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崖が崩れたらそこは宇宙ステーション♪  作者: Sukiza Selbi


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骨格完成 と うさぎさんともふもふ 31

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

設計士さんもうなずきながら口を開いた。


「ゆきなさん、高校卒業したら、うちの設計部に来ません? 本気でスカウトしたいくらいです」


「ほ、褒めすぎですって……」と、ゆきなが照れる。


設計士はさらに続けた。


「一つだけ聞かせてください。この一階の端の“土間”構造、なぜここだけコンクリートを使わず土を残したんです? これが少し建設費を押し上げていますが…」


「それは…こだわりなんです。将来、水耕栽培システムを組みたくて。今は使わなくても、将来を見越して残しておきたいんです」


「……なるほど、納得です」


(……本当は地下基地に通じるエレベーター予定地なんて言えないけど)と、心の中で呟くゆきな。エレナもこっそり、腕時計の中から「ふふっ」と笑っている。



「さて、これが見積金額だ」


おじちゃんが差し出した用紙には、鉄筋コンクリート造で上屋部分だけで4,300万円と記されていた。


「概算を各社依頼していたところ高くて5,000、安くて4,000… 」妥当ね」とゆきなは思う


エレナよりも妥当です。

と液晶画面に連絡が来る。


「で……ご希望金額は?」


「……ぐっ。ほんと、末恐ろしいな、ゆきなは」

おじちゃんが額を押さえる。


「工期も比較的スムーズに行けそうだから……じゃあ、4,150万円でどうだ?」


「わかりました」


横で、お父さんがうんうんと頷いていた。


「では、着手金として1,000万円お支払いします」

「えっ、マジで!?」


「私はまだ信用も実績もありませんから。今後ともよろしくお願いします。いいものを、お願いしますね」


「任せとけ。契約書は……未成年だから、ゆきなとお父さんの連名でな」


挿絵(By みてみん)


「エレナ、送金お願い」


「了解いたしました。送金完了です」


エレナが軽やかに応じる。


「今サクッと送金まで終わっていますわおじさま。」


おじさんは社内に連絡を入れる。


「確かに振り込まれているとのことだ、受領書まで作るな!」


残高どれぐらいえれな


「……これで、日本側は残高1億8000万、アメリカ側は2億0120万 です。」


案外余裕でいけそうね


おじちゃんはなにしているのだろうと不思議な感じだ


「じゃあ、年明け早々から測量入って工事開始な」


「はいっ、楽しみですね♪」


「それにしても綺麗なリビングと玄関だな」


本来言ってはいけないところをズバズバ言って帰るおじさまでした。



翌朝5時半。

「よっしゃーっ」と、ゆきながむくりと起き上がると、エレナもすでに静かに準備を始めていた。


「1時間だけね。打ってサクッと戻ってこよう」


冬の朝焼けに包まれる中、お父さんといつものテニスコートへ。

ラケットの音が軽やかに響き始めた頃――


「おーい!」

向こうから、おじちゃんが見慣れない男の子ふたりを連れてやってきた。


「パン屋さんの息子さんたち、帰ってきたんですね?」

「そうそう。高校1年の双子、ゆうきとはるきだ」


せっかくだから――と始まった即席のミックス・ランダムダブルス。

ゆきなとゆうきくん、エレナとはるきくん、おじちゃんペアとで3チーム総当たり戦に。


おじちゃんたちのチームが強く、試合は白熱。

最初は元気だった双子も、終盤には体力切れで、スコアは2-1、1-2、2-1と互いに譲らぬ接戦に。


試合後、握手を交わす双子は少し照れている様子。

エレナもはるきくんと自然に会話し、少しずつ打ち解けているようだった。



うちに戻ると、母が「行くよおお〜!」と勢いよく玄関に立っていた。


向かうは、名物のジャンボびっくり朝市。

年末だけに人も品物もにぎやかで、半島中から集まったお店が所狭しと並ぶ。


まずは冷凍マグロを一本購入。

その場で電動ノコギリで切ってもらい、今夜のごちそうが決まった。


挿絵(By みてみん)


「すごいですね!」と目を輝かせるエレナ。

「お魚も野菜も、フルーツまで……みんなキラキラしてて」


「ほんと。お正月をのんびり過ごしたい気持ちが、あふれてるね」


帰り道には、蕎麦屋さんの年越し用の蕎麦を購入。

父の実家と妹の家にも、恒例のお裾分けとして発送した。



帰宅後。


「えれなちゃん、一緒にマグロの解凍手伝ってくれる?」

母に呼ばれ、エレナは「はいっ」と嬉しそうに台所へ向かっていった。


「がんばれ、エレナ〜」

その背を見送りながら、ゆきなに一本の通信が入る。


「艦長、地下で先行していた骨格部分の構築が完了いたしました。見学なさいますか?」


「もちろん。今は誰もいないし、ちょっと見てくるわ」


「転送の準備が整いました」


「オッケー!」


シュワン、と音を立てて転送が完了する。


目の前に現れたのは、広大な地下空間。

そこにぽつんと立つ、骨格だけの宇宙船――まだ未完成だが、すでにその大きさと存在感に圧倒される。


挿絵(By みてみん)


「これで全体の4分の1くらいかしら?」


「はい。ここからさらに基地へ転送拡張接続されていきます。完成が楽しみですね♪」


うなずくゆきな。


「さて……せっかくだから、作業用アンドロイドの休憩スペースにも顔を出そうかしら」


「歓迎いたします! ……あ、もしかしてですが、“うさぎさん型”のコスプレ衣装、着てみますか?」


「あるの?」


「はい。お姉様が言いそうだと思って、すでに用意済みです。更衣室に転送いたします」


やっとお正月! 次回うさぎさんからエレナの秘密がわかるかもしれません。

・・秘密基地完成までも行きたい気もする頑張りたいので・ 多分ガンバリマス・・

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ゆきなとえれなの ほんわか 日常を楽しんでいただければ幸いです。

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