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魔石職人の冒険記  作者: 川島 つとむ
第五章  リンデグルー自治国記念祭
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商業ギルドの食事処

登場人物 ロップソン=ロプ(台詞表記) ジャド=ジャド(台詞表記) ニイナ=ニナ(台詞表記) ミリアナ=ミア(台詞表記) レイセモルス=レイ(台詞表記) 小林幸=幸(台詞表記) ミーリス=ミリ(台詞表記)

 到着した洞窟前では予想通りジャド達がお茶会を開いていたけれど、かなりくたびれた様子だった。


 ロプ 「お疲れ~。というか、疲れ過ぎてないか?」

 ジャド「かなり苦労したからな。ヒュドラの再生能力が半端ないのもそうだが、ツインヘッドスネークが厄介でな。岩の隙間に入り込んで、全然出て来ないと思っていたら、別の所から出て来て襲いかかって来る。下手に攻撃して岩の中で死なれても、回収できんからかなり苦労させられたよ・・・・・・」

 ロプ 「それはそれは、大変だったな。こっちはそこまで苦労はしていないかな? 崖登りとか、そっちで結構疲れた感じだったけれど」

 ニナ 「いいな~。私もそっちがよかったかも~」

 ミア 「ロップソンさん達も、コカトリスとバジリスクとアラクネ、ロック鳥と一杯倒して大変だったと思うよ。どっちが大変だったとかわからないと思います」

 レイ 「そうですね。たった二人で回るとしたら、かなり大変な仕事だったと思えます」

 ミリ 「それぞれ大変だった、それでいいと思うが?」

 ロプ 「だな。今日はもう終わりだし、戻ったらギルドで何か食べよう。たまには商業ギルドの方で食事っていうのもいいんじゃないか?」

 ニナ 「商業ギルドって、食事処は解放されてたの?」

 ロプ 「ギルド内の食堂はギルド員専用かな。でも、商業ギルドに所属している者が一緒にいれば、入れるぞ」

 ミア 「うわ~。じゃあ行ってみたいです」

 ニナ 「私も行きたい!」

 ジャド「じゃあ商業ギルドの食堂で、軽く打ち上げをするか!」

 ロプ 「騒ぎ過ぎないようにな~」


 みんながマギーに乗り込んだのを確認し、荷台の素材も落ちないようにしっかり布をかぶせて固定すると、早速商業ギルドへと向った。町は段々と飾り付けられ始め、祭りが近付いて来ている事をそこはかとなく匂わせている。僕の所属している商業ギルドは露店や食事に宿等々、さまざまな分野で祭りに貢献しているから、かなり前から準備で忙しくしている。おそらくは事故が起こらなければ、僕にも目玉になりそうな魔道具の作製が依頼されただろう。

 残念ながら準備期間が事故によって潰れてしまった為に、今年の僕の仕事は素材集めになったのだろう。これらの集められた素材は、さまざまに加工されて露店に並んだりするのだろうな~

 気になるのはやっぱり熊かな? 癖が強くてあまり人気がない肉だから、それがどう加工されるのか楽しみである。ひょっとしたら料理以外に使われるってパターンだったら、がっくりだな~。日本なら、熊缶とかあったしね。

 そんな事を考えながら運転していると、商業ギルド前まで辿り着いた。今回は一時的に止めるのではなく、中で食事もして行こうかと思っているので裏に回り、商品の搬入をしているギルド員の人に荷台の荷物を受け渡す事にした。


