プロローグ
怠惰で引きこもりな八重が眠りにつき目を覚ますと、転生したのは見慣れない部屋、古びたベット、そして見慣れない小さな手、慣れない世界での怠惰な生活を求めて困窮する異世界転生物語。※(R15は念のため)
七重 八重22歳
わたしは、怠惰な引きこもりである。
そんな、わたしにも変わらなければならない時が来てしまった。
それを今日ここに記そうと思う。
わたしの普段は、部屋で寝てゴロゴロと読書や妄想をするのが日課だ。
仕事だといってもいい。
仕事(ニート生活)を行っていくにあたって夢もとい願望があった。
誰も怒らず、養ってくれる裕福な家庭が欲しい。
ただそれだけのちっぽけな願いだった。
変なツッコミが聞こえてきそうだが、気にしない。
いつもと同じようにそんな事を考えながら眠りについたのだった。
「……ラ、ミュラ」
体が揺り動かされる。
「うぅ~、だれ?」
冷たい布団から手を出し、目を擦る。すると、疎らにも視界が鮮明になってきた。
「ミュラ、ごはんだよ」
見知らぬ声の方にゆっくりと顔を向けると紅い髪をした、少女の顔が近くにあった。
「……おねえちゃん?」
わたしは、少女の顔を見た瞬間、自然と言葉が出てきた。
会ったことさえない少女に対して、わたしは何を言っているの?
その問いの答えより早く次の言葉が聞こえてきた。
「もう、やっと起きた。まだ寝惚けてるの?先にごはんに行くからね。」
そういうと、その少女は扉の方へと歩みだした。
「……お、おねえちゃん」
疑問の問いに答えが欲しくて、なにも考えずに、わたしは声をかけてしまった。
……どうしよう。次の言葉が出てこない。
「どうしたの?」
正面からは見えなかった編み込まれた紅い髪が揺らめき、振り向きながら少女が応える。
「きょ、きょうのごはんはなに?」
失敗した。どうでもいいことを聞いてしまった。
「パンとポメスープだよ。朝は忙しいから早めにに食べてだって。」
少女は笑顔でそう言った。笑顔が可愛い。そして寝坊したようなのに怒られない。
その感動に打ち震えていると、扉の閉まる音が聞こえた。
その音が聞こえたと共に部屋に静寂が訪れ、冷静さが戻ってきた。
……あれ?わたし、お姉ちゃんなんていないよね。それにこんな部屋、家になかったはず。
ベットから上半身だけ起こし、そう心の中で呟きながら辺りを見回していると不意に目を疑った。
掛け布団の上に出した手が小さい。
「どういうこと?」
わたしは掌を向け、手を握ったり閉じたりしてみる。紛れもなく、私の手のようだ。
取り敢えず、急いでベットから出て立ち上がってみる。すると周囲の家具やベット、全ての物が大きく見え、自身の目線の高さからして簡単には手に届きそうにはない。まるで、わたし自身が子供の目線にでもなったような感覚だった。そう思った瞬間、わたしは猛烈に現実逃避したくなった。
……これは夢なんだと
そして、わたしは、南華老仙の言葉に、こう言った言葉があるのを、思い出していた。
私は、夢を見て蝶となり、蝶として大いに楽しんだあと、目が覚める。ただ、それが果たして、私が夢で蝶になっていたのか、蝶が夢で私となっていたかは、私にもわからない。
荘周が残した、この言葉、わたしは、ようやく解ったような気がする。用はいくら考えたところで答えはでないから夢でも現実でも楽しめってことを言いたかったんだよね、きっと……
夢か現実かは分からないけど、取り敢えず、ご飯を食べに行こう。
気が向いたら投稿していこうと思います。
お話作るのが初めてなので、もとい、なろうで投稿するのも初めてなのでアドバイスや誤字脱字報告も欲しいです。




