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誕生

2話です。今回は友人に読ませてないので変なところが多々あると思います。直していくので、是非ご指摘ください。



陸は、自分の視界が黒から白になっていくように感じた。


(もしかして、助かったのだろうか。)


俺は恐る恐る目を開ける。


しかし、俺の淡い期待はすぐに崩れ去った。


(ここはどこだ!?)


俺は知らない部屋で、知らない少女に抱き抱えられている。


そして、俺を抱えているいる少女が嬉しそうに言った。


「エミルーナ様!生まれましたよ!元気な男の子です!」


(エミルーナ?どういうことだ?結局俺は死んだのか?)


俺が困惑してることにもお構い無しに、これまた見知らぬ女性と話を始める。


「あら、なんだかとても困ったような顔をしているみたい。私がエミルーナ、あなたの母親よ。……と言っても、まだ言葉は分からないだろうけれど。」


(……分かるんだけど。多分、日本語で合ってるはずだ。しかし、2人ともどう見ても外国人だよな…)


そう、彼の思う通り、彼女たちはどう見ても日本人ではない。


「マリーナ、この子はアルフォードよ。アルフォードを寝かせてあげて。」


「はい、エミルーナ様もおやすみなさいませ。」


(俺の名前はアルフォードと言うらしい。どうやら、生まれ変わってしまったらしい。)


俺は、連れていかれる前にエミルーナの姿をじっと見つめた。


エミルーナは青というより、紺に近い髪色で、髪を肩の辺りで切り揃えている。年齢は20歳くらいで、かなり美人である。服はかなり豪華なので、どうやらかなりお金持ちのようだ。


エミルーナも俺がじっと見つめていることに気付いたようで、小さく手を振ると、そっと目を閉じた。


俺は小さなベッドに寝かされた。


次は、先ほどマリーナと呼ばれた少女を見つめてみた。マリーナは視線に気付くことなく寝かし付ける準備をしている。


マリーナは、10代半ば程で、銀髪を肩より少し長いくらいのポニーテールに纏めて、活発に見える可愛らしい少女だ。服装はエミルーナほどではないが、綺麗な衣装を身に纏っている。


俺がじっと見ていたことに気付いたのか


「ふふ、アルフォード様、私はお母様ではありませんよ。」


と笑うと、そっと俺の額に手をかざした。


「ヒール!」


彼女がそう言うと、俺の体は暖かい光に包まれた。


(これは何だ?まさか、魔法…?いや、そんな馬鹿な…。この不思議現象が非常に気になる。気になるが…)


だんだんと眠気が増してくる。俺は思考する間もなく眠りに落ちた。




俺は目を覚ました。しかし、天井も自宅のものでもなく、体が思うように動かない。手を伸ばそうとすると、視界の端に小さな手が動くのが分かった。どうやら、俺が生まれ変わり…いわゆる転生をしたのは事実だったらしい。


(どうしたものか。昨日産まれたのなら、まだ首が座っていないし、動くどころか、迂闊なことは出来ないな。)


そんな風に考えていると、エルミーナと、豪華な衣装を身に纏った、銀髪の20代後半と見られる男性がやってきた。


「おぉ、何と…何と可愛いんだ!エルミーナ!よくやった!素晴らしいぞ!」


「もう、落ち着いてください、あなた。興奮し過ぎですよ。王様なんですから、もう少し落ち着いてくださいませ。」


(……んっ!?今、王様って聞こえた気が…。)


「そういうお前は王妃だろう?はっはっは」


「うふふふふ」


(空耳では無かったのか…。マジかよ…俺、王子様らしい。お金持ちだろうとは思っていたが、まさか王様の子供だったとは…。)


「コホン。お二人とも、そこまでにして下さい。アルフォード様が起きてしまいますよ!」


「……マリーナか。そうだな、いかん。危うくアルフォードを起こしてしまうところだった。」


(もう起きてるけどな!……ここでわざと今起きたふりをしたら面白いのではないだろうか。)


「お、おぎゃー」


(どうだ!俺の渾身の号泣!)


すると、王様の顔が真っ青になった。そして口をパクパクさせる。


「ほら、言ったじゃないですか。」


そう言いながらマリーナは俺を抱き上げて宥め始める。


「アルフォード様、びっくりしましたね〜。こちらはあなたのお父様の、ダニエル様ですよ〜」


そうして俺はダニエルへと向けられる。俺はダニエルの顔をマジマジと見つめる。


……なかなかの美男子である。爽やかなイケメンという言葉がしっくりくる。


(母親は美人でも、父親がどうなのか不安だったが……特に問題は無さそうだ。俺はきっとイケメンに違いない。)


俺は安堵して微笑んだ。すると…


「か…可愛いっ!?」


ダニエルの様子がおかしい。顔がにやけてとても国王には見えない。


「あなた、落ち着いてください。……お顔が緩んでますよ。」


エルミーナが注意すると、ダニエルは顔を引き締めた。


「エルミーナ、また来るぞ。」


「えぇ、あなた。お仕事頑張ってくださいませ。」


どうやら、ダニエルは仕事へ行くらしい。国王としての業務が忙しいのだろうか。俺と居たのは20分程だった。


エミルーナはダニエルが部屋から出ると、乳児用の服を取り出した。


「うふふ、私が編んだんだけど、似合うかしら?マリーナ、手伝って頂戴。」



エミルーナとマリーナは俺を着替えさせた。


「まぁ!何て可愛いのかしら。」


「とってもお似合いですよ!アルフォード様!」


俺としては似合っていようがいまいがどちらでも良い。1つ感想を言わせてもらうとすれば、"恥ずかしい"だ。彼女たちからすれば俺は乳児なのだが、俺としては他人に着替えさせられるのは嬉しくない。25歳の男が、年頃の女の子に着替えさせられるのだ。とても恥ずかしい。


しかし、そこで俺は非常にまずい状態であることに気づいた。


(………トイレ、どうしよう。)


しかも、腹が減って仕方がない。乳児の食事といえば……そこで俺は考えるのをやめた。恥じらいなんかよりも、生きる方が大切だ。


俺はトイレと食事を終えたが、これから1年ほどこれが続くと思うと少し憂鬱になった。



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