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糜芳andあふた~  作者: いいいよかん
103/111

その6

読んでくださっている、読者の方々へ


更新が遅れて、大変申し訳ありません。


正月中の投稿直後に風邪を引き、一週間近く寝込んでしまった上に、年度末の仕事の多忙も合わさって、執筆活動が遅れてしまいました。


なんとか書き上げたので、早速投稿します。

  涼州右扶風郡郿県郿城建設予定地総監督幕舎


「・・・よしよし、万事恙無(つつがな)しだな。

とりあえず右扶風の改造計画に問題ナシ、と。」

寄せられた報告内容に、ニンマリと微笑む糜芳。


10月、董卓の都合で司隷から、涼州に編入された右扶風郡内を、9月に州牧の権限を利用して配置転換を実行、先ずは郿城との連携が欠かせない郿県の県令を、中国版山内一豊こと趙昂に任命し、元々赴任していた前県令を、中央に栄転させて追(・)い(・)出(・)し(・)、同じ手口で次々と他県の県令も変えていった。


それと同時に右扶風郡自体も、司隷=中央名家閥の「血統・家柄至高主義」地域から、涼州=世紀末的な「力こそ絶対正義」地域へと、特性が変わった事を促す為に、隴(ろう)県県令を務めて涼州の気風に馴染み、尚且つ司隷の役人達の付き合いにも小馴れた、右扶風郡の隣郡で左馮翊(さふうよく)郡出身の張既(ちょうき)を、新しい右扶風郡太守にすげ替えて、風通しを良くしていったのである。


糜芳がこうした事を行った背景として、右扶風郡の郡県のトップや幹部連中と、糜芳との相性が頗(すこぶ)る悪いからであった。


庶民階級より低いとされた、商家出身の糜芳の言う事を、自尊心だけは泰山より高いとされる、中央名家出身の郡県トップ・幹部達が、マトモに聞く筈も無いからである。


大概の州には、長年ある程度地域が安定していくと、地元の名士の家が名家となり、名家の一族一門が地元に強い影響力を持っていき、やがては豪族と変容していく名家が、わりかし存在していた。


糜芳の故郷・徐州だと、後に曹魏の重臣となった王朗の王家や、孫策キラ一兼親劉備で有名な、陳登(ちんとう)の陳家がそれに該当し、揚州の江東4家なども同じ類いである。 


そういった連中は、地元の郡県での強い影響力で、郡太守や県令になっていたり、郡県の管理職に就いていたりと、権力と結び付いている事が多く、例え上司でもある程度の背景力(バックボーン)が無ければ、自分達の意に添まぬ政策や意見は、平気で却下したり無視する事も、当たり前であった。


(因みに糜芳の場合は、徐州時代には何進をバックボーンにし、涼州の場合は、董卓をバックボーンに利用していた)


そうしたアホらしい不文律が有るので、九卿で州の統括役・州牧でも有る、糜芳に対して郡県連中が反発したりするなどは、特に司隷方面では普通に珍しくなかった。


史実として陶謙や劉備が、徐州の根拠地化に失敗したのも、バックボーンを持たぬ故に、徐州の豪族達に舐められ、反発された結果である。


他にも張既さんなぞは、ペーペーの下っ端時代に、些細なミスで鞭打ちにされるなど、自分をいびって見下していた元上司と、元上司よりも遥か上の位に昇った後に再会した際に、昔と変わらない態度で接して来たという、序列を無視した途轍(とてつ)もない無礼を働いているのに、その元上司の態度が賞(・)賛(・)されるという、アタオカな珍事も記録に残っている。


そういったアタオカ連中がゴロゴロ居る、右扶風郡内の豪族達(中央名家達)が、糜芳の要求を素直に応じる筈も無く、寒門出身の張既の太守就任を含め、糜芳を舐めて悉く反発したので、しっかりと豪族対策を実行したのであった。


因みに豪族対策とは何かと云うと、「口頭で解らないアホは、武(・)力(・)で(・)解(・)ら(・)せ(・)る(・)」という、ストレート且つ単純明快な力技(ちからわざ)である。

 

こういった権威だの血筋や家柄に頼る、日本で謂う公家思考な輩共は、伝統的に文弱に陥り易く、武力という暴力と刃物に滅法弱く、権威・権力の通じない、力こそ正義の世紀末軍=涼州軍は、相性最悪の天敵であった。


実際に徐州で統治に失敗した劉備に替わり、乗っ取る形で台頭した呂布さんは、自分の命令に従わない豪族連中を、悉く撫で斬りにした後、部下と兵士を豪族の領地に派遣して滅ぼし、文字通り斬り従えて、力ずくで徐州を統治した実例が有る様に、かなり有効な手段である。


それはさておき、


そういった事情で最近、成公英に異民族対策の仕事(匈奴や羌族の離間策)を奪われて、暇そーにしている馬騰と韓遂をこれ幸いに呼び寄せ、右扶風郡の治安維持に、当たらせたのであった。


