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器用貧乏だと追放されたSランク剣士、暇だったので神々の迷宮に挑む~の感想

【タイトル】

器用貧乏だと追放されたSランク剣士、暇だったので神々の迷宮に挑む~余裕でクリアしていたら知らないうちに人類最強だと名を馳せていた件。俺は別に英雄なんかじゃない、ただの暇人だ~


【あらすじ】

「ケネス、君はもう我々『龍の刻印』には必要ない」


Sランク剣士として、どんなことでもそつなくこなしてきたケネス。

だが、気分屋であるエドとその恋人であるアナに追放を言い渡されてしまう。


「おいおい、命乞いはなしか? それとも強がっているのか? ああ?」


「本当は怖いんじゃないの? これからどう稼げばいいんだろうって?」


そんなことを言われていたケネスであったが、当の本人は全くノーダメージであった。他二人はデートやら食費やらで散財していたが、ケネスの趣味は貯金。お金には困っていないどころか、二十年は遊んで暮らせる余裕があった。


さらに言えばケネス個人にもSランクの称号が付与されている。


彼は器用貧乏と呼ばれていたが、ただ単純にどんなことでも『完璧にこなすことができる』万能剣士なだけなのだ。


ケネスは今後、どう過ごそうか悩んでいるとこんな話が耳に届く。


「なあ。神々の迷宮に挑んだパーティが帰ってこないらしいぜ」


「仕方ねえだろ。ありゃ人間が挑むものじゃねえ」


神々の迷宮。それは攻略すれば神々の加護が与えられどんな夢でも叶えることができると噂されているダンジョン。

難易度は神々と呼ばれるだけあり階級では振り分けることができない。


「あ、そうだ。暇だしチャレンジしてみるか」


しかしケネスは暇だからと言う理由で攻略に挑むことにする。

さらに余裕で攻略してしまい、次第に英雄と呼ばれるようになるのだが――


「え? なんで俺英雄って呼ばれてるの?」


これは暇人による無自覚英雄譚である。


【感想】

あらすじの時点で主人公個人に対しSランク称号、つまり「あんた強い」というお墨付きをもらっているのになぜ追放するのか、気になる人も……いないか。もう真っ当な理由で追放する作品なんて期待出来るはずありませんよね。

現に本編を読んでも、理由が「地味だから」「器用貧乏だから」ですって。

なんでこんな池沼にナローシュはついていったのか、なんでSランクという大層な肩書を無視するのか。

要するにいつもの考え足らずな前置きから始まります。

当然ですが、追放を宣言されても特にナローシュにダメージはありません。

まあ、活躍して得た報酬は追放側のろくでなしに散々吸われているのですが、どうせプロローグ前のことには考えも触れもしないのだから、そこんところもノーダメージって考えでしょう。無能って気楽でいいよね。


一人になったナローシュは、神々の迷宮の話を耳にします。

あらすじに書いてある通り、最高難易度の迷宮で、クリアしたらなんか願いが叶うそうです。

20年間遊んで暮らせるほどの貯蓄があるナローシュですが、暇なので気分で挑むことにしました。

しがらみから解放され、まだ1分1円たりとも娯楽に手を付けていないのにこの始末。

この時点でこのナローシュもろくに考えていない無能だということがわかりますね。作者の加護がなかったら1話で完結するような人生です。


迷宮の内容ですが、大体ナローシュが敵もトラップも斬って捨てたため、碌な描写がありません。

迷宮の奥のボス部屋の前には別の冒険者パーティが居ましたが、そいつらもSランクとのこと。

Sランクのバーゲンセールか?ひょっとしてSランクって上から19番目のランクなのでしょうか。

でも最高難易度の迷宮に挑むならやはりトップクラス……でもトップクラスのわりにナローシュとお互い面識がない……。だめだ、考えるだけ無駄ですね。


そのパーティですが、男なら敵だったのですが、女性だけで構成されていたため仲間……じゃなくてハーレム要員です。

一緒に迷宮を攻略することになりましたが、道中は主人公が攻略し、周りは「すごいすごい」はやし立てるだけの太鼓持ちと化します。ハーレム要員兼太鼓持ちは初めて見た。

迷宮をクリアしましたが、これまでのなろう小説と同じく、乳繰り合うためのハーレム要員補充エピソードに過ぎないため、面白さを見いだせないままピークを過ぎてしまいました。

後はもう追放側が落ちぶれる様子を見る以外に見どころがありません。


追放側の2人は、ナローシュの追放後に依頼を受けに行きますが、そこで色々なことがナレーションで語られます。

追放パーティはSランクを与えられているが、それと同時にナローシュ個人に対してもSランクを与えていたそうです。

しかしキャリーされていることを2人は知らず、ナレーションでも


>天狗になってしまっていたのだ。

>自分たちが誰の存在によって身の丈に合わないパーティランクを与えられていたのか。

>それを理解していないのだ。


と語られます。

この書き方だと、『ナローシュが悪意を持って身の丈に合わないランクを与えた』と取られても仕方のない書き方ではないでしょうか。

そう考えると2人は被害者なのですが、ナーロッパでは『追放者』のレッテルを貼られた時点で断裁されるべき悪になる定めなのです。


当然ながらナローシュが居ないため依頼は失敗します。

ギルド側も失敗すると予期しており、2人に対し依頼主に謝罪するよう要求しました。

他の作品のギルドだったら、失敗したらギルドの信用が失われるとか設定があるのですが、この作品のギルドは失敗したら冒険者が責任を取るそうです。

失敗するとわかっていたのに止めず、依頼料を横から掠め取る……ギルドの存在意義が疑われますが、作者は

追放側を陥れることに夢中で他のことに考えが及びません。

依頼主である大手商業ギルドのお偉いさんに直接謝罪しますが、当然の如く激怒されます。

二度とギルドに依頼しないと宣言され、冒険者ギルドにとって大きな痛手ですが、全責任は須く追放側の2人にのしかかるそうです。

これで『ざまぁ』して気持ちよくなれる人がいるのでしょうか?全く想像できません。


まだまだ2人に災難が降りかかると予測されますが、作者が描きたいのはナローシュサイドらしく、「俺は暇人」botと化したナローシュと、太鼓持ち兼ハーレム要員のいちゃつきがくどいほど描かれます。

我慢して読みましたが、「こんなに強いナローシュ様を追放するなんで、なんて愚かな奴らなんだ!」的なセリフが目に入ったので読むのを断念しました。

ナローシュに感情移入して読める超人以外はまともに読めたもんじゃありません。

この作品は感想を受け付けていないため、追放側の処遇に関して読者の意見を知ることができません。

まあ、ランキングに載ったからといって感想も高評価一辺倒というわけではないんですけどね。



でもこの作品を面白いと思う人と話をしたいとは思いません。マジで。

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