第七章 — 官僚主義、訓練、そして鉄の重み
カイと受付嬢の足音は、活気あふれるメインホールへと続く廊下に低く響いていた。少年の頭の中では先ほど習得した魔法の処理がまだ続いていたが、「初期講習」という言葉が彼の注意を強く引きつけた。
「すみません」カイは彼女に追いつくように少し歩調を速めて尋ねた。「その冒険者の初期講習って、具体的にはどんなことをするんですか?」
受付嬢は歩く速度を落とし、彼の方へ顔を向けた。そのプロフェッショナルな表情には、思いやりと深刻さが入り混じっていた。
「昔はね、ギルドはそんなものを要求していなかったの。武器を持てる者なら誰でも、その日に登録してすぐにダンジョンに入ることができたわ」彼女は少し悲しげな声を帯びて説明した。「でも、その結果は悲惨なものだった。特に最初の数年での、駆け出し冒険者の死亡数が異常なほど高かったの。ほとんどの人が、サバイバル術や罠、魔物の生態についての基礎知識すら持たずに潜っていたからよ」
彼女は小さく溜息をつき、シニヨンからこぼれ落ちた髪を一束耳にかけた。
「その恐ろしい死亡率のせいで、ギルドの上層部は新人たちを世界に放り出す前に訓練を施すことが絶対に必要だと判断したの。私たちは生還に必要な基礎を教え、相性の良いパーティー(集団)を組む手助けもするわ。あなたたちが何も知らないまま、あるいは完全に孤立した状態で出発することがないようにね。講習はこのギルドに併設された施設で行われるわ」彼女はメインカウンターの前に立ち止まり、丁寧な微笑みを浮かべた。「それを踏まえた上で、講習に参加する意思はあるかしら、カイさん?」
カイは躊躇しなかった。
「はい、参加します」
そう答えながら、彼の脳裏には奇妙な思考がよぎっていた。(なんだかこれ、地球での会社の新人研修やオンボーディングのプロセスにそっくりだな)と、前世の記憶を思い返しながら少年は心の中で苦笑した。(まあ、薄々こんなことがあるんじゃないかとは思っていたけど。準備もできていない人間を確実な死へ送り込むなんて、どんな組織にとってもビジネスとして最悪だからな)
受付嬢は再びマホガニーの長いカウンターの奥にある自分の定位置に戻った。重い引き出しを引き開け、小さな金属製のプレートと、ギルドの紋章が印字された書類の束を取り出した。
「完璧です。それでは登録を最終的に完了させるために、この身分証のプレートを受け取り、いくつかの免責同意書にサインをして、最後に初期登録料を支払っていただきます」
彼女は小さな金属のプレートを木製のカウンターの上に滑らせ、カイの手に渡した。それは純粋な鉄でできた長方形の小さなプレートで、触れると冷たく、首から下げるための細い金属チェーンがついていた。カイはそれを受け取り、注意深く観察した。表面には「カイ」という名前と「冒険者 - レベル1」という階級が荒々しい文字で刻まれている。裏面は完全に平らだった。
「その鉄のプレートは、常に身につけておいてください。できれば首から下げるのが望ましいです」受付嬢は少し声を潜め、真剣な口調で指示した。「それはギルドとの所属を証明するためだけのものではありません。万が一……ダンジョンの中であなたが命を落とし、遺体の判別がつかなくなった場合、回収屋があなたが誰であるかを知り、ご家族に通知するためのものなのです」
冷たい悪寒がカイの背筋を走った。それはこの世界の残酷な現実を突きつけるものだった。この鉄の塊は栄光のトロフィーではなく、死体安置所のタグなのだ。
暗い思考を振り払い、カイはインクに浸した羽ペンを手に取り、数々の危険免責書類と登録用紙に自分の名前をサインした。続いて、腰のポーチから小さな硬貨の袋を取り出し、正確な額の初期費用を受付嬢の手に渡した。