無聊を託っていた両者は喜んで応じ、元々破邪顕正の約定を、糜芳と交わしていたので、糜芳から「州牧の命令に、理由も無く逆らった反逆者リスト」を貰った2人は、軍を率いて嬉々として、豪族討伐に乗り出したのである。


この糜芳のキ○ガイ行動(豪族視点)に、顔を真っ青にした豪族達は、慌てて弁解や回避策を講じようと、躍起になるも時既に遅く、歴とした「謀反人」のレッテルを貼られ、悪徳中央名家=諸悪の根源を、絶対殺すマンズの馬騰・韓遂コンビに、次々と一族ごと討たれていった。


何割かは長安に駆け込み、糜芳の極悪非道を訴えたが、糜芳に依ってとっくに董卓に通報済みで有った為、全員が地元で討たれた者達と、同じ末路を辿ったのであった。


元々董卓をも敵視していた連中であり、董卓からも警戒されていたのに、ノコノコ自分達で処刑人の許に、赴いたのも同義であった。


董卓にとって策源地で有る涼州の、重要な連絡通路に当たる右扶風郡の、中央名家達の影響力を排除するのは、願ったり叶ったりの状況であった。


僅かに長安を避けて、北の左馮翊郡に逃げ込んだり、南の漢中郡に逃亡した者達もいたが、左馮翊に逃げた者達は、匿った豪族を巻き込んで討伐され、山越えして漢中郡に逃亡した者達は、山賊に襲われて行方知れずになったのである。


そうして糜芳の政策を、邪魔する輩共を物理的に排除し、風通しを良くした後、排除した影響で空いた役職や部署に、涼州の役人を募集した際の、「ウルトラな問答」であぶれた浮屠関係者を押し込んで、手早く穴埋めと人脈網を広げたのであった。


(うんうん・・・驕れるアホに付ける薬は無し、鉄拳制裁の物理のみ、って奴だな。

韓遂達の迅速な機動性と、何進のオッチャンの時に使った離間策で、地元民の協(・)力(・)が得られたお陰で、アッサリと解決したから楽勝だったわ・・・ウヒヒ)

邪悪な笑みを浮かべる主人公。


「失礼します閣下。」

「うん?何事か。」

「は、韓遂将軍と馬騰将軍の両名が、閣下のお召しにより参上したと参っておりますが?」

黒い笑みを浮かべる主君を、さらっとスルーしつつ報告するイー。


「ああ、迅速な治安維持を果たした両名に、報奨を与えようと思ってな。」

「なる程、確かに信賞必罰は当然の事ですな。

では、早速に両名をお連れ致しまする。」

深く頷いて辞去する。


少しした後、


「「お召しにより、まかり越しました。」」

韓遂と馬騰が厳めしい武装のまま現れ、揃って拱手して糜芳に頭を下げる。


「いやいや良くぞ迅速に動いてくれた。

両名の働きが有って、素早く治安を取り戻す事が出来た・・・誠に感謝致す。

些少ながら貴君等に報奨を授けるので、遠慮せずに受け取って欲しい。」

糜芳も拱手で返礼して、報奨の内訳が書かれた竹簡を渡した。


「「はは、ありがたく頂戴します。」」

再び拱手して目録を受け取った後、


「実は閣下、大変厚かましいとは思うのですが、報奨とは別に、褒美を頂戴出来ませんでしょうか?」

申し訳なさそうな表情で、馬騰が要求し始める。


「うん?出来る事なら構わんが?」

「はあ、実は某(それがし)の伜(せがれ)が、閣下と手合わせをしたいと申しておりまして・・・。」

「・・・伜って馬超の事か?」

「はい、左様にございます。」

「無茶言うな!?勝負になるかぁ!?」

涼州でも指折りの豪傑との対戦要望に、ブンブンと高速で首を左右に振って拒否る。


「それがど~も何処ぞで閣下が、孫堅に手合わせで勝ったと聞き及んだらしく、是非にと聴かぬモノでして・・・申し訳ありませぬ。

今回の討伐で伜の超が、第一功を挙げた報奨として強請ってきたもなので、無下にも出来ず・・・。」

軍閥の頭領としての気苦労を吐露する。


「そりゃまぁ頭領として、信賞必罰を旨とする気持ちは解るし、例え我が子でも功有れば賞するのは理解出来るが、幾ら何でもその要望は無・・・ん?ちょっと待てよ?」

やんわり拒否しようと、つらつらと建て前を述べていた糜芳は、途中で言葉を止めてハッとした表情を浮かべ、


(あれ?コレって合法的に、自然と州牧を辞めれるチャンスじゃね?)

脳裏に咄嗟にある策謀を思い付いて、ピカリと頭上に電球が点(とも)る。


「・・・うぅんっ!ゴホン!

