拠点エリア:風国 ⑤【陰に垣間見えし根強い義理】 7989字
到着した目的地にて、新たな出会いを予感させるイベントと遭遇した。
痛ましき姿となった拠点エリア:風国の中を駆け回り、住民達が提示するサブクエストをこなしてきた主人公アレウス。それらを精算して相応となる経験値を取得するために、精算の役を担うNPC:トーポ・ディ・ビブリオテーカのもとに訪れた。
彼は、いつも配置されている場所に存在していた。この日もこなしてきたサブクエストの報告を行うためにトーポの前まで移動してきたものであったが、そんな主人公アレウスは普段とは異なる雰囲気を醸し出す現場と居合わせることとなる。
トーポは、誰かと会話を交わしていた。これまでになかった展開だった。同時にして、それはイベントの一環でもあったのだ。こちらに背を向けて彼と会話する青年。その青年が放つ特殊なオーラが、あたかも主要登場人物の一人であることを語っていたのだ。
見慣れない背に、主人公アレウスはこの足を止めて様子をうかがった。
あのトーポと対等に会話をしているのだろうその青年の背は、とても清々しいものであった。左手を腰に当て、右手にはクリップボードを腕に掛けながら持っている。板に挟んだ何重もの紙の束が強風でばたばたと音を立てているその中で、手元の様子を一切と気に留めずにトーポとの会話に取り組んでいた。
身長は百七十五くらいだった。この主人公アレウスと全く一緒である。髪型は、デフォルトなのであろう至ってシンプルな茶髪の、デフォルトなのであろう至ってシンプルなショートのヘアースタイル。快活さを滲ませていた。服装の特徴としては、パーカーの付いたつなぎを、その上半身部分をだらしなく垂れ下げながらの着用。つなぎの色はデフォルトのような白色で、腕や足といった所々にデフォルトのような赤色の布が巻かれている。又、つなぎの腕部分はリボンの形に結ばれていた。
腰から上は、剥き出るようにデフォルトのような赤色のワークシャツを着用していた。長袖であり、つなぎとは反してしっかりと着こなしている。他は、黒色のグローブを身に付け、靴は赤と白の動きやすそうなもの。つなぎという要素がだらしなさを表現しているが、その他の服装や青年の雰囲気が快活さを漂わせていて、そのだらしなさは拘りのファッションであることがうかがえた。
その背だけで、彼が好青年であることが分かった。そのただならぬ雰囲気といい、やはりモブキャラという立ち位置のNPCではないことも理解する。つまり、新たな主要人物であったことは確実だった。
そんな新たな人物に、主人公アレウスは興味津々と眺め始めてしまう。一体誰だろう。どんな役をこなすNPCなのだろう。唐突の遭遇に、新たなる出会いによるドキドキで非常に気分が高揚してくる。
ミントがこの強風で飛ばされないよう、その肩に手を添えて支えてあげながら歩み始めていく。目の前の新たな人物の顔を見てみたい。会話を交わしてみたい。名前を知ってみたい。声を聴いてみたい。あのトーポと会話をしているのだ、きっと味方なのだろう。果たして、どれほどの強さを兼ね揃えた人物なのだろう。もう、この通りに主人公アレウスは興味にそそられてそそられて仕方が無かったのだ。……なんだか段々と、未知を求めるユノに似てきてしまったかもしれない。
そろっそろそろっと青年の背に近付いていく。ミントも、そんな主人公に付き合ってくれる。二人で慎重に歩いていく。強風に晒されるその中で、だがそれどころではないと言った具合に二人は順調に距離を縮めていき。そして、青年の背後にまで詰め寄ることができた。
近付いたことによって、彼の声も聞こえてきた。とは言え、強風のせいでその内容を聞き取るまでには至らなかったが、彼の声音がまるで主人公のデフォルトのような声であったことのみを把握することができたものだった。
