設定資料集⑳
《超古代の遺物一覧》
『地均す鉄巨兵』
イスカンドロス軍が偽レフィリア相手に使用した、彼らが巨神兵と崇める人型起動兵器にして王家の秘法。
全長6メートル程ある、全体が重厚な金属装甲で覆われた鋼鉄巨人。片手には荷電粒子の刃を形成する戦斧を装備している。
その正体は旧文明時代の戦術兵器であるのだが、過去にこれを発見して手に入れたイスカンドロスの者達はそういった事実を今日まで一切認識していない。偶然見つけたオーバーテクノロジーの産物を何とか扱えてしまった為に、完全なブラックボックスのまま利用し続けてきたのである。
非使用時は操作装置を兼ねる手の平サイズのキューブ型魔導器に収納されているので、輸送自体は非常に楽。ただし満足に扱うには卓越した人形師やゴーレマンサーとしての技能を持った魔導師が必要。加えてイスカンドロス王家の秘法の一つなので、使用の際は勿論ながら持ち出しの許可がいる。
鈍重そうな見た目に反して、かなり機敏に動き回れる。白兵戦能力に優れ、城塞すら吹き飛ばすパワーはもはや人間の兵士が何人いようと行く手を阻めるものではない。
更に必殺兵器として、頭部の単眼から真竜のブレスに匹敵する魔力粒子砲を発射できる機構を有している。この武装を使用するとその後は大きくパワーダウンするので一度の戦闘につき一回しか放つ事が出来ないが、そもそもこれだけで戦争の勝敗を決めかねない戦略兵器級の破壊力を誇る。
……しかし、この巨人型兵器は厳密にいうとゴーレムではなく、戦闘用に調整された人型魔法生物を金属装甲で覆ったもので、どちらかというと人造人間の方が分類的に近しい。とはいえ、自然の生命体でもないので生物的な寿命はなく、魔力供給さえ絶えなければ半永久的に活動できる。食事も必要ない、というより口にあたる器官が始めから作られていない。
周辺国へ喧嘩を売り続けている軍事国家イスカンドロスが四面楚歌とならずに済んでいる大きな要因にして抑止力。ただし、この兵器は発見された時点で少し故障しており、一度使用してから再出撃が可能になるまでのインターバルにある程度の時間を要する。(イスカンドロス軍の人間はそれが元々の仕様であると思っているが)
最後に――こちらはなんとアイリスムーン製の兵器であり、数こそ不明だが、それなりに量産されていたとされる。
『神聖なる焙烙球』
見た目も使い道もハンドグレネードな消費型アイテムの遺物。
安全ピンを抜いてから投擲し、標的へ光属性の爆発ダメージを与える他、聖焔による延焼及び治癒阻害付与、魔力防壁破壊などの様々な効果を齎す。
更にこの遺物の真価は、たとえ相手を倒しきれなくとも、装備している魔道具の機能や付与された魔法効果を全てキャンセルした上で、しばらくの間は自分で再行使できなくしてしまうという、痛烈な弱体化を与える点にある。
また自身へ強化等を付与していた場合は、その出力に比例して高確率でスタンを掛ける。それだけでなく、効果の影響下にある状態では他者からの各種強化付与も受け付けなくなってしまうのが徹底的なまでに厭らしい。
対魔法防御にも有効なので、アンチアンチマジックとしても成立する。理屈は異なるが、何処かの魔術師殺しの起〇弾に近い効果。因みに元ネタは、アンティオキアの聖なる手榴弾。
余談だが、種族が魔影であるオデュロにとって、聖光を放つこのアイテムを食らわせられたのは割と影響が大きく、この遺物が無ければ、ルヴィス達はまだ悪い状況に陥っていたかもしれない……。
『マギアコンポーネント』
現代で遺物と呼ばれている、超古代の魔道具全てに用いられている内蔵部品。通称、マギコン。
旧文明との技術格差の最大要因であり、非常に小型ながら単独で高性能な魔力回路と制御装置の機能を同時に備える、オーバーにしてロストテクノロジーの産物。構造的にはフォトニック結晶体に近いとされる。