あ~馬騰、貴君の要望に応えて、貴君の息・馬超との手合わせに応じよう。

早速明日にでも行おうじゃないか。」

拒否っていた先程とは打って変わり、満面の笑みで了承する糜芳。


「はぁ、ありがとうございます?

・・・何故か閣下の笑みを観ると、無性に嫌な予感がするのは気のせいでしょうか?」

益々渋い表情を浮かべる馬騰であった。


そして翌日・・・


      郿城建設予定地幕舎外


馬騰軍・韓遂軍が円陣を作り、大きな輪が形成された円の中心部に、2人の若者が対峙していた。


1人は軽い武装で木剣を持ち、馬騰に似た顔立ちの少年・馬超で、もう1人は文官の装いで武器も持たず、馬超をぼへ~と見詰める糜芳であった。


「この度は某の要望に応えてくださり、誠にありがとうございます。

あの豪傑と謂われた孫堅に、偶々勝ったとされる閣下と手合わせ出来るとは、望外の幸せに存じます。

只、某は手(・)加(・)減(・)や(・)遠(・)慮(・)が出来ぬ者でして、平にご容赦願いまする。」

丁寧口調で、慇懃無礼な口上を述べる。


重厚な獅子と言うよりも、身軽で瞬発力に優れた豹、と云う感じの少年である馬超。


目には「同年代の余所者が、自分よりも偉くて気に入らねえ」と云った、嫉妬心や反骨心が見え隠れしており、敵意が滲み出ていた。


(ふ~ん・・・コイツが蜀漢の五虎大将の1人で、「三国一の親不孝者」の馬超か・・・。

パッと見は、パワータイプの力押しじゃなくて、スピードで相手を翻弄するタイプって感じだなぁ)

イキっている感じの馬超の口上を、馬耳東風に聞き流し、じ~と観察する糜芳。


仮にも州のトップ・州牧に対して、不遜な態度を示している事で武勇は兎も角、世故や状況判断に欠けている事を認識し、「知力・常識に劣る出来の悪い孫策タイプ」と位置付け、後世のやらかしを含めて、「関わったらいけない猪武者」と定義し、即座に見切るのであった。


因みに世故と状況判断に長けた、実父の馬騰や伯父貴分の韓遂は、「止めんかアホ!何を言いよるんじゃおどれは!?」と、顔を真っ青にしたり真っ赤にしたりして、ブンブン手を上下に振ったり、頭上で両手を交差させたりと、必死に馬超の傲慢を止めようとしていた。


それはさておき、


「偶々勝った私と手合わせしても、貴君には大した自慢にも成るまいと思うが、是非にと有らば受けて立とうぞ馬超よ。

それで後ろに控えている者は、もしかして共に手合わせをする者か?」

馬超の後ろに居る人物を指差した。


「ああ、コイツは従弟の馬岱(ばたい)と申しまして、某の後に閣下と手合わせを願っている者です。」

「へっ!?んな訳ないやろ阿呆言うな!

あくまでも超兄の介添(かいぞ)え人(看護役)として、控えとるだけですけんね閣下!?

超兄が勝手に言うとるだけですけん!」

馬超よりも体格ががっしりしていて、朴訥そうなドングリ眼の馬岱は、素っ頓狂な声を上げ、ブンブンと首を振って従兄の言を否定する。


(ほほう、この厳つい奴が身内から同僚、果ては上司に迄振り回され、フォローや後始末に東奔西走する、蜀漢一の苦労人武将・馬岱か。

こんな若い時から振り回されて、苦労してるんだなぁ・・・)

自分が実兄の糜竺にしている事を棚に上げ、すったもんだと揉めている馬岱に同情する。


「あ~判った判った。

馬岱とやらは介添え人であり、馬超のみが私と手合わせするのだな?」 

「はい、そうです!俺は関係有りません!」

糜芳の言にコクコクと頷いた。


「了解した、では早速始めようか。

あ、そうそう、馬超が私に勝ったら、私に出来る限りの報奨を与えよう。」

「ほう、それは豪気な事で。

ありがたく頂戴しましょうか。」

もう貰ったつもりで了承する馬超。


「その代わり負けた場合は、私の言う事を聞いて貰うぞ馬超よ。」

「承知しました閣下。

某がもし負ければ御随意(ごずいい)に。」

ニタリと勝ち誇った表情で頷き、木剣を構えて糜芳に向けた。


馬超の傲慢な笑みに呼応する様に、糜芳もどす黒い笑みを浮かべ、


「因みにだが馬超、もしもお前が勝って私に怪我をさせた場合、責(・)任(・)を(・)持(・)っ(・)て(・)私(・)の(・)職(・)務(・)を(・)代(・)行(・)して貰うからな?

お前もその覚悟で掛かって来る様に。」

ゲスい策謀を炸裂させる。


「は?え?・・・・・・あ!?ちゅう事はオレから攻撃したり反撃して怪我をさせても、州牧の職務を押し付けられるけん拙(まず)いやんけ!?

