プロローグ①
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「あれ? もう魔物倒したの?」
エマは右手に杖を持っていた。
洗練された魔法師の佇まいで、風に髪を揺らしながら軽やかに微笑んでいる。
「あぁ! このあたり一帯はもういないよ」
アルは杖ではなく剣を持っている。
凛とした立ち姿で剣の血払いをし、鞘へと納めた。
「本当ね! よかったわ。これで領民たちが普通の生活に戻れるわね!」
エマは満面の笑みで答えた。
「そうだね! でも書類は僕たちよくわからないし、不備があったら嫌だからあの人に聞いてみよう?」
アルはエマに言った。
「それがいいわね!」
エマも頷いた。
「ありがとうございます! なんとお礼を言えばよいのか! 病弱との噂がありましたので、心配しておりましたがここまでお強いとは!」
安堵と深い感銘に包まれた表情で、この壮年の男は領民の代表として来たようだ。
今もなお国中に流れている「病弱でか弱い」という噂を完全に吹き飛ばす二人の圧倒的な活躍に、男は感涙しながら深々と頭を下げた。
「どういたしまして!」
エマは元気に振り返った。
その横でアルも微笑んでいる。
双子は大切な家族と領民たちの未来を照らす眩い光となっている。
双子はまだ知らないのだ。
その先の自分たちの行く末を。
◇◇◇◇◇
ーそれは、双子が産まれて間もない頃のこと。
窓の外には、テーリア王国の広大な大地を包み込む深い夜が広がっていた。
王城の最上階に近い一室、柔らかな天蓋付きベッドが置かれたその部屋は、張り詰めた緊張感と、独特の血の匂い、そして新しい命を待つ熱気に満ちていた。
沈黙を破ったのは、二つの重なり合うような、しかし力強い叫びだった。
『おぎゃーおぎゃー』
大きな産声が部屋いっぱいに響き渡った。
その声はとても元気で生命の力強さに満ちていた。
赤ん坊の泣き声は分厚い石造りの壁を越え、城下にまで届かんばかりの勢いだった。
「おめでとうございます!陛下!」
部屋全体が誕生を祝福した。
「男女の双子です。髪はお母様に似て、金髪です。瞳は⋯お父様に似た紫です。シリル様によく似ていらっしゃいます。」
そう言ったのは側にいた侍女の一人。
彼女は手際よく布で赤子たちを包み、安堵の表情を浮かべた。
母は金髪碧眼で父は銀髪紫眼だったので双子は金髪紫眼としてこの世に誕生した。
その両方の特徴を奇跡的なバランスで受け継いだ双子の姿を見て皆が喜んだ。
そして産後直後の憔悴しきった表情のなかにも、女王としての、そして一人の母としての慈愛が宿る。
「あぁ、やっと会えた⋯私の可愛い赤ちゃんに⋯」
母であるオフィーリアは優しく父であるヴァルドに微笑む。
その顔は蒼白で、額には薄っすらと汗が浮かんでいたが、視線はしっかりと我が子を捉えていた。
「あぁそうだね。僕達の可愛い赤ちゃんに会えたんだ⋯それも二人⋯ありがとう、ありがとう、リカ。」
言うなり、ヴァルドは泣き出してしまった。
この日のために祈り続けてきた彼は、双子ゆえに少し小さく生まれた我が子たちの重みを腕に感じ、無事に生まれてきてくれたことへの感謝で胸がいっぱいだった。
ヴァルドは溢れる涙を拭おうともせず、彼は愛する妻の名を呼んだ。
「名前はどうする気なの?リカ。」
「ふふ、名前はねもう決めてあるのよ。」
「どんな名前なの?早く教えてよ。」
ヴァルドは急かすように問いかける。
リカの少し悪戯っぽく、しかし確信に満ちた笑みに、部屋の空気はさらに和らいでいった。
「わかったわ。男の子のほうが、『アルフレッド、アルフレッド・オーウェン・ブライアン・テーリア』よ。だから『アル』と呼ばなくてはね。」
「女の子の方は?決めてあるんだろう?」
「もちろんよ。女の子の方はね、『エメライン、エメライン・ローズ・キャロライン・テーリア』。この子はね、『エマ』って呼びたいわ。」
「ああ、そうだね。この子達の名前はアルフレッドとエメラインだ。」
このとき、周囲を含め幸せな時間を過ごしていた。
あの事がわかるまでは。
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※作者が下書きを作成しそれをAiがセリフはほぼ変えず肉付けを行ったものをさらに最低3回の推敲を重ねております。読者様に最高の物語をお届け出来ますように精進してまいります。




