↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウェリエの聖域:滅びゆく魔族たちの王  作者: 加賀良 景
第1章-人生の分岐点- I
27/503

友人との喧嘩

 今日の授業も何事もなく、終わった。

 相変わらず『十全の理』の制御が難しいが、最近十全の理で広がった蛇口が狭まってくれたようで、このまま行けば、王国の学校でも十全の理に気を回さずに生活出来そうだった。


 卒業まであと一年な俺だが、メティアのお父さんと魔法学園の理事長と仲がいいようで、コネで入れることが確定した。

 潜在属性で無属性が強い癖に、火水風地が使える時点で異常だろう。

 とにかく、コネで入れることが確定したので姉さんも王国の学校に入ることが確定した。

 ついでにメティアも入ることになった。


 メティアがメインのコネだからついでとなるのは俺と姉さんのほうだが。


 コネ入学確定したとき、テトからはぶつくさと俺に文句言っていた。

 曰く、「どうせ、向こうでもハーレム作るんだろ」と。

 ハーレムは男の夢ではあるが、俺のココロは日本人だ。

 そんなもの形成出来ても維持出来ない。

 ということを、テトに言ったらテトが殴ってきた。


 魔力が少なく生命力が高い獣人族の血が強く、ハーフ魔族のテトの拳は俺の(ストマック)を強打した。

 完全な不意打ちで腹に魔力を入れなかったため、胃液が逆流する痛みと胃液と血味が口内を侵食する。

 立っていられなくなり、膝から力が抜けた状態で(うずくま)る。


 それを見たメティアがおろおろとしていて、心配してるような目で俺を見ている。

 目が合った。

 彼女が寄ってくる気配がしたが、俺は手のひらを彼女に向けて「来るな」と示した。

 そして、痛いのに痛くないと強情を張り、テトに「いっ、痛くねーな。人ン()の姉ちゃんに、下心満載で囁いたカスの拳なんぞ痛くねぇ」と奴を煽りながら、姉さんとのチャンバラで身に付けた技術を使う。


 テトは魔族であるが、獣人族の血が強いらしくガタイがいい魔族だ。

 だからなのか、ガキ大将になれるだけの頑丈さがある。

 そんな奴を相手に素手でポコポコ殴るのは得策ではない。


 だから魔法(エンチャント)を拳に(まと)わせる。

 使う魔法は……磁石(マグネティックス)

 異極は引き合い、同極は反発する。

 つまり、殴りたいときに対象を異極化させ、防御したいときは対象を同極化させる。

 俺の利き腕は右だ。

 だから右を異極化させ、盾の左手を同極化にし、あとは武器となる右手にインパクトとなる魔法を更にエンチャントさせる。


 爆縮(インパクトエクスプロージョン)では、魔法の力が強すぎてテトの身体が上下にサヨナラしてしまう。

 だから、自分のユニーク属性に合わせた、使いやすくイメージもし易い「これ」を日本語で使う。


――エンチャントマジックス。重力(グラビトン)


 俺の右の拳に薄黒い球状のモノが現れる。

 目の良いモノが視れば、異常な現象であることが分かる。

 なにせ、俺の拳周りの景色が歪んで見える。

 陽炎とかああいう「うつろう」ものではない、はっきりとした現象だ。


 そういった現象で俺は。

 テトを死なさない程度に殴った。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 結果は当然ながら俺が勝った。

 ただ、テトはとんでもなく強かった。

 俺の強さはトリッキーな構え方の二刀流で相手の度肝を抜いて、さっさと決着を付ける。

 実際に姉さんには、メインは正眼に構えているが、たまに別の構えをしたり動きを変えたりしていた。

 だが、今回は素手である。


 身体も鬼ごっこ出来るようなレベルではやれてはいるが、そこから先の鍛えるということはやっていない。

 間違ってもテトには単純な力の強さと頑丈さには勝てない。

 だから『重力』と『磁力』というチートを使ったのだが、俺の拳は重くない。

『重力』で五G辺りに重さを底上げしても、テトは痛がらなかった。


 だが、一千五百Gとかやり過ぎるとそれだけでテトの上半身はサヨナラしてしまう。

 結局、ちょうどいい加重を見つける前に、磁力防御の同極化させても、なぜかテトの拳は貫通し、ボコボコにされた。


 加重(百三十四G)を見つけてからは俺のターンだった。

 教室は俺の血とテトの血が飛び散っていて、且つ血溜まりが出来ている。

 お互い六歳同士――テトは七歳だが――の喧嘩じゃない。


 そしてお互い同時にぶん殴って、テトが先にぶっ倒れて俺は勝った……! と思った瞬間、意識がブラックアウトした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。