 ロプ 「こんばんは~。素材収集の品物なんですが、確認してもらえますか?」

 ギルド「こんばんは、ロップソンさん。直ぐ確認させてもらいますが、裏に回るって事は、中に用事ですか?」

 ロプ 「仲間にここの食堂の味を味わってもらおうと思ってね。たまにはそういうのもいいかと思ったんだ。いいかな?」

 ギルド「はい、いいですよ、少し待ってもらっていいですかね? 今仮の入場許可証を持って来ますんで」

 ロプ 「お手数おかけします」


 少し待つと搬入作業をしているギルド員の人が、人数分の許可証を持って来てくれたので受け取って、みんなの首にかけていった。


 ギルド「品物を確認したら、食堂の方に伺いますので、後でそちらに書類など持って行きますよ」

 ロプ 「お願いします」


 一応作業しやすいように荷台の連結を外して、移動させやすいようにした後みんなに話しかけた。


 ロプ 「お待たせ、こっちが食堂だから付いて来て」

 ニナ 「ご飯~」

 ミア 「楽しみですね。冒険者ギルド以外のギルドって、中に入った事がありませんし」

 ジャド「俺は入った事あるけれどな~」

 ミリ 「魔術師ギルドになら入った事があるが、どこも独特な雰囲気があるな」

 ロプ 「僕はそっちには入った事がないな。いらないって言われて門前払いだったよ」

 ジャド「まあ、あいつらは頭が固いからな。塔に閉じ篭って研究ばかりしているんだろうよ」

 ミリ 「まあ大半はそうだ。結果を出している者など、一握りだな」

 ロプ 「付いた、こっちにメニューがあるから、ここから選んでくれ」


 みんなを今日出せるメニューが書いてある掲示板の所へと案内する。そうしていると、後ろから声がかけられた。


 食堂員「あら、ロップソンさんじゃない。今日はお仲間と来たのかい? それなら開発途中の試作品があるんだけれど食べていってくれないかしら?」

 ロプ 「開発状況は?」

 食堂員「一般受けするかどうかのチェックって感じかしら。冒険者ならいろいろと食べているし、こういうの得意じゃないかしら?」

 ロプ 「試食って事ならタダだよね? それなら引き受けてもいいよ」

 食堂員「わかったわ。それじゃあよろしくね」

 ロプ 「みんなすまないが、そういう訳で試作品の味見をしてくれ。代わりにお金はいらないそうだ。何ならデザートとかを注文してもいいかもしれないな」

 ニナ 「やった、タダ! デザートってどんなのがあるの?」

 ロプ 「ああすまん、デザートのメニューはこっちだ」


 日々仕入れで変わるメニューと違い、ちゃんと羊皮紙に書かれたメニューをニイナに渡す。ただこっちのメニューは作れる時と作れない時があるので、聞いてみないとわからないんだよね~ それも説明して席を確保しに向った。

 女性陣は幸も含めてメニューを見て何を頼もうか相談しながら食堂のおばちゃんの所へと向って行った。


 ジャド「やっぱ、女は甘い物が好きだな~」

 ロプ 「ジャドは酒とかは頼まないのか?」

 ジャド「一応リーダーだからな、商談が終わってから飲むよ」

 ロプ 「なるほど。酔った勢いで失礼をしたら、せっかく顔を覚えてもらえても意味がないからな」

 ジャド「そういう事だ。今回の依頼はかなりいい金額になりそうだな~」

 ロプ 「満足してもらえているようでよかったな。今日でリストの素材は大体集まったよな?」

 ジャド「ああ、全て完了だ。一杯働いたな~」

 ロプ 「また二・三日休みか?」

 ジャド「ああ、生産もしないとだったな。じゃあ少し休みを取ろうか。みんなの状況次第だろうが、祭りが終わるまでは基本休みでもいいかもしれない。途中連絡だけ付けられるようにして、単発の仕事を受けてもいいなって感じかな」

 ロプ 「ほお、まとまった休みがあるなら嬉しいかな。それで頼むよ」

 ジャド「了解」


 デザートを選び終わったのか、女性陣が帰って来た。丁度そのタイミングで試作料理が完成したのか、次々と料理も運ばれて来た。


 食品課「ロップソンさん、お久しぶりです。今日の試作品は私達の新たな試みの一つなんですよ。以前錬金術を料理に取り入れていたのを応用して、今日の料理は作られています。試してください」

 ロプ 「お久しぶりです。錬金術を普通の料理に取り入れたのですか? どの部分で錬金術は役に立ったのか教えてもらっても構わないですか?」

 食品課「まあそれくらいはいいでしょう。昔魔王軍が現れる前にここと、マグレイア王国という国がブレンダ様の技術で繋がった事があるのを覚えていますでしょうか?

 そちらで作られていた野菜などがこちらで作られる野菜よりも素晴らしいものだった。物によっては一切の調味料を必要とせず、生のまま食べられる程に青臭さがなかったり、苦味がないどころか果物のように甘かったのです。そこで錬金術により苦さや青臭さを取り除けないかなどの研究をしまして、その研究結果がこれらになります」

