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第九話 特訓

 そして現在、ゴンザレス君は特訓と言う名の、無限に続く地獄で死にかけているみたいです。と言うよりクリスちゃんが一方的にゴンザレス君を杖でたこ殴りにしては、治癒魔法で回復させています。


 杖で殴るのに飽きたのか、杖を投げ捨てて今は素手で殴り、ゴンザレス君はぼろ雑巾を通り越して、見るに耐えない姿になっています。さすがクリスちゃんですね。見ていて気持ちいくらいに、少しの容赦の欠片もない攻撃です。


「おら!どうしたんだ。てめーは俺に、掠り傷一つ、付けらんねえのかよ!」


 ゴンザレス君は泣き叫びながら、クリスちゃんに必死に攻撃していますがクリスちゃんはそれを容赦なく、虫でも叩き潰すように、叩き落しています。


 特訓を始めてから数十分という時間の間で、ゴンザレス君は40回位死にかけたんじゃないでしょうか。ゴンザレス君みたいな容姿が良い人が、ぼろ雑巾のようになっていく姿を見ていると私も、うずうずしてしまいます。


 私も弟子入りの件を承諾していたら、今頃ゴンザレス君は。廃人と化していたんじゃあないでしょうか。


「もう少し手加減を・・・」


「しねえよ!」


 あっ!ゴンザレス君がクリスちゃんに、殴られて吹っ飛びました。


「そろそろ止めないと、ほんとに死んじゃいますよ?クリスちゃん。」


「治癒魔法かければいいだろ。」


「精神面の問題です。」


「ちっ」


 舌打ちするとか、あれだけ殴っておいて、まだ殴り足りないんですかね。クリスちゃんに殴られてから、ぴくりとも動いていませんが、ゴンザレス君はほっときましょう。クリスちゃんが治癒魔法を使えば、簡単に治りますし。一応近くには置いておきますか。私はゴンザレス君を引きずって、近くに放り投げる。


「ほっ」


ドサッとゴンザレス君の体は、地面に落下する。いうか完全に伸びてますね。私も暇ですし、悪戯でもしましょうか。まずはゴンザレス君をロープでぐるぐるに巻いて、木にぶら下げる。次にそのロープを私の魔法で見えなくしてと・・・完成です。


 傍から見たら浮いている人に見えますね。


「リーズ、おもしれーことやってんな。」


「はい今回は自信作です。ゴンザレス君の驚く顔が、目に浮かびます。」


 普通の状態ならロープでぐるぐる巻きにして、ロープを魔法で見えなくしていると気づくでしょう。でも、ゴンザレス君はクリスちゃんに、ぼこられた後なので、気づくことは無いでしょう。ああ、早く目を覚ましてほしいです。そしてリアクションが見たいです。


「おらよっと!」


バシャッ!クリスちゃんがゴンザレス君に水をぶっ掛けました。


「うーん、くしゅんっ」


 水をかけられて寒かったのかくしゃみをしました。さすが男の娘、可愛らしいですね。状況がよく分からずに戸惑っています。


「僕、どうなってるんですか?」


 今までの特訓のせいで、軽く錯乱状態ですね。どことなく目の焦点も、あっていない気がします。


「おい、ゴンザレス」


「はいなんですか?」


「お前、弱いな。」


クリスちゃん、今すごい良い笑顔です。それに引き換え……


「そんなに弱いですか?」


 クリスちゃんに言葉攻めされて、今にも泣き出しそう。というか少し泣いている状態のゴンザレス君です。


「もう面倒だから、お前の師匠っぽいのやめるぜ。」


 ずいぶんというか、いきなりな話ですね。まだ特訓して1時間しか経っていないというのにクリスちゃん飽きるの速いです。


「えー。」


 まあやはりというか不満があるみたいですね。実際あまり才能は無いみたいですし。


「やっぱり、僕が弱いからですか?」


「それもあるけど俺が厭きたから。」


 クリスちゃんストレートですね。まあとりあえず


「帰りますか。」


「リーズが帰るんなら俺も帰るぜじゃなゴンザレス。」


「それと、その状態はあと2,3時間ぐらい経てば、戻ると思いますので、さようなら。」


 そして私達は、後ろから聞こえるゴンザレス君の叫び声を聞きながら、家に歩いて帰りました。歩いている間クリスちゃんはDVモードでずっと笑いけていました。

 

 今思ったんですけど、これ完璧に私たちが悪人みたいですよね。


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