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誕生日

「ねぇマリス、リリスの誕生日って何時なの?」


「えっと、犬の月かな。」


「え・・・。何で教えてくれなかったの?1ヶ月も経ってるじゃん。お祝いしたかったのに。」


1月から12月ではなく、干支のように動物が12で割り当てられているのだ。


「成人の15歳でもないし、毎年貴族みたいに、お祝いとかしないわよ。」


たしかに、誕生日を祝うのは宗教的なものだったって、聞いたことがあったな。

こっちでなくても、おかしくないのか。

でもまぁ俺がしたいんだし、してもいいだろう。


「俺のところだと、生まれてきた日を1年無事に過ごせてよかったって、お祝いをするんだ。」


「そうなんだ。リョータって貴族の出じゃないわよね・・・。」


どうやらこの世界では、見栄を張る以外で祝うものではないらしく、あまり乗り気ではないマリス。


「えっとそれじゃ、マリスは何時なの?」


「内緒よ。成人してる女性にはあまり聞かないものよ。」


「そっか。教えてくれてありがと。リリスとちょっと出かけてくるね。」


「そう。速く帰ってきてね。アリアもリリスをお願いね。」


「まかせて。一番に守る!」


釈然としないがマリスと、リーラには結婚記念日で祝うとしよう。

リーラと遊んでいるリリスを見つけると声をかける。


「リリス、お出かけしよう。」


「うん。いく。ママとリーラは?」


「マリスとリーラには、留守番していてもらおう。」


「え・・・。マリスさんに許可取ったんですか?」


「うん。大丈夫だよ。」


「りょーたと2人、初めてだね。」


アリアがついてくるんだけどね。

外に出ると


「リリス、欲しいものって何かある?」


「うーん。お洋服!」


前に買った服屋が良いとのことでお店に来ると、店長は不在だったようだ。


「リリス欲しい服を選んで。今日は好きなの買ってあげるよ!」


うーんと唸りながら、洋服を吟味するリリス。


「これは俺からのプレゼントだからね。3つか4つくらい選んで良いよ。」


「ほんと?嬉しい。」


小一時間ほどあれやこれやと悩んだ後


「りょーた。この服が欲しい。」


「うんうん。店員さんすみません。この服をこの子のサイズで用意してください。」


「りょーた。違うー。」


「え?」


「えっとね。私のと色違いで、ママとリーラのも買って。あの黒と白。

 りょーたが好きな人同士、平等じゃないといけないって、ママもリーラも言ってる。」


それは夫婦での事だと思うんだけど、まぁ優しいリリスの気持ちを無駄にできないな。

俺はリリスが悩んでいた服を数点見繕うと、リリスに内緒で店員に用意をしてもらう。

さて、アリアはずっと一点の服を見ていて、会話にも入ってこない程だったので、それもお願いした。


「リリス、それじゃ、甘いものでも食べて帰ろう。」


うん。っと目を輝かせて頷いた。

アリアは終始買った服の袋を手放さなかったのでよほど気に入っているのだろう。


「うっまー。甘くて、ちょっと酸っぱくて、うっまー。」


アップルパイを美味しそうに頬張るリリスは、天使のような、いやそれ以上の可愛さに違いない。


家に帰るとリリスは、マリスとリーラに服をプレゼントし、アップルパイの素晴らしさを熱弁していたのであった。

なおアリアは、洋服を着るのかと思いきや、飾って目で楽しむだけだった。

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