 ロプ 「なるほど。錬金術も意外なところで活躍の場を手に入れたものですね」

 食品課「ですね。まだまだ研究中なので、マグレイア王国の野菜にはかなわないのですが、まあ少しはましになっているかと思いますよ」

 ニナ 「もう食べていい?」

 食品課「これは申し訳ない。どうぞお召し上がりください」

 ロプ 「感想はまた後で、それではいただかせてもらいます」

 食品課「どうぞどうぞ。ではまた後程伺わせてもらいますね」


 まさかこんなところで、料理開発部署の人と関わる事になるとは思っていなかったな。

 いくつかの試作料理が並べられ、取り皿も用意されていた。とりあえず、みんなでそれぞれの料理を味わえるように平等に皿に取って配られる。取り分けてくれたのは幸とミリアナだった。


 ジャド「後で感想を聞かれるのを忘れるなよ。じゃあ食べよう~」


 その声でみんなそれぞれ食事を開始する。試作された料理は全部で五つあって、初めに手を付けたのは三色に彩られたスープもどきにしてみた。どうやらスープにパンを混ぜたものらしく、それで固形っぽくなっているようだ。色が違うのはミルクを使ったもの、そこに野菜を入れたものだからみたいだな。

 白くミルクだけのやつは甘い感じの味だが、ミルク臭さが抜けていて中々味わい深い、だが甘いものが苦手な人はちょっとって感じかな?

 緑のやつは意外な事に野菜の風味が残っているのに青臭さがまったく感じられず、ビックリした。でもやっぱりあまり食べたいという程引き付けるものはないかもしれないな。

 赤いのは少しピリ辛の中にも酸っぱさがある不思議な味だった。これはちょっと癖になりそうな味かな? 他のやつより、この赤いのが美味しく感じた。


 幸  「この赤いスープ? 何だがトマトケチャップみたいな味ですね」

 ロプ 「あー、言われてみればそうだな。煮込んであるスープだがら似た感じの物になったのかもしれないな」

 幸  「このパンみたいなのを無しで味わってみたかったです」

 ロプ 「僕としては、これはこれで面白くていいって思ったけれどな。まあでも確かにスープとして味わってみたいかもしれないな」

 幸  「ケチャップがあれば、家でも作れそうなんだけれどね」

 ロプ 「さすがにケチャップはないからな~」

 幸  「残念だね」


 そんな感想を言い合い次の料理に移る事にした。他のメンバーはおおむね美味しいって思ったらしく、満足そうに食べている感じだね。これはひょっとして日本の料理を食べた事がある僕らとは、美味しいと感じる基準が違う可能性があるな。確かに日本の料理はこちの料理より優れていた。ひょっとしたら目玉焼きですらこちらより上かと思うくらいに・・・・・・

 まあこっちだと卵なんて、めったな事では食べられないし向こうの目玉焼きが高級品と思われてもおかしくはないんだが、まあようするに日本の料理はとても精錬されているのだ。

 こっちの料理は素材からして野生というか原始的というのか、そもそも比べる事に土台無理があるのだろう。


 次は肉料理を試してみた。何が違うのだろうと食べてみると、確かに肉本来の臭みみたいなものが消えている気がする。霜降りのようなとろける美味しさはなさそうだが、もう少し胡椒を効かせたら美味しいだろうな。まあ独特の臭みが消えただけ、かなり美味しいと思うけれどね。

 野菜炒めのようなものは、普通に美味しい感じだった。確かに原材料が変わるとここまで違うのかと思えるものだな。問題は味付け部分。さすがにそっちは日本の調味料にはかなわないようだな。

 小麦粉の皮で包まれた料理は、ちょっとだけ日本の肉まんを思い出した。それか肉厚な餃子かな? 餃子にしては大き過ぎるか・・・・・・

 皮になる小麦粉の部分にもう少し甘さがあれば肉まんって感じのものだった。中身に関してはもう少し濃い味の方が僕としては好みに合う気がする。

 幸の様子を窺ってみると、やはりというか少し微妙な顔をしていた。ひょっとしたら日本の事を思い出しているかもしれないな・・・・・・結構味覚の違いは故郷との違いをまざまざと思い出される為、ホームシックになったりするかもしれない。

 しばらくは休みになるようだし、生産作業だけじゃなくて幸の様子も気を付けて見ておいた方がいいかもしれないな。

 最後はいろいろ煮込んだ本物のスープ。具は少なめなので、スープを味わって欲しいといった感じなのだろう。飲んでみると確かにコクがあって美味しいと思えた。これはちょっとラーメンのスープっぽいな。醤油を入れてみたいって思ったよ。

 僕と幸以外のメンバーには、文句の付けようがない美味しい料理の数々だったようで、話が盛り上がっていた。それに対して僕らは会話に入れず、とりあえず目の前の料理を黙々と食べる事にする。