作り出すには基本的に専用の作成機が必要だが、エステラ並みの超天才的技能を持った魔導師なら作成機無しで錬成できない事もない。因みにこの魔導部品の作り方が現代でもし普及してしまうと、千年以上レベルの技術特異点になってしまうとされる。
『ハイマギアコンポーネント』
作中の登場人物達が扱っているような遺物装備の核となっている部品で、その名の通りに高性能型のマギコン。通称、ハイマギコン。
現代の魔道具とは次元違いの性能を有する遺物装備をそうたらしめている最も重要な中枢装置。作成の為のテクノロジー自体は一応、ラスター族が保有してはいるものの、現代では必要材料の一部が既に手に入らない為、事実として新規作成は不可能である。(とはいえ、ゲドウィンはアルバロン島から接収した遺物のレプリカを量産していたので、彼は自身の能力だけで錬成できたようだ)
部品の大きさは通常のマギコンとほぼ変わらないながら、その能力は遥かに段違いであり、いわば原子炉とスパコンが一緒になったようなもの。エステラでさえ作成機無しで作り出すことは出来ない。また、単純に沢山のマギコンを取り付けただけでは、遺物装備の機能は再現できないとされる。
『濤超える亀城船』
旧文明時代における巨大宗教組織、リムンドゥス教団の秘術師集団フェインドルフが神の災厄からの事前避難時に用いた魔導船。
名前が示す通りにウミガメを模した形状をしており、甲羅の上に城が建っているようなデザイン。全長は250メートル程。戦艦ではないので固定武装はないが、当時の魔導船でも極めて高性能な部類に入る。
特に船内環境を管理する為の疑似人格機構(人間の思考を再現したAI)が搭載されており、乗組員がアルバロン島へ移住して記憶を封印後も、前以て彼らから命じられた指示通りに単独で活動を続けていた。因みにこの疑似人格こそが、アルバロン島の民ことラスター族の名付け親でもある。
その疑似人格機構は再生活を開始したフェインドルフの末裔達から島神と呼ばれて長い間、崇められていたものの、150年程前にアルバロン島内で起きた内乱の中で破壊されてしまった。しかし、魔導船の航行システムに関してはフェインドルフらの集団冷凍睡眠前に修復不能な規模で解体されているので、以後の末裔であるラスター族にとって本船はあくまで神殿の遺跡という扱いに過ぎない。また内乱の収束後、この船への立ち入りは島民でも限られた者以外、禁止にされている。
因みにだが、船体は外部からだとまず見つけられないよう巧妙に島内へ隠されている為、主人公勢やメルティカといった部外者の誰もがこの船の存在を知ることは結果的になかった。
『グリターアーカイブ』
旧文明とフェインドルフに関する多くの情報が記された記録媒体。見た目はタブレットに似た板状で、亀城船の奥深くに隠されていたとされる。
ラスター族が自分達の出自について知り得た情報源にして、過去にアルバロン島内の内乱を引き起こしたきっかけの一つでもある。ただし、フェインドルフがアルバロン島へ逃れてきた理由にして、旧文明崩壊の原因たる神の災厄を示す情報は全く何も記載されていなかった。それが初めから書かれていなかったのか、それとも後から削除されたのかは不明。現在は族長宅にて厳重に保管されているとの事だが……。
『慈しみの髪帯』
綾美がソノレからプレゼントされた装備型魔道具。形状は髪留め型の装飾品だが、その機能は超級規模の魔法干渉すら完全に防ぎきる破格性能の護符。
また、装備者に状態異常と弱体化への完全耐性を付与するだけでなく、魔力、知性、精神力、幸運値といった各種ステータスを上昇させる効果も有する。
ただし、その機能を維持するには“装備者の戦闘及び殺傷行為の一切を禁ずる”という制約が存在し、たとえ自衛の為でもこれを破ると、その時点で何の能力も無いただの飾り物に成り下がってしまう。これは“加害しない故に加害されない”という一種の概念防御を利用した構造だからである。(一応は小さい羽虫を潰したり、その辺の雑草を引っこ抜いた程度では判定に引っかからないようだが……)
