォーメーション移動に伴って順番にセンターへ来るたび、自信とエネルギーに満ちた姿をアピールしている。パフォーマンス全体の完成度は高く、一糸乱れぬダンスの動きはもちろん、カメラに向けて甘くアピールする表情にも、微塵のためらいすら感じさせない。動画の音楽は後から編集で重ねられたものだが、メンバーそれぞれの声質の特徴がはっきりと聞き取れる。さらにサビの何度も繰り返される中毒性のあるメロディーも相まって、一度見ただけで、そのトレードマークのダンスの動きとフレーズがいつまでも脳裏に焼き付いて離れなかった。
「とにかくこんな感じ。クリスマスパーティーの当日、ステージでみんなにこんな素晴らしいパフォーマンスを披露できると想像しただけで、ワクワクしてこない?」戴千祈はそう言いながらタブレットをしまった。
「でも私たちは四人しかいないし、彼女たちみたいなプロのパフォーマーでもないから、その辺はもう私がアレンジしておいたよ。この曲の歌とダンスを四人用に再分配して、難易度も下げておいたから。」
戴千祈が正式な練習を始める前に自ら練り上げたパフォーマンスの構成は、すでにかなりの完成度に達していた。これが彼女の溢れんばかりの情熱から来ていることは明らかであり、おかげで他のメンバーがリハーサルにかける時間も節約できる。唯一の懸念点は、実際の練習になると、戴千祈が自分の部屋でこっそり頭の中で思い描いていたフォーメーション移動とズレが生じるかもしれないということだが、その可能性を減らすために、戴千祈はすでに対策を用意していた――
「邱艾晶はまだあまり大きなダンスの動きをするのは不便だろうし、溫茵は歌うのが得意だから、この二人はボーカル担当ね。で、私と方雨彗がダンス担当。でも、ボーカル担当だからって全く踊らないわけじゃないし、その逆も同じだよ。だから、みんなにそれぞれ少しだけ歌ってもらえないかな?二フレーズくらいでいいから、お互いの状況を少し把握しておきたくて。まずは私からいくね。」
そう言うと、戴千祈はアイドルグループのものと思われる曲を二フレーズ歌ってみせた。その場にいる他の誰も彼女が歌っている曲を聴いたことはなかったが、まるで自分の持ち歌であるかのように完璧にマスターしていることが伝わってきた。彼女自身が放つ甘く元気なオーラと完全に一体化しており、歌唱テクニックが完璧とは言えなくとも、込められた感情がその欠点を十分にカバーしていた。
続いて溫茵が歌う番になった。彼女が言っていた通り、人前で歌ったことはほとんどないらしく、口を開く前から完全に緊張が顔に表れていた。彼女はずっと床を見つめ、両手の置き場に困ったように体の前で手を組み、自然に垂らしたまま心の準備を整え、大きく深呼吸をした――
ところが口を開いた途端、彼女本人からは全く想像もつかないような天使の歌声が響き渡った。溫茵は普段、他人と話す時はとても声が小さく、先ほどの自己紹介でもそうだったため、他の人は自然と彼女の声にこれといった印象を抱いていなかった。しかし歌い始めた瞬間、まるで普段目立たないモブキャラが突然必殺技を放ったかのようだった。本当の彼女の声はこれほどまでに繊細で美しかったのだ。特に高音のパートに差し掛かっても全く苦しそうな様子はなく、むしろ空間を軽やかに跳ね回っているかのようだった。
しかも彼女の歌声からは言葉にできないような温かさが滲み出ており、邱艾晶は彼女が口を開いた瞬間、なぜか奇妙な既視感、いや既聴感を覚えた。どこかの第一線で活躍するポップシンガーだろうか?何しろ、今をときめく人気歌手になれるポテンシャルがあると言っても過言ではないほどの歌声なのだ。だが、いくら考えても、このどこかで聴いたことのあるような歌声が、一体どのスターに似ているのかは思い出せなかった。
次回予告:お互いの実力を把握し、メンバーそれぞれが乗り越えるべき課題を抱えていた。しかし、最も残酷で自己管理が試されるのは、往々にして家に帰ってからの自主練習である。カメラに向き合うのが苦手、自分の声を聴くのが怖いといった根本的な問題に、メンバーたちはどうやって打ち勝っていくのか?
次回:悪魔のような自主トレーニング