汚ねーぞ幾ら何でも!職権濫用やろーがい!?」

糜芳の策謀の意図に気付き、顔を真っ赤にして抗議する。


糜芳が目論んだ策謀は、手合わせに託けてワザと怪我をするように誘発し、しれっと傷病に依る辞職をして、合法的に故郷の徐州に帰る算段であった。


それと同時に、馬超が糜芳の意図に気付いても、職務を押し付けられる事を理解している事で、碌に攻撃も反撃も出来ずに、一方的に糜芳にボコボコにされる事が既定路線なので、どっちに転んでも糜芳には、損は無いのであった。


「おいおい、お前が父親に強請り、私に手合わせを願って叶ったのも、「頭領の息子」という立場を濫用した結果だろーが。

私とどっこいどっこいな事をしといて、人の事を言えた義理か?」

「うっ・・・うぐぐ・・・。」

糜芳のド正論に反論出来ずに唸る。


「さぁ、それを踏まえて、尋常に勝負だ!」

「全っ然勝負にもならねーだろ!?

別の意味でも尋常じゃねーし・・・。」

キリッとした表情で身構える糜芳に、怒り半分、呆れ半分で突っ込む。


「あのなぁ、仮にも州牧に勝負を挑む以上は、それ相応の危険性(リスク)を考えるのが、当たり前だろうに。」

完全に呆れた口調で諭し、


「まぁ一応安心しろ。

お前の親父の馬騰も、間違いなく同罪になるから、淋しくは無いだろうし。」

ピシッと馬騰を指差した。


「ええっ!?私もですかいな!?」

突然の飛び火にたじろぐ。


「そりゃ当然の仕儀だろうが。

子弟の不始末は父兄の不始末、連座で罪を被るのは天下の法だろう?

挙げ句に我が子可愛さに、手加減や遠慮が出来ない不(・)届(・)き(・)者(・)を、直属の上司にけしかけるという、不敬な事をしているのだからな。」

理路整然と今の状況を周囲に説明する。


糜芳の話を聴いた韓遂軍の兵は、「う~ん、筋としては州牧様の方が通っとるか?」とか、「どがいに観ても、文官の州牧様に対して武官の馬超のボンが、手合わせを願うのは、ちぃとみっともなぁな話にはなるわいなぁ」と、馬親子の方に非が有ると判断し、徐々に馬騰軍と距離を取る。


「ちょっ待!?

そつじながら閣下!閣下も手合わせに関しては、同意なされたではありませんか!?」

ジワジワと距離を取っていく、義兄(韓遂)達の行動に焦り、慌てて弁明し始める。


「それはあくまでも、彼我(ひが)の立場をキチンと理解し、上位者に対しての礼節を持って臨むだろうという、前提の基で同意したのだ。

間違っても、傲岸不遜な態度で礼節に欠け、上位者に害する事を歯牙にも掛けない、粗暴な輩と知っていたら受ける訳無いだろ。」

馬騰の言い分を一刀両断して、


「ついでに私は董卓閣下の肝煎りで、涼州を預かって統治をしている。

そんな私を、怪我やそれ以上の状態にした場合、閣下が貴君達をどうするか考えなかったのか?」

見通しの甘さを指摘する。


「うう・・・。」

糜芳の指摘で漸く思い至り、自身の事後の見通しの甘さと、息子の軽率な行動に関して、最悪を想像して呻く。


涼州のドンである董卓に、不利益を与えて敵対した場合、中堅に成るか成らないかの馬騰軍閥では、州内で生き延びる可能性は、限りなく低かった。


そうなった理由が自分の息子が、評判の好い州牧に無礼と狼藉を働いて、怪我以上の事をさせたのが要因になるので、まともに味方する軍閥や民衆が、居る筈もなかった。


現に糜芳の説明を聴いた韓遂達は、「僕らは無関係です」とばかりに、益々馬騰軍から離れて糜芳の後ろに集結し、2割ぐらいの馬騰軍の兵士も、しれっと離反して韓遂軍に合流している始末である。


そうして馬騰・馬超親子を、口先三寸でどん底に落とし込んだ後、


「自分達の行動如何(いかん)で、どういう末路を辿るか判った所で・・・さあ掛かってこいや!」

柔道の威圧のポーズの如く、両手を上に伸ばした後身構える。


「「掛かれるかいや!!そがいな話を聞いて!?」」

親子が揃ってハモる。


「そんな事言ったって、馬超も今更引っ込みがつかんだろう?

