プロローグ
そこには一つの火山島がある。その火山は今も火山活動を続け噴煙を上げている。
そこにすむモノは皆顔の彫りが深く、男は体格ががっしりしている。言葉は全く通じない。そのために彼らは人間から鬼と呼ばれ、彼らが住む島は鬼ヶ島と呼ばれた。鬼たちは狩猟をしながら暮らしていた。また、食べ物が採りにくいため子供はどんどん死んでいく。ゆえに子供は大切に育てられた。そして、出産をするための施設は人間のそれより遥かに整っていた。
「おい、子供が産まれたぞ!女の子だ」
一人の男がそう叫ぶ。
「アマル様に名前をつけてもらえ」
「あぁそうだな」
「子供が産まれたっていうのは本当か?」
一人の大柄な男が入ってきてそう言った。年齢は20歳超えたくらいの男だ。
「あっアマル様!えぇ本当です。この子です。元気な女の子ですよ。名前をつけてやってください」
「わかった。そうだなテルーというのはどうだ」
「ありがとうございます」
テルーの親がお礼を言った。
「そうだ、例のものはどうなっている」
アマルが一人の男に聞いた。
「はい、順調に進んでいます」
「そうか…あれが我らの新しい希望となればいいな…」
「もう彼のようなことはうんざりです」