と、その瞬間、青年が振り向いてきた。それも、歩み始めながら。
踵を返して、青年は動き始めていた。しかし、そんな彼の先には主人公アレウスとミントの姿が。互いに驚いた表情を見せたその時にも、この肩同士でどかっとぶつかってしまったものだった。
互いによろける。それも、ミントは強風に流されてよろよろと体勢を崩してしまった。急いでこの手を伸ばして少女の身体を支え、絶崖からの落下という最悪の展開を免れることができた。尤も、ミントは球形の妖精姿となれるために落下の心配はなかったのだが。
ミントへと向けていた視線。少女の安全を確認してから、すまないと言葉を口にしながら青年へと振り向いた。一方として、青年は、おっわりぃわりぃと強風に動じることもなくすっと体勢を立て直し、さっとこちらを確認するなり、何事も無かったかのように何処かへと歩き去ってしまったのだ。
ふっと振り向いてきた青年の顔は、主人公のデフォルトのようにシンプルなイケメンだった。何よりも、爽やかさが際立っていたものだ。その上に、不注意でぶつかってきた相手に対しても攻め立てず、この強風をものともせずにさっさと歩き去ってしまう。だらしない恰好でその何気無い爽やかさが、とてもポイントの高い人物だった。
……なんだ、ただの主人公か。
なぜかホッとしながら、青年の背を見送った。見送る主人公アレウスの陰から、ミントが覗き込んでくる。歩き去る青年の姿を、じっと、見つめていた。
続け様にイベントが展開される。この直後にも、背後のトーポからセリフが投げ掛けられた。
「ん、おや、アレウス・ブレイヴァリー。いつの間にいたんだね。果たして、この僕が年を取ったからなのか、はたまた、アレウス・ブレイヴァリーの影が薄いのか。その存在に全く気付くことができなかったよ。その希薄な存在感は奇襲に利用できるかもしれないね。……ん、なんだい? その目は」
複雑な心境を映した目をトーポに向けていた。そんな彼は、訴え掛けてくる瞳に込められた意図を探り出すのだが、まぁこういうところは鈍感なトーポはただ首を傾げて不思議がったのみだった。取り敢えず挨拶を行い、トーポもまた挨拶を返し、彼はセリフを続けてきた。
「こうして僕のもとへと来てくれた……ということは、君らはまたこの風国に救いの手を差し伸べてくれたということだよね。あぁ頷かなくても分かるよ。尋ねるその前から、君らのやり遂げたと言わんばかりのその表情で容易く察することができる。僕、そういうのにはとても敏感でね。言葉が無くとも、それを目にした顔付きで何となく真意を汲むことができるんだ。で、その献身的な姿勢は風国の貢献に値する。いや、君らの働きはもう、貢献どころではないね。まるで、風国と一体となったかのように君らは本当によく働き掛けてくれている。そこらの騎士達よりも余程ね。そんな君らの働きを目にすると、帰すべき愛する場所を喪ってしまった我々はとても勇気付けられてくるんだ。みんな、感謝をしているよ。君らの前ででも、この陰でもね。そして、君らの働き掛けで僕は思い知らされたよ。それが例え小さき事であろうとも、その人一人がこなす行いその一つが、周囲に多大な影響を及ぼすのだとね。君らがこうして尽くしてくれると、その空気に感化されて一人、また一人と勇気を滾らせ風国の復興に希望を持つことができるのだ。――あぁ、不思議だな。君らの姿を目にして、またこの形容し難い感情を抱いた。なんとも不可思議なものだよ。何故だか、希望に満ち溢れてくる。君らの姿がすぐそこにある限り、理屈も無く元気になれるんだ。というのも、皆はこの風国に尽くしてくれている。テュリプ・ルージュも、ユノちゃんも、ダークスネイクも今も尽くしてくれている。……しかしね、いや不思議なことだ。ミントちゃんもそうだが、アレウス・ブレイヴァリー、君が放つ影響力というのは、実に他を凌駕しているね。正直な話、君自身はいまいちパッとしない青年ではあるのだが。その内側に隠した溢れんばかりの何かが、理由も理屈も必要など無い計り知れない希望を我々に抱かせてくれる。君がこの地にいる限りは、風国は安泰であると思えてしまえるよ。……だからこそ、僕は君らが放つ異質な影響力に感謝をしている。言葉でも、誠意でも、そのありとあらゆる形で返しても返し尽くせないほどの膨大な感謝を、僕は今も君らに注いでいる。ありがとう、こうして風国を支えてくれて」