一度キャンセルを食らった者がもう一度付け直しても効果を授かることは叶わず、強力だが扱いの難しい装備アイテムとなっている。非戦闘員への流れ弾避けとしては非常に優秀。
『刳りの手鉤爪』
半獣の巫女の主武装にして、ハーメルーナ島の巫覡の家系に代々伝わる神器。形状は手首までを覆う、鋭い鉤爪のついた籠手型の武器。両手分あり、普段は腕輪に変えて携帯可能。
爪先から長さ1メートルを超える光刃を伸ばすことが出来、格闘武器ながら、かなりのリーチを誇る。イメージ的にはガ〇ッゾのGNビームクロー。元ネタ同様に指を揃えて手刀の形にすると、光刃を束ねて一本の刀剣状に出来る。
鉤爪には障壁切断効果に加えて魔力防御を断ち切る特性があり、魔力依存の防具等は紙のように容易く引き裂かれてしまう。また、装備者の敏捷性を著しく強化する機能も備える。
『斬り剔る徹鋼爪』
刳りの手鉤爪の強化形態。神器強変という発声認証と共に魔力を込めると、忽ち瞬間変形する。
形状は肘まで覆う盾型の装甲に短剣並みの長さをした爪がついた手甲鉤。見た目的には、虎の名を冠する某ライダーのストライクベントに似ている。爪先からは変形前と同様に光刃を伸ばして、更に威力と攻撃範囲を増加可能。
基本的に他の物を持てなくなるものの、爪が大きくなった事で単純な攻撃力の増強に加え、装甲の追加によって防御機能も備えられた。
この武器を含め、レヴォン諸島における当代の巫覡が各々所持している遺物装備こと神器には、その全てに強化形態への変形機構が設けられているが、これは厳密にはブーストモードと呼ばれるものである。
ブーストモード時は装備者の魔力消費量が大きくなる代わりに、武器の攻撃能力及び装備者の身体機能の強化倍率が上昇する。ただし、装備者への負担的に長続きするものではないので、主に決め手で使用される場合が多い。
『閃く火雷翼』
ノクターナル島のエルフの巫女が所持する、鳥が翼を広げたような形状をした弓型の神器。普段の携帯時は、アーマーリング型の装飾具に変形させて指に嵌めている。
弦を引き絞って魔力を込める事で、火属性のマナから形成した矢を自動的に番える。また、その状態で溜めの動作を行った際、連射、拡散、収束のうちいずれかの撃ち方で放つ事が可能。どれも一射で小規模な砦程度なら跡形も無く消し飛ばせる威力。
過去にアンバムが持っていた輝きの七武具の弓と似たような性能だが、こちらはチャージが必要な分、一発における射程と威力は上である。
『舞い翻す飛麗翼』
閃く火雷翼の強化形態。神器強変と唱える事で、一瞬にして形状が切り替わる。
弓という遠射武器から一変してブーメラン型の投擲武具となり、標的を定めて投げつけると火の鳥の翼を想わせる火炎刃を発生させて、高速回転を伴い広範囲を巻き込みながら飛んでいく。
武器の特性故にあまり小回りは利かせられないが、それでもある程度の思念誘導で遠隔操作は可能。物理法則をだいぶ無視した複雑な軌道で動かせられる。
他の神器と異なり長距離攻撃が出来る反面、攻撃時にどうしても隙の発生する仕様な為、扱いや形態変更の状況判断が特に難しい武器。単騎よりも他の誰かと組んだ方が真価を発揮する。
『苛烈なる果実弾』
それぞれ見た目と種類の異なる手投げ弾が八個セットで揃った消費型の遺物。カラフルでポップなデザインの球体が専用ケース内に収まっている。
神聖なる焙烙球と同様、ピンを抜いてから投擲使用する爆発物で、内容は催涙弾、閃光弾、焼夷弾、凍結弾、粘着弾、音波弾、強酸弾、放電弾の八種類。
しかし劇中で登場した時点で既にもう幾つかは消費済みであり、ノクターナル島でハンターが粘着弾を使ったことで残りは三個となっている。
アイテムの仕様上、単体の強力な敵を倒すよりは、密集した大勢の雑兵へ対処する事を主眼とした代物。
『視通しの眼杖』
ガルヌンドゥム遺跡地下の最奥にて発見された遺物装備の一つ。
