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目の前に広がるのは、緑の草原。
少し離れた所に、駆け回っている大きな犬が見える。
確か、セントバーナードとか言ったかな。
見るからに利口そうで、僕とはまるで違うな、なんて思いながら。
風が気持ち良い。
爽やかなそよ風だ。
いつまでも、こうしてここで、風を感じていたい。
あぁ、だけど
これは夢なんだ。
もうすぐ、目が覚める。
夜明けが、くる。
またあの、真っ赤な世界に帰るのだ。
争いが争いを呼び、血で血を洗う真っ赤な世界へと。
僕は、平和に暮らしたいだけなのに、夢の中でしか叶わない―
あぁ、また、始まる。