穏やかな調子で、その伝えきれないほどの感謝を口にして頭を下げてきたトーポ。彼から受けた恩義に仕草で応え、ミントと目を合わせて二人で照れくさそうにする。
頭を上げ、眼鏡の位置を直す仕草を交えていく。その、横線のような目はこちらをしっかりと見据えていた。なんとも穏やかな表情だった。しかし、その穏やかな顔の裏に潜めた辛辣な言葉は至って健在。むしろ、彼の持ち味のようなものでもあったそれを交えながらの感謝の言葉に、彼が抱きし風国の想いの強さを毎度と再確認させられたものだった。
そして、感謝の言葉を最後にトーポとの会話が終わる。いつも、会話が終わると同時にしてサブクエストで得た経験値が一気に蓄積されるのだ。…………が、その次の時にも主人公アレウスはあれっといつもと異なる空気に違和感を抱くこととなった。
会話が終わっても尚経験値が蓄積されない。いや、そもそもとして会話がそこで終了しなかった。恒例化していたいつもの流れを断ち切る空気の変化に、主人公アレウスはただ立ち尽くしてしまうばかり。
新たなNPCとの出会いが直前に配置されていた時点で察するべきだったのだ。もはやパターン化したその流れは、既に次なる進展によって変化を迎えていたことを。いつもと異なる流れに、間を保つための遠慮がちな相槌を打つ主人公アレウス。その返答を確認次第にも、トーポは眼鏡の位置を直す仕草を交えながらそのセリフを口にしてきたのだ。
「そう、僕は君らに感謝をしており。同時に、皆に感謝をしている。ひねくれた性格である僕でも、正直にお礼を述べる時だってあるんだ。そして、それでも尚この感謝を皆に伝え切れていないと自身の誠意に不足を感じ、そこで僕は更なる誠意を考えた。それは、言葉だけでなく、尽くしてくれている皆の支えとなれるようにこの身体で誠意を示そうというものだった。要は、アレウス・ブレイヴァリーとミントちゃんの要望を出来る限り叶えたいと僕は考えている。これまでに築いてきた立場や成してきた実績が許す限りの奉仕を、君達に施したいと思っているんだ。内容は基本的になんでもいい。ただ、要望は道理に沿ったものでお願いね。――そうだね、例えば~。ユノちゃんには、既にこの意を示した。そして、彼女は真っ先と要望を出してきたよ。未知を知りたい、ってね。それも、私が未だ知らないであろう何かとんでもなく面白くて未知に溢れた話を聞かせてくれ~って、この上ない無茶ぶりを振ってきたものだった。だから、僕はその要望通りに面白い話を聞かせてやったんだ。そうだな……内容の一部を抜擢するとすると……あぁ、この世界に生まれてきた人々の名前の由来、の話をしたかな。それは、こうして生きる人々その一人一人にも名前があるものだが、その九割方を占める割合で名前に名詞が含まれている、というものだ。その名詞は様々な内容、その名詞にも異種の言語が入り混じっているらしい、と。まぁ、その本質は僕でも分からずじまいなのだけれどもね。って、そんなオチの無いお話にユノちゃんはもう大喜びさ。それでいて、このような面白い話を聞かせるようもっとせがんできた。だから、僕はもっといろいろな話を聞かせてあげた。……と、まぁそんなところだね。ということで、死力を尽くしてくれたアレウス・ブレイヴァリーとミントちゃんの要望にも応えられる限り応えたいと思っている。あぁ、そうそう。それで、報酬金。これは、また別件ということで扱ってほしい。というのも、これは僕が事前にも報酬として申し出ていた約束だ。宿屋がこの有様だから、すぐには渡せそうにはないものだけれども。しかし、約束を蔑ろにするつもりなどは毛頭無い。風国の復興がひと段落したそのタイミングで、宣告通りにしっかりと支払うつもりでいる」
