食料と弾薬を求めて。それと人。
歩く。
歩く。
食べる。
歩く。
歩く。
寝る。
そんなことを繰り返しながら、少しでも放射線が少ない地帯を求めて歩いた。
ほしいのは食料。会いたいのは人。
それと弾薬。
ここに来るまでに、いくつか自立型のやつらを壊した。
その際に弾薬を使ったせいで弾薬不足だ。
全く、なんで弾薬の口径が違うんだ。
そいつらの銃を奪うことも考えたが弾丸が大きくなれば重量が変わる。
重いときつい。
「おっ。」
適当に願望を心で思っていたら、少し低めのビルを見つけた。
ちなみに軍にいたので知っている。
こういう少しだけ高さが低いビルは銃や弾薬の製造施設だって。
明らかな工場を作れば爆撃のいい的だ。
なので民間人が多いビル群にわざわざ作っているのだ。
まぁ。そのビル群に核爆弾を落としたわけだが。
俺はその背の低いビルに入る。
その中は薄暗く、特に何もない。という感じだった。
だが、これは表向きだ。
「えっと大体ここら辺に……。」
受付カウンターをどかす。
「ビンゴ。」
予想通りいつもの場所にあった。
床にある重たい鉄の扉みたいなのを開ける。
その中には梯子があり、降りれるようになっていた。
落ちないように気を付けながら梯子を下る。
なんかギィギィいってるが、気にしたら負けだろう。
今にも壊れそうな梯子を下りきり、一息ついた。
「ふぅ。」
[顔認証を実行。……不一致。排除します。]
「は?」
そういった瞬間に目の前にあった扉があき、自立型のやつらが出てきた。
3体。それも軍用の。
「はっ!死んでたまるか!」
反射的に動き出す。
そこまで広くない場所であれば勝機はある!
ライフル片手に思いきり距離を詰める。
こいつは軍用だ。市販品の警護用とは格が違う。さすがに頭をつぶすなんてできない。
ならば!
そいつの頭に銃口を突き付ける。
「死ねぇ!」
狭い室内に銃声が響き渡る。
予想通りそいつの頭部に穴をあけていた。
すぐさま次に対して攻撃を仕掛ける。
だが、相手はAIだ。こちらに向かって引き金を引いた。
挟み撃ち状態で。火炎放射器の。
「うわぁぁぁ!!」
もうどうにでもなれ!
そう思いながら突っ込んだ。
「はぁ。はぁ。はぁ。」
気づいたらさっきの自立型は動いていなかった。
無我夢中で戦ったらしい。
……これが人間兵士が消えない理由なのかもしれない。
そう思い、ふと体を見た。
そこには大量のに露出した肌が。
急に寒気が体中に走った。
「さっむ!」
急いで奥の部屋に入った。
奥の部屋は、前の物流みたいなところみたいにベルコンベヤーがあり、ところどころに機械の腕がある感じだ。
ちなみにさっき銃や弾薬を製造しているといったが、ここは軍服もだったらしい。
運よく服をゲットできた。
これで寒さがしのげるだろう。
「防寒着じゃないか。」
俺が着ているのは汎用用だ。
これから行く予定の方角は山岳地帯だ。
寒さを多少防げるならいいだろう。
というかほしいのは軍服じゃない。弾薬だ。あと銃。
今持っている銃は市販の護衛用にしては高火力だが、軍用に比べては威力も重量も違う。
「おっこれは…」
そこにあったのは俺がもともと使っていた銃だった。
「いや。違うな。よくできたコピー品だ。」
銃の研究もしていたんだろうか。
とりあえずその銃を俺は拾い上げる。
うん。やっぱり俺にあう。
こいつの弾薬は…あるのか?
……あった。そういや敵の銃と同じ弾薬だったな。
ちなみに銃の見た目は昔のボルトアクションライフルのような見た目だ。
だが、フルオート型でマガジンがついているが。
ということでもうここには用がない。
なので俺はこのビルを出た。
暫く歩く。
あの施設から出て大体2時間ぐらいだろうか。
もう時計なんて機能していない。
時間感覚なんてもうない。
だが、それでも生きているのでよしとする。
「ん?」
撃ち合う音が聞こえた。
人間の撃ち合いか?それなら嫌だが…。
とりあえずそちらを見に行く。
ビルの陰から少しだけ顔を出してみる。
……まずは人の撃ち合いじゃなかった。そう伝えよう。
だが、さらにめんどくさい事態だ。
「久しぶりに見たぞ。自立装甲戦闘車両なんて。」
通称、装甲車。
そいつと……
「自立ガトリング戦車…か。」
本当に久しぶりに見る車両たちだ。
ガトリング戦車は履帯じゃなくて足だ。
4つの足で悪路だろうと走破する歩兵用のやつだ。
だが、ガトリング砲が強すぎるせいで装甲車だろうと、時には戦闘機まで落とした。
……やっぱ化け物だな。
それに対して装甲車は市街地戦用のやつだ。
機動力や小回りが利き、機関銃や大型榴弾砲なんかも搭載できる汎用だ。
装甲車が自慢の小回りの強さでよけながら攻撃し、それを戦車が破壊しようとしていた。
俺の国の兵器は装甲車だが、おそらくこの調子じゃ負けるだろう。戦車の装甲は機関銃で貫けるほどやわじゃない。
……逃げるか。
ということでその場を少しずつ離れた。
多分装甲車には食料や銃が積んであっただろう。
あの装甲車は輸送任務も請け負う。できればほしかったが、しょうがない。
とりあえずかなり離れた場所まで走って逃げた。
はぁ。はぁ。はぁ。
危ない。逃げている途中で爆発音が響いた。
おそらく装甲車が負けただろう。
物資は欲しかったが、そんなことはどうでもいい。
逃げきれたんだから。生き残れたんだから。それでいいだろう。
とりあえず、俺は息を整える。
「ふぅ。行くか。」
そして元の予定方角に歩き出した。
「寒い。寒すぎる。」
さっき手に入れた防寒着を着たが、それでも寒い。
そうだろう。
世界各地に核爆弾が落とされたのは確か秋だ。
今の季節はおそらく冬。それも真冬だろう。
さらには山だ。大体山の中腹あたりだろうか。
この高度でこの寒さなら山頂はもっと寒いだろう。
いやだなぁ。寒いのは大嫌いだ。
それでも俺は一歩一歩踏み出す。
積もった雪を足で踏み、足の指が燃えるように痛い。
死にそう。無茶苦茶に痛い。
さらには眠い。とにかく眠い。
だが、寝たらだめだ。こういうのは寝たら死ぬ。
そんなことを考えながら必死に歩き続けた。
はぁ。はぁ。はぁ。
もう少し。もう少しで山頂…。
そしてようやく山頂についた。
眼下に荒廃世界というイメージに完全にあっている町が映った。
ここはおそらく自然豊かだったんだろう。川があった。
さらにコンクリートだけでなく、土ももともとあったんだろう。
確かにこんな荒廃世界になるのもよくわかる。
ということであともうひと踏ん張り、
「さぁ。頑張ろう。あそこなら人がいるかもしれない。」
そう意気込み、眼下の町に向かって下山を始めた。
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