第三十四話 自宅での休養日
新入生歓迎会の翌日は月曜日だった。土日の二日間ともイベントで潰れてしまったため、みんなは全く休みが取れないまま授業に出ることになった。
今朝は国語や数学など、教室に座りっぱなしの授業ばかりだった。午前中ずっと座っていたため、クラスメイトと交流する機会もほとんどなく、お昼休みになると、みんな次々と立ち上がって歩き回り始めた。購買部へお弁当を買いに行く者もいれば、トイレへ用を足しに行く者、あるいはただ単に散歩したいだけの者もいた。
「ねえ、方雨彗。」今日の昼、游暐安は元々游筱安のところへ行く約束をしていたが、どうしても先に方雨彗に聞いておかなければならないことがあった。
「邱艾晶が今日なんで学校休んでるか知らない?」
「ん?あんたに言ってないの?てっきりあんたには話してるかと思ってたけど。」
「どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
「簡単に言うとね……昨日のイベントが終わった後、あの子歩いててつまずいちゃって。それでバランスを崩して前に倒れた時に手をついたの。最初はなんともないと思ってたんだけど、昨日の夜になってどんどん痛くなって、眠れないくらいになったから今朝病院に検査に行ったら、ヒビが入ってるってことが分かって。だから、とりあえず数日間は家で休養してるってわけ。」
「マジかよ?どう転んだらヒビなんて入るんだよ!?」游暐安の口調には驚きを隠そうとする気配は全くなく、心配と呆れが同時に爆発していた。
「だから、バランスを崩して手をついたって言ってるでしょ。まあ、詳しい状況が知りたいなら、直接あの子に電話して聞いてみなよ。本人に聞くのが一番手っ取り早いわ。」
「じゃあ、今から電話して聞いてみるよ。」
そう言うと、游暐安はすぐにポケットからスマホを取り出し、メッセージアプリを開いて邱艾晶に音声通話をかけた。
家のベッドに座り、スマホで動画を見ていた邱艾晶は、突然游暐安からの着信音が鳴り響いたため、胸の前に包帯で固定されている右手で反射的に電話に出ようとして、ハッと気づいた――
「あ、痛っ。」この手は今、安静にしていなければならず、動かしてはいけないのだった。
そこで、まだ使える左手を布団から出し、緑色の通話ボタンをタップした。
「もしもし?邱艾晶?」
「うん、ハロー。」邱艾晶はスピーカーボタンを押し、スマホを太ももの上に置いて、左手を布団の中へ戻した。
「方雨彗から聞いたよ。今、手の具合はどう?」游暐安は他のクラスメイトに会話を聞かれないように、教室の外へ歩きながら言った。
「あ、まあまあかな。心配しないで。長くても一週間くらいで学校に戻れると思うから。」電話越しに聞こえる邱艾晶の声は、相手を心配させまいと無理に絞り出したような笑顔がうっすらと浮かんでいた。
「じゃあ生活はどうしてるの?君、一人暮らしだったよな?身の回りのことは自分でできるの?」
「あ、問題ないよ。方雨彗と簡彤菲が気を利かせて、放課後に交代でお世話に来てくれることになってるの。今日は方雨彗が来てくれるんだ。」
「俺も今日放課後ヒマだから、方雨彗と一緒にちょっと行ってもいい?ただ君の様子を見に行きたいだけなんだけど。」
「えっ……」またしてもこんなに突然家へ来たいと頼まれ、邱艾晶は一瞬にして慌てふためき、顔を真っ赤にした。
とはいえ、游暐安もただ心配しているだけで、全く他意はなく、単に頼み方がストレートだっただけである。
どうせ彼が家に来るのは初めてではないし、直接様子を見せなければ、彼もきっと安心できないだろう。
「うん……いいよ。」邱艾晶は少し躊躇した後、承諾した。
「よし、じゃあついでに今日使ったプリントや教科書も持って行ってやるよ。必要なら、今日の授業の進み具合も俺が補習してあげるし。」
「あっ……ありがとう。」
「じゃあ用件はそれだけだから、一旦切るね。放課後またな、バイバイ。」
「うん、バイバイ。」
その日の放課後、方雨彗と游暐安は一緒に邱艾晶の家へ向かった。途中、方雨彗が自ら邱艾晶のために夕食を手作りできるよう、食材もついでに買っていった。実のところ、出来合いのものを買っていくこともできたが、方雨彗がそうしたのは下心があってのことだった。游暐安には「その方が栄養があるから」と表面上の理由を伝えたが、実際にはわざと自分を忙しくして、游暐安と邱艾晶の甘い二人きりの時間を邪魔しないようにする算段だった。
「邱艾晶、来たわよ。入ってもいい?」
「入っていいよ。」
邱艾晶は事前に部屋の合鍵を方雨彗に渡していたため、方雨彗は外からドアを二回ノックし、声をかけるだけで直接中に入ることができ、邱艾晶がわざわざベッドから降りてドアを開けに行く手間が省けた。
二人は適当な場所に鞄を置き、邱艾晶に軽く挨拶をして怪我の具合を確認した。幸い、誰も面倒を見る人がいなかった昼間の間に、対処に困るような突発的なトラブルは起こっていなかった。邱艾晶も昼間は一人で上手く時間を潰せていたようだ。
「それじゃあ邱艾晶、今夜は食材をいっぱい買ってきたから、私が夕ご飯作ってあげるね!これから私の料理の腕前を披露してくるから、大人しく待っててちょうだい。」
そう言うと、方雨彗は大量の食材が入った袋を持ってキッチンへ準備に向かった。この賃貸物件には共同キッチンがあるが、ここの住人たちはほとんど使用せず、冷蔵庫も各部屋に備え付けられているため、住人がここを通ったとしても、ちょっとした洗い物をする程度だった。ほとんど誰も使っていないが、かなり清潔で整頓された空間である。あるいは、誰も使っていないからこそ綺麗だと言えるのかもしれない。
方雨彗は先ほど帰る途中でスーパーに寄り、トマト、玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、白身魚などの材料を買い込んでおり、共同キッチンの大きな鍋を使ってトマト野菜スープを煮込むつもりだった。もし今日食べきれなくても、残りを冷蔵庫に入れておけば、翌日のお昼に邱艾晶が温め直して食べるのにも便利だからだ。
この料理は、様々な食材の皮を剥いたり、切ったり、すりおろしたりといった煩雑な工程をゆっくりとこなす必要があるだけでなく、弱火でじっくり煮込んでスープに味を染み込ませるのにもかなりの時間がかかる。どうせ方雨彗には急いでやるべきこともなく、むしろかなり暇を持て余していたため、この滅多にない機会を利用して、他人に自分の料理の腕前を見せつけるのも悪くないと考えたのだ。
次回予告:方雨彗が料理をしている間、游暐安と邱艾晶は部屋で二人きりになり……数学の補習をしていた。教わっている最中、邱艾晶は突然、夏休みの再履修クラスで游暐安と出会ったばかりの頃を思い出した。それが彼らの知り合うきっかけだった……
次回:まるで夏休みに戻ったかのような数学の補習タイム