デザインはシンプルな魔杖だが、その先端には眼球を模したレンズが備わった球体がついており、これを分離させると浮遊端末として独立稼働させることが出来る。本体である杖から数キロメートル先まで端末の飛行移動が可能。
また、飛ばした端末は視覚共有魔法によって遠隔視が出来るだけでなく、その場所へ向けて端末越しに魔法を放てる。しかも通常、魔法の遠隔使用は距離が離れる程に威力が減衰したりコストが増すものだが、この魔杖を用いた場合は距離の影響や制限を一切受けず、目の前の対象へ使った場合と同様の消費だけで済む。
当然、装備者の魔力関連ステータスも軒並み上昇する。
『刻みの鎖剣』
ガルヌンドゥム遺跡地下の最奥にて発見された遺物装備の一つ。
分類的にはグレートソードくらいの両手剣だが、その長大なブレードの外周には荷電粒子の小刃が大量に並び、しかもチェーンソーの如く高速回転する機構を備える。
ただでさえ荷電粒子の刃で鋼鉄だろうと容易く切断できるのに加え、魔力防御貫通や障壁破壊効果といった特性まで有するので、大抵の物体は瞬く間に両断されてしまう。ただし、見た目通りに取り回しは頗る悪いので素早く動き回る相手には向かない。
因みに非戦闘時は柄だけの状態に出来るが、それでもちょっとした鈍器には出来るくらいの大きさをしている。また身に着けているだけで身体機能が向上するので、男魔剣士は少しだけ自身を蝕む呪いから体が楽になっていたりする。
『射抜きの機弓』
ガルヌンドゥム遺跡地下の最奥にて発見された遺物装備の一つ。
ボウガン型の武器だが、その実体は携行式の魔導電磁投射砲であり、セットの専用矢弾を番えて射出する。
矢弾は通常、鉄杭ほどのサイズの金属矢だが、射出されてすぐに槍並みの大きさへと転じて、勢いや速度を落とすことなく標的へ飛ばされていく。戦車砲と変わらぬ威力と射程に加え、同時に衝撃波と魔力の放電を伴うので多少の範囲攻撃も望めるのが強み。ついでに障壁貫通効果も有する。
それだけの凄まじい運動エネルギー弾を放てるというのに、武器を撃つ側の反動は拳銃程度というのがこれまた高性能。ただし単発式なので撃つ度に装弾動作が必要な上、撃った直後は約10秒の魔力チャージ時間が発生する。加えて、武器の貯蔵魔力が最大の状態で連続15発までしか撃てず、それを使い切ると全快までに半日以上掛かってしまう。
因みに、武器型の遺物装備には身に着けた者の身体機能を増強、または補強するものが多く、これもまたその部類に入るが故、弱りきった状態のカリストロスにとっては追加の攻撃手段であると同時に、一種の添え木的な役割を果たしている。
『自在なる小盾』
ガルヌンドゥム遺跡地下の最奥にて発見された遺物装備の一つ。
見た目は小型の盾だが、本質的には魔道具の部類であり、中に特殊な液体金属を格納している。この液体金属は装備者の魔力操作で多種多様な形状へと変化させられ、武具等の物品を作成したり、生き物の姿にして操ることも可能。いわば、自在に変化する液状ゴーレムともいったところ。
ただし、あまりに複雑だったり使用者がよく解っていない構造のものには変化させられない。また、盾の内部は限定的な亜空間と化している為、だいたい500リットル程の液体金属が内蔵されている。当然、重量の影響を受けることはない。
『砕きの戦棍鎚』
ブリンスタン島のドワーフの覡が所持する、ハンマー型の神器。ヘッド部分が樽型をした大きいタイプのもので、シルエット的には某大王や某紙の髭親父が持っているものに近い。
シンプルな殴打武器に思われがちだが意外と多機能で、振るった際に高圧の水を噴出することでスイング時のパワーとスピードを増したり、接触時に爆発じみたダメージを与えたり、はたまた投擲しては氷の膜状のバリアを張って味方を守るなどといった使い道が出来る。