腕の一本や二本は覚悟しているから、サッサと掛かって来いつーに。」

「・・・そがいな後ろ向きで情けない発言を、ようも堂々と胸張って言えるもんやな?」

憔悴した表情で突っ込む。


糜芳の場合は幸か不幸か、前世の職業的に釘を足で踏み抜いてケンケンしたり、型枠を解体中に脚立から落下して、腕や胸を打って骨に罅(ひび)が入ったり折れたりと、わりかし怪我慣れしており、結構な耐性が付いていた。


そして現世でも、母・糜香の教(・)育(・)的(・)指(・)導(・)の賜物で、痛みに対する耐性が、底上げされていたのだった。


「さぁどうした?掛かって来い。

掛かって来ぬのなら、こちらからいくぞ?

因みにちょっとでもお前の木剣が、私の体に当たれば骨折する予定だぞ?」

邪悪な笑みとゲスい発言をしつつ、ジリジリと馬超に近づく外道。


「当たり屋のチンピラかよ!?

汚ねーぞ畜生!端っからオレを嵌めるつもりだったなテメェ!?」

悪態を付きながら糜芳に押されるが如く、少しずつ後退していく。


文字通りジリ貧に成りつつある馬超は、


「・・・クソっ!このままじゃ無条件で、ボコられて無様を晒すだけやんけ!?

馬孟起の名が廃れてまうわ!!

こがいになったら、いっそのこと・・・!」

思わぬ展開に混乱をきたし、物騒な発言と狂気じみた表情を浮かべる。


瞬間、


ゴスッ!!

「ふゲっ!?」

小気味良い音が、馬超の背後から聞こえたと思ったら、白目を剥いて前のめりに馬超が崩れ落ちる。


「止めんかいアホ!!

お前の名が廃れる前に、馬家が廃れるわい!?」

怒り心頭といった感じで、気絶した従兄を責め立てる馬岱。


従弟の馬岱が、馬超を背後から木剣で殴りつけ、一連の騒ぎを終結させたのであった。


(お~い!?合法的に田舎に帰れる策謀がぁ!?

・・・うう、残留決定かよ、帰りてーよぅ)

馬岱の英(・)雄(・)的(・)行(・)動(・)に、賞賛と歓声が渦巻く中、「我が策謀敗れたり」とばかりに、何故か敗者の如くorzの格好で、悲嘆に暮れる糜芳を残して。


  涼州右扶風郡郿県郿城建設予定地総監督幕舎


「あーあ・・・折角の好機だったのに・・・。」

ぐでーとだらしない姿勢で、机に突っ伏す糜芳。


「馬超の空騒ぎ」から一週間が経った現在、糜芳は結果的には負けた形になった馬超と、管理責任を負う形になった馬騰に対し懲罰として、元々馬騰が樵(きこり)をしていた経験を鑑みて、住居の建築資材で有る木材確保の為に、近隣の山林に馬騰軍の兵を樵として派遣し、親子共々仲良くへイヘイホーさせていた。


因みに勇気ある行動で、馬騰軍一党の危難を救い出し、馬騰・韓遂両軍に賞賛された馬岱は、馬親子の監視役を糜芳から任じられ、唯一労役から解放される褒(・)美(・)を得ている。


まぁ当人からすれば厄介事と、一族の連帯責任を糜芳に負わされたのと同義なので、嬉しいかどうかは別物であったが。


(う~ん・・・流石は後の蜀漢一の後処理将軍。

若い時分からの積み重ねで、磨かれていたんだな~)

馬岱からすれば、全く嬉しくもない評価を下す。


益体も無い事を脳内で思考していると、


「失礼します閣下。」

誰何も受けずに顔パスで、副官兼別駕従事であり義兄の蔡良が、幕舎に入って来た。


「あれっ?珍しいね。

蔡良がコッチに直接報告書を、わざわざ持って来るなんて?」

久し振りに会う蔡良に対して、首を傾げる。


現状で郿城建設に、掛かり切りの糜芳に代わって、涼州の政務を代行している蔡良は、大凡週1ぐらいの割合で、報告書を糜芳に提出していたが、今までは部下が此処まで持って来ており、本人が直に来たのは初めてであった。


「ええまぁ、偶にはと思いまして。

それに閣下の故郷から訪ねて来た人物を、連れてくるついでが有りましたし。」

「???徐州から訪ねて来た?誰が?」

まさか母上じゃねーよな?と、脂汗が浮かび上がって腰を浮かす。


「先日に閣下が高く評した、魯粛と申す者ですけど・・・。」

「ああ、な~んだ魯粛かよ、ビビらせやがって。」

ラスボスとは違うと知って、ストンと椅子に座り、ホッと胸を撫で下ろすが、


「・・・うん?・・・ハァ!?魯粛ぅ~!?

何でアイツが涼州に来てんの!?」

「いやあの、それは私に言われても・・・。

本人曰わく、閣下のお蔭で世に知られる様になったので、礼を兼ねて仕官をしに来たとの事です。」

血走った目で肩を掴んでくる糜芳に、訳が判らずにしどろもどろに答える。


「はい?・・・え、俺やっちまったのか?」

(なんかデカい改変になってないコレ!?)