そのセリフを一区切りにして、トーポは一度その口を閉じては主人公アレウスからの返答を待ち始めた。
彼の固い意志からは、義理の強さが垣間見えた気がした。有言実行とも言えるだろうか。愛する地を壊滅へと追いやられ、精神的にも相当と追い詰められているだろうに、それでも彼は最優先事項として報酬金の支払いに関する事柄を先行してくれた。
時々とそのセリフには辛辣な言葉が交えられるものだったが、そんな彼には一度決めたらそれを押し通す意思の力がその奥底に根付いていた。彼もまた、このゲーム世界で生きる登場人物。ただならぬ雰囲気に相応しき個の持ち主であったものだ。
……しかし、彼の義理とはまた別として、主人公アレウスはその話を断る口実を考えていた。トーポは、目の前で大切な地を喪った被害者なのだ。今もその痛ましき姿と直面し、現実と向き合い続けている。その表情も調子も戦争前とはまるで変わらぬ至って穏やかなものではあったが、しかし、いくら義理を通す彼であろうとも風国の痛ましき姿を前に疲れ切っているはずだった。だからこそ、風国の復興という問題に、上乗せとして金銭面の問題を彼に抱えさせることに疑念が思い浮かぶ。いや、違うだろうと。彼に金銭面で差し迫る必要などなかったのだ。
メインシナリオ:対『魔族』迎撃作戦に参加したのは、飽くまでも物語の一環。その旨を伝えるべく、主人公アレウスはトーポへおそるおそるとそれを口にした。
「俺があの作戦に加入したのは、『魔族』という脅威を風国から追い払うためであり、風国という地を護るためでもありました。それ以上のためでも、それ以下のためでも、それ以外のためでもありません。それに、オーナー・トーポは俺へこの旨を伝えました。それは、この風国を護ってほしい、と。結果、風国は『魔族』によって食い荒らされてしまいました。俺は、オーナー・トーポの意向に添えたとはとても思えません。よって、俺としては報酬金という話は聞かなかったことにしたいなと思っているのですが……この旨に対して、オーナー・トーポは如何なほどでしょうか」
躊躇いを込めながらも、伝えたいことは伝え切れたと思える。
強風が吹き荒れるこの空間。尋ね掛ける形で言い切った主人公アレウスの言葉が風に流されると、トーポは神妙そうな様相で顎に手をつけ、何かに考えを巡らせてはこくりと一つ頷いてそのセリフを切り出してきたのだ。
「アレウス・ブレイヴァリーの厚意を受けて、僕は腹を割って話そうと思う。そうしてもらえると、この上なく助かるんだ。何だかんだで風国のことで精いっぱいでね。いやいや、ほんと、こうして自分から言い出したものも実行に移せないだなんて、情けなくて情けなくて己の醜態に恥じ入るばかりだよ。しかし、時には無様な姿を晒してでも頭を下げなければならない時もある。風国の惨状を鑑みてくれたアレウス・ブレイヴァリーの良心に、僕はまたしても救われてしまったようだ。正直、その言葉を聞いてからは肩の荷が下りた。これで、僕は風国の復興に専念することができそうだよ。――君らに限った話ではないが、でもね、君達はまだまだ若い。だからこそ敢えて言わせてもらうが、今のように、若い内にもある程度ものわがままを貫き通した方がいいよ。君達は他人のことを考え過ぎだ。もっと、自分勝手に生きてもいいとこの僕はそう思うんだ。せっかくの厚意に対してなんだか説教臭くてすまないね。でも、君達は本当に優しすぎる。だから、変に心配になってくるんだよ。というのもね、報酬金を断ってきたのは君だけではなかったんだ。