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 超新星の光に変化があらわれたと、画面の向こうで専門家が言った。


『ほんの僅かですが、超新星の光の明るさは強くなったり弱くなったりを繰り返しています。その周期がだんだん短くなってきました』

『すると、どうなるのでしょうか?』


 進行役のアナウンサーが尋ねる。


『夜が戻ってくる日は、近いかもしれません』


 そこまで聞いて、僕はテレビを消した。

 夜が戻れば、僕の能力も使えなくなるかもしれない。斑鳩先生からの連絡はまだなかった。

 僕はこれからのことをぼんやり考えながら、学校へ向かった。クラスメイトとおしゃべりが響く騒がしい朝の教室は、僕を歓迎してはくれない。誰も僕には目もくれず、仲間同士で盛り上がっている。

 僕はいつものように「はみ出し席」に座り、友達が来るのを待った。友達と言っても、もうコハクだけなのだが――。


「あっ……」


 僕は自分自身も聞こえないくらい小さな声をあげた。レイが教室に入ってきたのだ。

 しかし彼は僕を完全に無視し、昔のように席に座って文庫本を開いた。昨日、レイから言われたひとことが、ざらざらした紙やすりで撫でられているように僕の胸をゆっくりと削る。

 これでよかったんだ。

 僕はそう言い聞かせて、コハクを待った。あの雪景色のように輝いた瞳を、再び僕だけのものにできるなら、罪悪感も悪い後味も消えるはずだ。


「二人ともおはよう!」


 2、3分ほど経って、待ち望んだコハクが現れた。「二人とも」とまとめられた僕とレイは、それぞれ別々のタイミングで挨拶を返す。


「おはようコハク!」

「……おはよう」

「どうしたのレイくん? なんか元気ないね」

「そうかな。俺はいつも通りだけど」


 レイは本から目を離さずに、コハクにそう言った。


「何か悩み事でもあ」

「なにも」


 コハクの心配する声に被せるように、レイは素っ気なく答えた。昨日までのレイとは明らかに変わっていた。まるで出会ったころのレイに、戻ったかのようだ。


「なら、いいけど……」

「ねえ、コハク。今日の英語の予習なんだけど」

「あっ、うん。なになに?」


 あからさまに不安げな顔を取り繕って、コハクは僕のほうへ振り返った。


「ここの訳ってさ、これで正解だよね?」

「私も迷ったんだけど、一緒の訳にした!」


 レイに背中を向けて、僕と話し始めたコハク。僕はコハクの気を引こうと、必死になって会話をつなげる。そんな僕らの姿が、レイにはお互いに無理をしているように見えたはずだ。


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