第三十話 恋愛感情
何となくクリスちゃんのことが気になって学校に行かずベッドでいろいろ考えていました。昨日のアダムやクルトの言葉を思い出す。クリスちゃんはしばらくは戻ってこない。
しばらくって何時までですか?明日?明後日?それにクリスちゃんは友達じゃ嫌だとも言っていました。なら何だったらいいんですか?私はクリスちゃんと一緒に居たいです。いつも一緒にいたからなのか心細くてたまらなかった。
「リーズさんいらっしゃいますか?」
カモミールさんの声が聞こえた。せめて顔は出そうと思ってドアを開ける。
「ケーキを焼いてきましたの、色々とお話ししたいこともあるので上がってもよろしいですか?」
「どうぞ。」
待たせるのも悪いと思ったのでテーブルのあるきれいな部屋に案内する。
「お茶を入れてきますけど何か希望はありますか?」
「お任せします。」
にっこりと優雅に微笑む姿はいつもと何ら変わりません。取り敢えずケーキの種類が分からなかったのでストレートティーを用意した。私が紅茶を運んで来る頃にはケーキの用意が済んでいた。
「単刀直入にお聞きします。リーズさんはクリスさんのことどう思っていらっしゃいますか?」
さっきとは打って変わって真剣な表情で此方をじっと見つめています。
「大事なお友達です。」
この言葉に偽りはありません。私が答えるとカモミールさんはふうとため息をついた。
「リーズさんこれ読んでください。」
そう言って一冊の本を差し出した。
「これは?」
「本ですわ。」
いや、そうじゃなくてなんで今私に本を渡す必要性を聞きたいのであってこれは何ですかって聞いたわけじゃないです。
「とにかくこれを読んで答えを自分で見つけてください。これで分からないのなら私にもお手上げです。あと、紅茶美味しかったですわ。」
何時の間に飲んだのかカップの中は空になっています。取り敢えず表紙を読んでみましょう。
「友情と恋愛の違い……。」
人は親しければ親しいほど恋愛と言う括りから外れて友情に結び付けます。特に今まで恋愛経験のない人は全ての友好関係は友情に繋がると考えるでしょう。ですが友情は時に恋愛に変わることがあります。片方が自分の感情に自覚を持てばそれはもう分りやすくなります。恋愛感情の代表的な感想と言えば好きな人を見ていると心臓がドキドキする。その人のそばに居たくなる。その人の事を目で追ってしまう。その人に誰か近づけば嫉妬してしまうというのがあります。この中で条件が三つは当てはまるという方今からでも遅くはありません。好きな人にアピールを始めましょう!(注)これは同性同士の恋愛に対しても当てはまります。
取り敢えず本を読み終わりました。最初の方は読んでいても意味が分かりませんでした。けど最後の注意書きで分かりました。クリスちゃんが友達じゃ嫌だと言っていた理由は私のことが好きだったから。私たちは女の子でしかも子供だからそう思っていたからなのか、私が恋愛感情に鈍すぎたからなのか、どちらもあるのかもしれません。
でも今の私には恋愛感情についてはさっぱりです。だからクリスちゃんが私を迎えに来てくれるまでには答えを導き出しておかないといけません。今の私にできることはクリスちゃんの事を考えることと魔法の修業をすることです。
あんまり迎えに来るのが遅いと迎えに行っちゃいますから。




