討伐依頼って定番だよね。
八海山の続きを飲んでいます。
定番なので、飲みやすいので、ちょっと面白みが。
嫌いじゃないけどね、ただ料理酒にするには飲みやすすぎるし、飲むだけにするには話のころがしかたが難しい。
つまみは、はんぺんチーズとちーたらでした。
まずは、わしの十八番をくらわしてやらんとな。
ワシの名前はマスオだが、酒の席での説教の第一声はこれに決めている。
ここで、突っ込んでくるような奴ならかわいがるのも吝かではないが、呆けるやつらは次の日に地獄を見せてやっておる。
パワハラとか言われそうだが、コミュニケーションの一種だし、第一こっちが歩み寄っているのに白けるとか呆けるとか無礼にもほどがある。
ちなみに、この大声は会議でも役に立つ。
別に内容なんてどうでもいい、よさげな話の尻馬に乗っていればいいのだが、その時に反対意見を封殺するのにちょうどよい。
声の大きい方の意見が通るとか言われているが、それは間違いだ。
タイミングよく大声を出す人間の意見が通るのだ。
そこを間違えてはいけない。
大声なだけな人間なんて、ただの迷惑だからな。
その点、ワシはちゃんと部下を導いているからな、偉いだろう。
それはそれとして、このブライダーズとかいう、新婚相談みたいな名前のパーティだかグループをなんとかせんとな。
大声で怒鳴りつけたことで、衆目の状態になっているし、周囲も聞き耳をたてているようだ。
「まずは、お前ら勘違いしていないか?
見定めるのはお前らじゃなくて、ワシの方だ。
受付での話を聞き耳でも立てていたのだろう、ワシのスキルは便利だからな。
目の付け所はよいと褒めてやろう。」
落として上げる、まずは基本だ。
「いや、そのですね、ええと。」
流石にスキルの事を殊更話すわけにもいかないことを認識しているのだろう。
言葉がちゃんと出てこない。
しかしこういうのは、チャンスだ。
「なんだ?言いたいことがあるのなら聞くぞ。
ワシも話が分からないわけでも無いからな。」
言っていけない事があるのを分かったうえで、相手にイニシアティブをとらせる。
しかし、言葉の組み立てができない人間は、ただただまごつく。
その心理は、ワシは分かっている。
いいカモだったからな。
「ここじゃちょっとですね。
貴方の為でもあるし。」
ふふ、言いおったわ。
自分の為じゃなくて、貴方の為だと。
それこそが間違いだ。
自分の都合でしか話をしていないのに気が付いていない。
相手が都合が良いであろう話しかできない状態になっているのだ。
「べつに大した話じゃない。
お前等があまりにも礼を欠いているだけだ。
身なりを良くしようというつもりはないが、最低限の清潔さは見せるべきだ。
姿勢を崩すのもよろしくない。
それに、自分を大きく殊更見せるのはあまり関心せんぞ。」
スキルの話ではなく、態度や恰好の話にシフトさせる。
誤魔化しではない、ワシは一貫してこの話をしているだけだからな。
相手が何の話をしていて、何に気を使っているのかは、ワシの知るところではない。
「ええと、いやそうでは。
まぁ、そうか、そうですね。
ええ、私達の態度あんまりよくなかったかも。」
しどろもどろになりつつも、言葉の意味というより話が本筋からズレていることに安堵したのかこちらの話に載ってきた。
さて、ここからがワシの腕の見せ所だな。
「別のお前等におもうところはない。
ただ、ワシを相手にするにはちょっと態度がよろしくなかった。
それだけだ。
しかし、それだけではお前らもちょっと気分がよろしくないだろう。
ちょっと別の部屋で話をしようか。」
「そこのレディ、すいませんが部屋を1つ借りても問題ないでしょうか?」
「あ、はい、いまなら会議室が空いています。」
そこで話をすることになった。
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数分後
「いや、すまんな、討伐を手伝ってくれるとは中々新設な先輩ではないか。」
「いえいえ、先ほどの話の対価としては安いくらいですよ。」
何故か、ワシはこいつらと討伐依頼をすることとなった。
次回は討伐本番です。
説得はちょっと面倒なので、端折りました。
万寿夫さんは、前の世界ではこうやって教育してきたつもりですが、結果パワハラアルハラになっていました。
それでも訴えられないだけの周到さがあったりしたのですが、その辺はまた後日。