どうしよう歴史がぁ~と、鶏の如くバタバタと取り乱し、


「え~らいこっちゃ!?えらいこっちゃ!?

どないしょー!?どないすればええの!?」

混乱して遂には幕舎内で、盆踊り擬(もど)きまで踊り出す始末であった。


「あの~・・・追い討ちを掛ける様ですけど、その魯粛とやらは閣下から州牧の座を、いずれは譲り受ける所存の様ですけど。」

糜芳の痴態というか狂態を観て、ドン引きの表情をしつつ、魯粛の主張を告げる。


・・・ピタッ


「・・・何だって?私から州牧の地位を譲り受けたいと、魯粛が言ったのか?」

「ええ、不遜極まり無い、無礼な発言でしたがどうします?会いますか?」

両手を上げ片足も上げた、某お菓子メ一カーの看板の様な状態で、静止した糜芳の問いに、諦念気味に答える。


「今すぐに呼んで来てくれ!」

「いやあの・・・私の話を聞いて、何でそんなに目を輝かしているんです?

自分の地位を奪いに来た人物を、喜んで迎え入れる閣下の心情が、欠片も理解出来ません。」

理解不能と頭を振る蔡良であった。


そうした両者のやりとりの後、


「お初にお目にかかります閣下。

同郷随一の名士である、糜芳閣下にお目通りが叶いました事、恐悦至極に存じ奉りまする。

某、下邳国は東城県在・魯粛と申します。」

魯粛が幕舎に入って来て、拱手をする。


(ふ~ん・・・コイツが孫呉の2代目総司令で、孫呉軍でも有数のイ(・)ケ(・)イ(・)ケ(・)(タカ派)の魯粛か。

コイツと華歆(かきん)程、演義と正史で人間像が180°違うのも、結構珍しいよなぁ)

拱手している魯粛を観て、全然温和そうに見えない顔を見つめる。


演義では、優柔不断なお人好しとされ、劉備や諸葛亮に翻弄される、ダメダメな人物とされているが、正史では正反対に、果断なイケイケとされており、荊南4郡の領有権を巡って、劉備と孫権が揉めた際は、諫める処か孫権に従って攻撃に参加して、関羽相手に荊南4郡争奪戦を繰り広げていた。


意外にも反劉備として知られている、周瑜の時には当時の状況や、周瑜自身が曹魏の江陵攻防戦での戦傷の影響で、病床に臥しがちだったのも合わさって、荊南は小康状態を保っていたが、孫呉でも親劉備の魯粛の代には、領有権問題が顕在化していたのである。


その為、劉備と孫権の同盟締結に、諸葛亮と共に賛同した魯粛だったが、容赦なく孫呉の利益の為に、荊南奪還or奪取に積極的に行動し、関羽との会談では堂々と劉備を非難している。


そうしてイケイケの魯粛亡き後に、呂蒙(りょもう)が3代目総司令官になっても、魯粛の「孫呉の荊南領有化」路線は踏襲され、最終的には実現したのであった。


どうやら魯粛は諸葛亮と同じく、「天下三分」の持論を持っていて、主君の孫権にも説いた通り、劉備=蜀漢にその一角である、第三勢力を担わせようと目論んでいた。


しかしながら間違っても、蜀漢を孫呉よりも大きい勢力にとは、露ほども思っておらず、あくまでも、「孫呉にとって都合の良い盾、曹魏と絶対に融和しない便利な駒」として、利用するつもりだったと思われる。


それはさておき、


(まぁ、んなこたぁどうでもいい。

それよりも肝心なのは・・・)

魯粛の経歴は脇に置いて、


「此方こそ、貴君にお目にかかれて光栄だ。

早速だが貴君は州牧に成りたいと、其処の蔡良に聴いたのだが、それは本当なのかね?」

いっちゃん重要な項目を、問い質した。


「はは、貴方様の期待に添えるべく、何(いず)れは閣下と同じ地位に就ける様、一生懸命精進する心構えでございます!」

キッと鋭い視線で糜芳を見つめる。


「ふんふん、なる程なる程。」

コクコクと頷き、スッと懐に手を入れると、


「えっと・・・はい、コレ。」

「えっと・・・はい?コレ?」

徐(おもむろ)にスタンプみたいな金属を、糜芳はそのまま戸惑う魯粛に渡す。


「あっ、それは州牧の印璽(いんじ)だから。

只今を以て魯粛よ、貴君に涼州牧を譲るから、後は宜しくぅ!!」

すがすがしい笑みで片手を上げ、あっさりと州牧の地位を捨てる糜芳。


「ハ?ヘ?・・・・・・ハアアアァァァァ!?」

絶叫しつつ、渡された印璽と糜芳の顔を、何度も見返す魯粛。


「いやあのその、ですね?

いきなりポンと州牧を譲られても、朝廷とかその辺が納得しないのでは?」

「大丈夫、大丈夫!!