 そうしているとやがてデザートがやって来て、料理開発部署の人が話しかけて来た。


 食品課「どうでしたか?」

 ジャド「どれも大変美味しかったですよ。さすが商業ギルドですね~」

 ニナ 「美味しかったよ!」

 ミア 「ですね。とても満足できました」

 食品課「満足されたようで何よりです」


 そういいつつも、こちらに目配せして来るのは、僕達二人にはあまり評価を得られなかったのがわかったからだろう。だが他にも人がいる為、それ以上追求はして来ない。ここでそういう話をするのはお互いにイメージが悪いという事もあるが、僕がギルドの一員である為、後で話をする機会がもてると判断したからだろうな。

 了承の意味で軽く頷いておいた。みんなは引き続きデザートが美味しいと盛り上がっていたので、そのままここにいる事にする。幸もデザートは食べたいだろうからね。

 しばらくの間デザートで盛り上がっていると、資材搬入担当のギルド員がやって来た。


 資材課「お待たせしました。今日の納品で全ての素材が揃ったので、依頼は完了となります。それで報酬ですが、今回の納品された素材は大変状態のいいもので、申し分のない量を持って来られましたので、これでいいでしょうか?」

 ジャド「ええ、問題ありません」


 ジャドが即答したのには訳がある。僕はこの国で唯一魔道具の生産ができるギルド員である。他所では知らないが、発明王ほど優れてはいないもののギルドとしてはあまり機嫌を損ねたくないと考えられていて、こういう報酬の発生する場合などはできるだけお互いに損にならないところを目指した金額設定が考えられる。

 もし相場よりも低かった場合であったらジャドが次はもう少しよろしくと言えば、ギルドで今回の相場が調べられ低過ぎると判断された場合、次回に色を付けた値段が提示される。

 ジャドとしても、僕の知り合いの冒険者としてではなく、個人として認めてもらう為にあまり金額にとやかく言いたくはない為、余程でなければ即答で決める場合が殆どであった。まあここら辺りは駆け引きなんだろう。

 僕はこういうやり取りは苦手なので、損をしないのであれば殆どをギルドの判断に任せてしまっている。まあそれよりこっちの話は終わったようなので、料理開発部署の人と話でもして来よう。


 ロプ 「悪いがちょっと知り合いと話をして来る。待っていなくてもいいよ」

 ジャド「了解、遅かったら適当に切り上げて帰っているよ」

 ロプ 「みんな、またな~」

 ミア 「お疲れ様でした~」

 ニナ 「私もっとデザート食べたい!」

 レイ 「あ、なら私も」

 ミリ 「お疲れ」


 みんなと適当に別れを済まし、厨房の方へと向った。


 食品課「ご足労ありがとうございます」

 ロプ 「いえ」

 幸  「ヨロシクデス」


 食の話になるので、一応幸にも付いて来てもらった。といっても、そこまで詳しい説明とかは無理だろうけれどね。


 食品課「今回の料理、どこかに問題がありましたか?」

 ロプ 「仲間も満足していたので、問題はないと思います。ただ僕達二人は事故によってちょっと特殊な場所にいたので、そちらで味わって来た料理と比べてしまうとどうしても、現状の料理との比較が難しいのですよ」

 食品課「と言いますと、その特殊な場所で食べられた料理は試作された料理よりも美味しかったという事ですか?」

 ロプ 「料理といいますか、もう素材から調味料全てが何ランクも上の物なので、普通に塩を降りかけただけの物でもこちらの料理の高級品を上回る事があるくらいですかね。先ほど言っていた野菜の話ですと、苦味も青臭さもない野菜が捨てる程栽培されていたりもしました」