他にも地面を殴って氷柱の槍を標的の足元から突き出させたり、氷のハンマーを無数に作ってハ〇マーブロスの如くばら撒いたりと、とにかく芸が細かい。また持っているだけで容易に魔力障壁も展開出来る為、何かと便利な攻防一体の武具に仕上がっている。
『叩き搗く旋甲鎚』
砕きの戦棍鎚の強化形態。神器強変と唱える事で瞬時に変形する。
ハンマーのヘッド部分が球状のメイス型になり、しかもそれを魔力の鎖に繋いだ状態で分離させることで、いわゆるモーニングスターに近い形状の殴打武器となる。
更にその先端部からは大量の水や氷を発生させることによって球体の巨大化が可能で、サイズと重量が増大した塊をガ〇ダムハンマーの如く投げつけては標的を大地諸共、豪快に圧殺せしめる。
『穿ちの双杖角』
ライトリード島の竜人の覡が所持する、長杖型の神器。杖の先端からインパラの角に似た二又の長い突起が生えた形状になっている。
装備者の魔法行使能力全般を強化する上、特に地属性魔法の威力の増強及び短詠唱化を行う。上級魔法であろうと、一工程での行使が可能。
『刺し通す槍状角』
穿ちの双杖角の強化形態。神器強変と唱える事で瞬時に変形する。
魔杖から白兵戦用の槍に転じたが、魔法行使そのものは変わらず可能。巻貝を想わせる螺旋状の矛先からは、ドリルの如く魔力奔流が渦を巻いて放出され、接触したものを悉く破砕しては孔を穿つ。
また形態変化時に装備者の身体機能も大きく増強される為、魔杖の時とは全く対照的なスタイルでの戦闘を展開させられる。
『僥倖たる堅輪』
ハンターが人狼の導師へ賞品として渡した腕輪型の魔道具。そのまますぐに半獣の巫女へ贈られる。
一度きりだが、有事に装備者の運命を改竄する形で危機より脱する、もしくはクリティカルを発生させて打開するという一種の護符。発動すれば、個人限定ではあるものの、単なる幸運の域を超えた不条理レベルの奇蹟さえ起こす。ただし、意図的に狙って効果を生じさせることは出来ない。
また、強い信頼関係を持つ者から譲渡された上で、常日頃から身に着けておかなければ機能を発揮しないという条件まで存在する。この辺りの儀式的な特性と扱い辛さは慈しみの髪帯と近しいところがある。
とはいえ、上記の要素を満たしていれば、確実な致命傷を受けてしまった場合に限り、使い捨ての即死回避手段としても成り立つ可能性が高い。
『燦然たる九支刃』
アルテラス神が所持していた宝剣の遺物武器。七支刀のように枝状の刃が左右交互に並んだ形状の長剣。
レヴォン諸島の各巫覡が持つ神器と同様に、元はアイリスムーンが開発した代物。しかもこれは最初からアルテラスが使用する事を前提とした設計になっている。
数ある遺物武器の中でも携行式の中では上澄みの部類であり、スペック自体が段違いな上に使用法がとにかく多種多様。まず直接手に持って振るわなくても、魔力操作により遠隔端末として自在に飛ばすことが出来る。
他にも刀身から強力な破壊光線を放ったり、剣を九つの直剣に分けて、更に使用者と全く同じ能力の分身まで付け加えるなどといった、一対多の戦闘状況への対処機能まで備えている。
そしてこの武器最大の特徴が九回まで行える自動蘇生機能であり、たとえ装備者が殺されても、その運命を剣の刃のうち一つに移すことで“無かった事”にしてしまう。当然、機能が使用される毎に武器全体の出力は下がりこそするが、簡単に即死しないという点は何よりの強み。
またこの仕様は武器自体も対象内であり、仮にこの武器が破壊されたとしても、あくまで九つある枝刃の一つにその事象が移されて全損には至らない結果になる。仮に対応することを考えるなら、分身時に分かれた剣を各個撃破するか、自動蘇生の能力を超える規模の攻撃を武器側に叩きこむ必要がある。
因みに作中では使用しなかったが、実はこの武器にはブーストモード――即ち、神器強変させた形態が存在する。その場合は某ゲームに登場する八相剣のような形状となり、メルティカの鎖剣のように振るわれるのだとか。