ちゃ~んと相国閣下には、私から推挙をしておくし、拒否するならど(・)う(・)に(・)か(・)す(・)る(・)か(・)ら(・)。」

魯粛の極々当たり前の疑問点に、そこはかとなく意味深な台詞を吐く。


「そういう訳でう~んと・・・コレとコレとコレと、コレもだな・・・はい、どうぞ。」

ドンドンと必要文書が記載されている、竹簡を魯粛の前に積み重ねていく。


「とりあえずコレ等に記載されている内容を、最低限頭に入れて置くように。」

「いやあの・・・待ってください!?」

完全に混乱状態の魯粛が、取り縋る様に糜芳の服の裾(すそ)を掴む。


「貴君なら楽勝にこなせるから、大丈夫!!

最初は戸惑うだろーけど、慣れればなんて事はないから!

細かい事は蔡良義兄さんを、そのまま別駕従事として置いていくから、判らない事が有れば随時相談をすれば良いと思う。」

ポンポンと優しく肩を叩き、さりげなく裾を掴んでいる魯粛の手を外し、片目を瞑って指で「グッドラック!」のジェスチャーを見せた。


「そんじゃあ、今から長安に行ってくるね! 

・・・ヒャッホウ!フリーダぶっ!?」

自由という、輝く未来の入り口(幕舎の出口)に向かって、嬌声を上げながら駆け出した瞬間、裾が引っ張られてビタン!と、バンザイの格好で顔面からうつ伏せに倒れる。


「ぐぉぉぉ・・・鼻が、鼻がぁぁ!?

なんにゃの一体?」

うつ伏せ状態で鼻を押さえつつ、顔だけ振り向いて観ると、怒りの形相を浮かべた蔡良が、ガッチリと裾を掴んでいた。


「何すんの義兄さん!?」

「それはこっちの台詞でしょうが閣下!?」

裾を掴んだまま、ズルズルと糜芳を引き寄せる。


「犬猫を譲る様に、ポンポンと実績や経験すら無い者に、州牧の地位を譲るとは、一体何を考えているんですか!?」

「待って待って蔡良義兄さん!?

ちゃんとコレでも考えているんだって!?」

蔡良の剣幕に、必死に弁明する主人公。


「ほほう、如何なる考えですか?」

「いや俺ってさ、政務なら無難にこなせるけど、軍務はからっきしだろ?」

「あの閣下?閣下の政務能力が無難なら、大概の文官は無能になりますが?

まぁ、軍務に関しては確かに左様ですね。」

突っ込む所は突っ込み、認める所は認める。


「そんでさ、此処涼州は政務だけでなく、軍務も明るい人物の方が、州牧として適任だと思う訳よ。」

「確かに文武両道が、望ましく有りますが。 

閣下はこの魯粛なる人物が、適任者で有ると仰られるので?」

横目で魯粛を睥睨しつつ、相槌を打つ。


「その通り!!

下手な人物なら譲るのは躊躇するけど、魯粛みたいな文武両道型なら、涼州にはピッタリだと思ったんだよね。」

自然と正座をしつつ、コクコクと頷く。


孫呉に於ける、魯粛の活躍を知っている糜芳からすれば、是ほどの適任者は中々居ないと、断言できるのであった。


(なんか陸戦が得意だったらしいから、適性もちゃんと有るだろうしな。

歴史改変?に成りそうだけど、もう知ったこっちゃ有るかいな!

サッサと徐州に帰って、酒池肉林をしたい)

歴史の修正力でどうにかなんだろと、テキトーに投げる。


「つかぬ事を訊くが魯粛とやら。」

「はっ、何でしょうや?」

「今までに戦や、賊退治に参加した事は?」

「はっ、正式な軍務経験は無く、地元の有志と、こそ泥を退治したぐらいであります!」 

蔡良の怒りのオーラに気圧され、きびきびと軍人の如く返答する。


「全っ然ド素人じゃないですか!?

