年末年始計画、発表! 29
とある家族の女子高生 と AI
宇宙ステーションの日常を描いた物語
年末年始計画、発表!
「よーし、じゃあお父さんから発表するぞーっ!」
食卓に座った家族の前で、お父さんがピシッと立ち上がった。
「これが我が家の――毎年恒例! 年末年始スケジュールです!」
ゆきなとエレナ、そしてお母さんが笑いながら聞き入る。
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【年末年始スケジュール】
•29日:アウトレットモールで買い出し! 足りない冬物を補充!
•30日:朝市でマグロを買って、おせち食材もGET。帰りにコスト〇&船〇で年越しそばの材料を購入!
•31日:山中湖までほうとうを食べに行き、温泉であたたまり、夜は家で年越しそば。0時に氏神様へご挨拶。
•1日:祖母宅で親戚に挨拶、その足で寒⭕️神社へ初詣&ご祈祷。出店で遊び倒す!
•2日〜3日:家族旅行(場所は内緒!)
•4日:お家でのんびり。
•5日:どこかに行きます!(←未定!)
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「……はいっ、以上!」
「はーい……って、毎年と同じじゃない?」
と、ゆきなが呆れ顔。
「そんなこと言うなよ〜、今年はエレナちゃんも一緒なんだから!」
「一応、ゆきなお姉ちゃんから聞いてはいました」
「ガクッ……! でも! 発表は大事だから!!」
こうして、“忙しくも楽しい”我が家の年末年始が幕を開けた――。
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冬の朝、突然の戦い
――12月29日、朝5時半。
「よっしゃーっ!」
ゆきなが勢いよく起き上がる。
「エレナ、行くわよ!」
「えっ……今日も何かあるんですか!?」
「私はね、全国目指してるのよ! ほら、自由日4日あるじゃない? その中の1日、市の中級クラス大会にエントリーしてるの。ダブルスで!」
「えっ……聞いてません!」
「言ってないもん!」
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「お父さーん、行くよー!」
「わかったー! 先行っててくれー!」
エレナにも冬用ウインドブレーカーを着せて、まだ真っ暗な道を出発。
「なんか……ガサガサしますね」
「それがいいのよ。風、通さないから温かいし、スポーツにも最適!」
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真冬の6時、テニスコートにはもう何人かが集まっていた。
「おっ、ゆきなちゃん! おはよう!」
「おはようございます! 入れてくださーい!」
「もちろん! ダブルスも組もうか?」
「お願いします♪ 妹のエレナも連れてきたので!」
「わー! 妹ちゃん! ……って、お父さんまだ来てないの? 珍しいな〜。よーし、オジちゃん張り切っちゃうぞ!」
早速、準備運動を済ませて即席大会がスタート。
「朝カップ〜! 3ゲーム選手、総当たりでいきまーす! 優勝目指すぞー!」
ゆきな&エレナペア、参戦決定。
4組が集まり、試合が始まった頃、ようやくお父さん登場。
「うわーもう始まってるー!? チャレンジカップ!」
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「ゆきな、サーブいくよっ!」
スパーン! 真ん中を抜く容赦ない一撃。
「うわっ、つよっ!」「ストレートで1ゲームとられたー!」
でも、さすがはベテランおじさんチームも負けてはいない。男性サーブの威力は圧巻。
「強すぎるでしょー!」
1-1の接戦、エレナのサーブへ。
「が、がんばります……!」
控えめな速度だが、コースは正確。
ボレーとの連携もよく、ピタリと得点。
「よっしゃ2-1!」
「返すだけ考えて!」
「了解っ!」
しかし2-2へ追いつかれ、ゆきなのサーブへ。
「よし……まだ試作段階だけど、あのサーブいくわよ」
ボールは着地後に思わぬ方向へ。避けきれず――
「やったー! 勝ったー!!」
「ナイスプレー!」
2人はハイタッチ、勝利の握手を交わす。
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最終的に――
「三連勝! ゆきな&エレナ、優勝です!」
「わーい! パン屋さん1万円分の商品券!」
「えっ、あのパン屋さんのコックさんですか!?」
「そうそう! テニス好きでね、今発酵中の生地抜けてきてるの!」
「いいなぁ……なんか、こういうのが“地域の温かさ”って感じですよね」
「ほんと、こんな世界ばっかなら、戦争なんて起きないのにね」
「お父さーん、帰るよー!」
「えー! 今日、おれ一球も打ってなーい……!」
「先ほどはどうもー!」
パン屋のマスターが手を挙げて挨拶する。
その横で、ふっくらしたおばあちゃんが笑いながら声をかけてきた。
「いつも付き合ってくれてありがとうねぇ。ゆきなちゃんが来て、テニスして帰ってくると、機嫌がいいのよ〜」
「こちらも、いい経験になります。同じくなります。」
と、えれなも丁寧にお辞儀。
「妹さんも上手くなってきたみたいでねぇ。負けてられないって、あの人…鍛え直してるのよ。まぁ、手が温かくなるスポーツだから、パン屋の味にも関わるし、文句は言えないんだけどねぇ〜」
と、おばちゃんは笑った。
「息子さんたち、選抜チームでしょ? 強豪校だって聞きました。」
ゆきなが言うと、おばあちゃんは少し誇らしげにうなずく。
「そうそう、そろそろ今日帰ってくるはずなんだけどねぇ〜」
「では、また!」
手を振って別れると、マスターも笑顔で手を挙げた。
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家に戻ると、すぐに声が響いた。
「ただいまーーー!」
「おかえりー。ほんと、テニス好きねぇ」
とお母さんが笑う。
「今年はテニスも、優勝狙うから!」
ゆきなが元気いっぱいに答えると、家族みんながパンをかじり始めた。
ちょうどその時、ダイニングにふわっと玉ねぎの香りが漂う。
「お母さん、すごいですね」
とえれながつぶやく。
「ね、温かい〜」
ゆきながスープを口にすると、芯からぽかぽかしてきた。
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「さて、今日はアウトレットですね!」
「横浜のアウトレットモールかしら?」
「混む前に行きましょう!」
ということで、出発は9時半に決定。家族みんなでわいわい相談しながら、年末の楽しい1日が、また始まろうとしていた。
やっとお正月!とりあえず合宿までは連続投稿ができました・・
でも中型級秘密基地完成までも行きたい気もする頑張りたいので・ 多分ガンバリマス・・
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ゆきなとえれなの ほんわか 日常を楽しんでいただければ幸いです。