(ぴったりだ)カイは腰の袋の軽さを感じながら心の中で計算した。(これで残ったのは少しの銅貨だけ。でも、講習中の数日間の安い宿代と食費を払って生き延びるには十分な額だ)
受付嬢は硬貨をしまい、最後の書類にスタンプを押すと、軽く手を叩きながら微笑んだ。
「これで手続きはすべて完了です! あなたの登録は正式に終わりました。講習は明日の朝早くから始まります。幸運を祈っていますよ、カイさん!」
「何から何まで、ありがとうございました」少年は軽くお辞儀をし、背を向けて重い出口の扉へと歩き出した。
扉をくぐり、午後の陽光に照らされた石畳の通りに足を踏み出した瞬間、カイは立ち止まって両腕を高く上げ、思い切り背伸びをした。骨が鳴り、蓄積された緊張が解き放たれる。
(それにしても、すごい書類の量だったな……あまりにも官僚的すぎて、前世の生活の何かみたいだった)と彼は鼻で笑った。
太陽が沈み始めた頃、カイはギルドの近くの路地裏にある質素な宿屋を見つけた。部屋は狭く、古い木の匂いがして、簡素なベッドと荷箱があるだけだったが、寝るには十分だった。ドアの鍵を閉めるなり、カイは薄いマットレスの上に仰向けに倒れ込んだ。
素朴な天井を見つめていると、一日の疲労がどっと押し寄せてきた。おばあちゃんの優しく、そして脆い笑顔が脳裏に浮かぶ。
「絶対におばあちゃんを助けなきゃ……どんな手を使ってでも」誰もいない部屋で呟き、首に掛かった鉄のプレートを強く握りしめた。「それにしても、なんて慌ただしい一週間だったんだ。いろんなことがあまりにも早く起きすぎた……でも、今は立ち止まっていられない」
彼は目を閉じ、これから待ち受ける試練に向けて体を休めた。
翌朝から、カイの日常は劇的に変化した。
ギルドの訓練場は隔離された別棟にあり、高い石壁に囲まれた、粗い砂が敷き詰められた広大な敷地だった。太陽が容赦なくその場所を照りつけていた。
長く過酷な一週間の間、カイと数十人の新人訓練生たちは、ベテラン教官たちの怒号の下で血と汗を流した。砂のグラウンドは、強烈で苦痛に満ちた学習の舞台となった。
カイは黒い短剣の振り方を学んだ。武器の重さ、正しい攻防の構え、突きをかわすための足回り。小さな手には豆ができ、破れて血を流したが、彼は一度も不満を口にしなかった。
物理的な戦闘に加え、座学の授業もあった。砂の上に座り込み、彼らはこの世界の基礎魔法がどのように機能するのかを学んだ――血管を流れる魔力を感じ取り、それを使って身体能力を強化する方法だ。さらに、ダンジョンでの生存に不可欠な魔法アイテムについての講義も受けた。開いた傷を塞ぐことができるが苦味の強い赤い「回復ポーション」や、崩壊するダンジョンから脱出するための最後の手段となる貴重な転移水晶「帰還のオーブ」の存在。
教官たちはまた、ダンジョンに持ち込むべき適切な戦闘装備についても厳しく指導した。狭いトンネルで機動力を奪う重装甲や、鋭い岩に引っかかるような大きすぎるリュックサックを持ち込むことは愚の骨頂であると叩き込まれた。
それは、筋肉の痛みと、厳しい教訓、そして精神的疲労に満ちた一週間だった。
そしてついに、八日目の夜明けと共に、基礎訓練は終わりを告げた。
全身が痛みに包まれながらも、かつてないほど鋭い眼差しを持ったカイは、他の新人冒険者たちと共に、石畳の広い広場に集められていた。空気はピンと張り詰めている。全員が完全な装備を身につけ、武器をしっかりと握りしめていた。
広場に響き渡る教官の最後の訓示を聞きながら、カイは腰の黒い短剣の柄に手を伸ばし、その馴染んだ金属の感触を確かめた。彼は街の奥にそびえ立つ、日の光を飲み込むような巨大で暗い地下遺跡の入り口を見つめた。
「いよいよか……」カイは、不安と純粋な決意が入り交じった瞳を輝かせながら呟いた。「訓練は終わった。これから僕たちは、本物のダンジョンに足を踏み入れるんだ」