これならよっぽど私の方が、軍務経験有るぐらいですよ!!」

「え?蔡良義兄さんは、従軍経験有るの?」

素朴な疑問が浮かぶ。


「涼州人ならば、当然の話です。

土地柄を考えれば、自明の理でしょうに。

完全に文官の私でも、大小問わず10戦ぐらいは経験済みですよ。

武官ならば董卓閣下の様に、100戦を越す古強者も、ゴロゴロ居て珍しくありませんし。」

糜芳着任前の世紀末っぷりを、生き証人が赤裸々に語る。


「涼州の武尊気質な土地で、まともに軍務経験の無い者に、自分の命を預ける者はまず居りません。」

「?じゃあ前任者達はどうしたんだ?」

「殆どは郡県や州の武官に、丸投げですね。

偶(たま)にと言うかちょくちょく、元武官だった馬騰殿の様に、兵士を預けた途端部下の武官に、寝首を掻かれる事も有りますけど。」

下剋上事情を、極当たり前に話す蔡良。


「そもそもどういった根拠で、其処な魯粛が軍事に長けていると、見なしたのですか?」

「う~んと・・・え~と・・・勘・・・?」

前世知識からです!とは言えず、うんうんと唸りつつ答える。


「そんな曖昧でいい加減な根拠で、州の最高位を譲る様な、暴挙をしないでくださいよ!?」

顔を真っ赤にして怒鳴る。


しばらく懇々と、糜芳に説教をした後、


「例え閣下が軍務に暗くとも、閣下の仙術(手品)を観た異民族達は、摩訶不思議な現象に畏怖を覚えたからこそ、現状で異民族に侵攻されずに、小康を保っているのであり、涼州人も久しく無かった平穏を、漸くにして謳歌しているのです。」

現況の涼州民情を切々と語り、


「加えて閣下の剛腕とも言える政治手腕で、荒れ果ててバラバラだった涼州内も、涼州復興・発展を目指して1つに纏まったのです。

これからの時に閣下は、無責任に辞任すると言われるのですか?」

褒めつつ、さりげな~く人情に訴える蔡良。


「イエスアイデュ(はいそうです)。」

「い、家酢?愛・・・?」

「・・・何でもない。 

いや~・・・涼州復興・発展の舵取りはしたからさ、ぼちぼち涼州民自身が、自分でやるべきだと思うんだよねぇ~。」

後ろ手で頭を掻きつつ、「もうええやんか俺居なくても」と、辞任を遠回しに仄(ほの)めかす。


「・・・ふぅ、其処まで言われれば、是非も有りませんね・・・分かりました。

早速私からも義父上(蔡邕)に、添え状を送りましょうぞ。」

「え!?ホントに?ありがとう義兄さん!」

留任を訴えていた蔡良が、いきなり主張を翻して、進んで辞任を後押しする事に戸惑いながらも、朗らかな笑顔で感謝する。


「ええ、義父上には「涼州牧を辞めて、大(・)鴻(・)臚(・)と(・)し(・)て(・)董卓閣下や義父上と共に、長安で働きたい」との旨を、きちんと伝えます故。」

「うぇ!?何で!?」

何故かにっこり微笑む蔡良を見つめ、素っ頓狂な声を上げる。


「何でもクソも、閣下の場合州牧の官(・)位(・)は辞めても、九卿である大鴻臚の官(・)職(・)は、しっかりと残っているからです。

今までは州牧の任務が優先され、大鴻臚の職務の方は、半ば免除されていましたが、その州牧を退くと有らば、大鴻臚の職務を務めるのが当然ですから、当然中央に出仕するのが自然な話ですよね?」

「・・・・・・うぅ、確かに・・・。」

蔡良の正確な解説に頷く。


「じ、じゃあ大鴻臚も辞めれば良いんだ!」

「ええ、まぁ人材不足に悩んでいる、董卓閣下や義父上が、閣下程の人材を素直に手放すなら、確かに可能ですね。」

しっかりと逃げ道を塞ぐ。


「そ、そんな・・・。」

愕然とする糜芳。


(確実に辞めさせてはくれねーよなぁ。

多分俺の脱走に備えて、厳重な警戒網も張られるから、浮屠を頼っても難しいだろうし)

脳内で予測した後に、


(涼州と長安、どっちがマシか?

んなもん、天秤に掛ける迄もねぇわ。

地方最高位で、ある程度自由に動ける州牧と、蔡邕爺と董卓魔王にこき使われる中央。

・・・ブラック労働は絶対に嫌じゃい!)

荀攸と机を並べ、目の下にクッキリと隈の付いた状態で、ゾンビの様に働く姿を想像し、イヤイヤと頭を振る。


暫く懊悩した後、


「・・・・・・州牧頑張ります。」

うなだれながら、継投続行を宣言した。


急展開の連続に、唖然呆然としている魯粛の許に、覚束ない足取りでノロノロ近付くと、


「・・・済まないが、印璽を返して貰えるか?」

言い難げに返却を求める。


「あ、はい!どうぞどうぞ!」

「糠喜びをさせて済まないな。

お詫びに貴君には、大鴻臚の官職を譲る。」

頭を下げて謝罪する。


「全然お詫びじゃなくて、只単に面倒事を押し付けているだけですよねそれ!?

「楽聖」と世間に謳われる、糜芳閣下の後釜なんて、成りたがるバカは居ませんよ!?」

しっかりと糜芳の企みを看破して、猛然と拒絶する魯粛。


こうして糜芳は、歴史の修正力?に依って涼州牧を留任する事となり、とりあえず魯粛を書生(住み込みの見習い)として、迎え入れる事となったのであった。


                 続く



え~と次話は、魯粛の話と董卓とそのグレートマザー辺りを中心に、書いていこうと思っております。


遅筆と更新の遅れを、深くお詫び致します。


楽しんで読んで頂ければ嬉しいです。


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