ユノちゃんも、テュリプ・ルージュも、あのダークスネイクさえも報酬金の受け取りを渋って保留なりお断りなりしてきた。ユノちゃんは、代わりとして未知なる体験を求めてきたし、テュリプ・ルージュはむしろその有り余った自身の貯金を割いてまでして風国の復興に努めてくれている。特に驚かされたのは、ダークスネイクだね。彼は傭兵だ。報酬金こそが自身の存亡に関わる。だからこそ、これほどまでに旨い話は他には無く、傭兵としてその機会を絶対に逃してはならなかったものだろう。だが、彼はその旨い話を敢えて流した。その際の口実として、彼は何て口にしたと思う? 彼はこう言ってのけた。『魔族』の首という、闇共の集いし血濡れた輩へと我が名を知らしめるに十分な功績を我は頂戴した。今回の報酬に匹敵するだろう大金がこの懐に舞い込んでくるのも時間の問題だろう。つまり、我はこの戦争にて、貴様が提示した報酬金と同等の功績を得たということだ。故に、報酬と同等となる功績を既にものとした我へとこの信念が訴え掛けてくるのだ。その既定以上となる報酬を得ることは、我が信念に反する!! とな!! ……ってね。いや、参ったよ。僕は皆の心遣いによって、何度も何度も、何度も救われてしまっている。年長者として、我ながら情けないばかりだ」
セリフと共に眉をひそませて、悩みに悩むようとにかく頭を掻くことしかできないトーポ。情けないと口にしているものだったが、その声音からはどこか安堵を思わせた。
行き場を失った彼の義理。それに複雑な感情を抱いたまま、トーポは困り果てる様子を見せながら瓦礫のもとへと戻り、その付近に設置されていたイスに腰を掛けて一旦と落ち着いた。
宿屋の食堂に置かれていたイス。唯一もの形見であるそれに座って、トーポは暫しと口を噤んでいた。何かに考えを巡らせているのだろうか。ぐるぐると回る義理に未だと感情に苛まれているのだろうか。悩み続ける彼へと歩み寄る主人公アレウス。様子をうかがうように近付いてくるこちらの気配にふと顔を上げて、トーポはそのセリフを続けてきた。
「まぁ、そんな感じだ。だから、せめてアレウス・ブレイヴァリーとミントちゃんの要望には僕はできる限り応えたいと思っている。何か聞きたいことがあれば、なんでも聞いてほしい」
そのセリフを最後にして、このイベントは一旦と停滞を見せた。
会話が止む。トーポはどこからか取り出した分厚い本を開いて、それを膝の上に乗せてはページをめくり出して目を通し出す。眼前からの要望を待つ間の動作だった。
イベントは、次の段階へと移っていた。画面にはいくつかの選択肢が提案されている。その中のどれかを選ぶのか、その全てを選ぶことができるのか。この時点ではまだあまり分からないことばかりではあったが、この移行したイベントで行えることと言えばただ一つ。それは、選択肢を選ぶこと、それのみ。
であれば、彼の義理を少しでも満たすためにも、この選択肢を吟味しながら選ぶとしよう。主人公アレウスは前にした選択肢と向き合い、それをこの目でしっかりと確認する。選択肢はどれも、尋ね掛ける内容の質問だった。その内容はそれぞれ、『魔族』に関すること。風国に関すること。そして、NPCに関すること。その三つが今選べる選択肢であり、どうやらこの三つをトーポへと質問することができるようだった。
選択肢の様子から、このイベントは情報の収集を主とした目的であることを把握した。これは、未だ謎に満ち溢れたこのゲーム世界の真相に少しでも迫れるキッカケとなるだろう。
せっかくの機会だ。トーポの義理に多少なりとも応えるためにも、提示された選択肢を余すことなく聞き出すことにした。よしっ、と尋ね掛ける質問の内容に一つ頷いた主人公アレウス。この次の回では、トーポへの要望としてストーリーに深く関わるであろう物事の情報を端から聞き出していく――――
【~次回に続く~】




