戦闘力のないハズレ才能【翻訳】で古代魔導書を読み漁っていたら実は世界最強になってました~の感想
【あらすじ】
魔法貴族アルデハイム家で生まれた者は5歳のときに才能適性が鑑定される。
魔法の才能が期待される中、長男のノアの才能は【翻訳】という魔法に一切関係のない才能だった。
この一件からアルデハイム家は魔法の才能がないノアを蔑み、冷遇していた。
しかし、ノアは【翻訳】の才能のおかげでアルデハイム家の隠し書庫を発見。
隠し書庫には現代魔法とは比べものにならないほど強力な古代魔法が記された書物が蔵書されていた。
ノアは一人で古代魔導書を読み漁り、沢山の古代魔法を身につけ──無自覚のうちに世界最強の魔法使いになっていた。
そして成人したノアは実家を追い出され、昔から興味のあった冒険者になるのだった。
これは【翻訳】の天才が世界中を旅して、古代魔法で周囲を驚かせながら無双してしまう物語である。
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【あらすじを読んだ感想】
魔法の才能がないからと冷遇され、後天的に魔法を習得したけれどもそれを知らせずに家を出ていく。
まあ、理不尽な虐待を受けた相手から離れたいから、魔法の習得を隠して置くというのは一理ありますね。
才能がないだけで虐待をする件に関しては、もう突っ込み疲れたので触れないでおきます。
でもって、本当になろう小説は好きですよね、無自覚無双。
無自覚のくせに自分に都合のいい存在を思わず傷つけるような展開にならないし、書けないのに。
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【本編を読んだ感想】
1.五歳で才能鑑定
2.才能は【翻訳】のみ
3.父、息子に平手打ち
要するにいつものです。
その後努力したようですが、親どころか使用人たちからも無視されるようになりましたとさ。
まあ、使用人は主人公を世話したら解雇すると脅されていたんですが。
普通なら成長して捻じ曲がった人格が形成されるところですが、ある日庭に石板を発見しました。
石板には見たことのない文字が刻まれており、それは【翻訳】スキルでも読めなかったそうです。
役に立たねースキルだなとか言ってはいけません。作者が読めなかったと言ったら読めない、そういうものです。
時間さえあればその石板の文字の解読を試みて、一か月後にようやく文字が解読できたそうです。
「スキル【翻訳】発動!解読率0.1%増加!」みたいなものでしょうか。うまく想像できません。
解読した石板には、書庫の本を指定の順番に入れ替えろと書かれており、指定の通りに配置した結果本棚が動き、通路が現れました。
通路の先に隠し書庫とやらがあり、そこの蔵書を読んだところ古代魔法とやらを習得しましたとさ。
その後はあらすじの通りに家を出て無双するのでしょうが、この展開にするためには
1.家に隠された書庫があることを家の者が知らない
2.庭に石板があることを父が知らない。もしくは知ってたけど何が書かれているのか知る気がない
3.父が【翻訳】スキルを持つ息子を冷遇する
4.10年間隠し書庫に通い詰めるところを誰にも見られない
並べてみると3と4にだいぶ無理があるように思えますが、作者がこうなったと言ったらこうなるんです。仕方ないね。
で、15歳で家を追い出されるのですが、虐待した父や無視をした使用人に対して特に恨みはないそうです。それどころか感謝しているそうです。
何故なら、自分が他者に対する振る舞いは、自分がしてもらいたいことだから、だそうです。
つまり、優しくしてほしいから他者に優しくするという理屈ですね。
何か立派なことを言おうとしていますが、褒められたいのなら習得した古代魔法を見せればいいという、もっとも簡単な道があるのですが……
そのような楽な道を選ぶことは自分の成長を妨げるという自戒の念があるのでしょう。(決して追放要素を突っ込みたかったからではないと思いますよ、うん。)
追放後、主人公は今後の目標を考えます。
そこで世界を旅していろいろな文化に触れ、並行して道中お金を稼ぐという目標を立てます。
物語において主人公の目標を設定するのは面白くするための必要条件なのですが、古代魔法の中に空間転移というものがあり、行ったことのない3㎞以上先に瞬間移動できる魔法があります。
これがあれば旅も金策も一瞬で終わってしまうため、物語を面白くするために(せっかく目標を設定した直後だけど)新たに目標を設定しなければならないのですが、なろう読者が求めるのは面白い物語ではなく、他者にマウントを取れるよう主人公に自己投影できる展開なので問題はありません。
そのため金を稼がなければならない、言い換えれば金を節約しなければならない状況にもかかわらず、金を払ってわざわざ寄り合い馬車に乗ったのは、道中魔物に襲われていた王女を助け、その王女が主人公に会うために主人公の実家に行き、王女と婚約して高い地位を得ようとする実家に対し、主人公がいないなら行く価値がないからと王女が手のひらを返し、主人公を追放したことを後悔する父親に対してざまぁするためなんですね。(めっちゃ早口で言ってそう)
その後冒険者ギルドという、どちらかというとやっていることがハンターギルドといった方が正しいような、なろう特有の施設で登録しようとします。
そこにS級モンスターという、相当強いだろうけどどうせナローシュより弱いだろうモンスターが出現したとの報告が舞い込みました。
作者から裏で「戦えば絶対に勝てて、そのうえ周りの美女からちやほやされるから行った方がいいよ」と耳打ちされたように主人公は討伐しに行きます。
その後竜を契約で従え、救った美人冒険者の手料理をふるまわれるといった都合のいい妄想みたいな展開が繰り広がれるので、そういったご都合主義にまみれた主人公に自己投影できるのなら楽しめるのではないでしょうか。