 幸  「ヒカクシナイホウガ、イイカト」

 食品課「そこまででしたか・・・・・・では、ロップソンさんのお話は特殊ケースとして、あまり参考にしない方がいいのでしょうかね」

 幸  「オソラク、オナジモノハドウヤッテモツクレナイカト。ツクルナラ、マズソザイソノモノヲ、ナンネンモケンキュウシナイトダメカト」

 食品課「なるほど。そういえばサチさんは、現地から来られたという話でしたか、そうなるとサチさんにとってはこちらの料理はお口に合わず、辛いでしょうね」

 幸  「タマニコキョウノリョウリヲ、タベタクナリマスネ」

 食品課「何年かかるかわかりませんが、努力させてもらいます!」

 ロプ 「向こうでは、品種改良と言われていました。やり方はよくわからないのですが、向こうでも美味しいものを作る為に、いろいろ研究しているようでした」

 食品課「その品種改良って言うやり方がわかればよかったのでしょうが・・・・・・難しいですね」

 ロプ 「ですね。まあ今回の祭りにはどちらにしても間に合いませんし、今回は今日の試作品で問題はないと思いますよ」

 幸  「アカイスープノパンヲイレナイモノナラ、ケッコウイイトオモイマシタ」

 ロプ 「ああ、あれは中々良いって思ったな」

 食品課「なるほど、意見ありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いします」

 ロプ 「こちらこそ、またよろしくお願いします」


 たいして参考になるような事は言えなかったが、こればかりは専門が違うから仕方ないよな~ そう思いつつ食堂に戻ると、まだみんながいたので合流してゆっくりした後、報酬を分配して解散する事になった。ジャドはクエスト完了の報告の為に冒険者ギルドに向ったので、こっちは幸と一緒に家に向かった。

 マギーをしまい、まずはゆっくりくつろぐ。盾のデザインも考えていかないといけないから、幸にお茶を入れてもらってくつろぎながらどうしようかメモしていく。本格的に作って行くのは明日からだな~


 幸  「それ、私も一緒に考えていいかな?」

 ロプ 「デザインか? 考えてくれるのなら助かるよ。そういえば食事、向こうとかなり違って苦痛だっただろう。気が付かなくてごめんな。魔道具の作製とかでどうにかできる問題だったらよかったんだが、こればかりはどうにもしてやれない・・・・・・」

 幸  「そんなに気に病まなくてもいいよ。実のところを言えば、そんなに苦痛って程でもないんだ」

 ロプ 「え? ひょっとしてこっちの料理も美味しかったりするのか?」

 幸  「それはないんだけれど・・・・・・そうね、ちょっと待っていてくれる?」

 ロプ 「ああ、それは構わないが・・・・・・?」


 幸はそう言うと台所の方へと向って行った。三十分程台所にいただろうか? 戻って来た幸は何か料理を作って来たようだね。差し出されたその料理を食べた瞬間、美味しいと思った。


 ロプ 「これって、味噌か?」

 幸  「ええ。レイシアさんに分けてもらったの。他にもいろいろと分けてもらえたわ。だからそこまで不便とか、苦痛って程でもないの。黙っていてごめんね」

 ロプ 「ああいや、それはいいよ。こっちに来て不自由になったら僕としても嫌だし、申し訳なかったから・・・・・・それにしても、レイシアさんには世話になりっぱなしだな・・・・・・」

 幸  「うん。でもいろいろ話とかして、レイシアさんにはそれで十分だって言われているわ。ロップソンも、何かお土産にできそうなものがあったら教えてね」

 ロプ 「ああ、それはもちろんだよ。何か喜びそうな物でも作れたらいいんだけれど・・・・・・さすがに格が違い過ぎて早々良い物は作れないよな~」

 幸  「レイシアさんのいる家は、王様の所よりも充実していそうだったからな~。確かに何を手土産にしていいかわからなくなるよね」

 ロプ 「それにしても、何でそこまで幸の援助をしてくれるんだろうな? 友達っていうのがよっぽど嬉しいのか?」

 幸  「何か訳あって、あまり人と接する事がないんだとか言っていたかな? ほんとにたまに気まぐれで町まで行って見るとか、その程度って言ってたよ」

 ロプ 「何もかもが謎な人だな。発明王の事もよくわからないし。レイシアさん本人が発明王ではないんだよな?」

 幸  「うーん。ドラゴンさんが発明王なのかな? それともドラゴンのお付のパペット達なのかな? いろいろ作ってくれるパペットがいるのよ」

 ロプ 「ひょっとして共同開発みたいな感じなのか。まあ一人で考えたり作ったりするよりは、そっちの方が良い物とか出来そうだよな。なるほど~」

 幸  「私も女の子のパペットさんと話をして、必需品の開発とかお手伝いしてるの」

 ロプ 「ああ、そういう話で貢献できているのか。それならある意味理解できるな。友達としての付き合いと、商品開発のお手伝いって関係か。今後も仲良くしていけるといいな」

 幸  「そうだね。がんばるよ!」


 一部の謎が解けてちょっと安心した。それに幸が異世界で暮らす上で、支援してもらえる相手がいるのも安心できるところだろう。

 再びデザインを考える作業に戻り、何とかこれっていう物を考え付いてその日は休む事になった。


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