20:女性の買い物ってきついよね
いつの間にかユニークが2000を超えていました!ありがとうございます。
目が覚めると、目の前に美少女がいた。
とても、この言葉にデジャヴ感があるが今回は立場が逆である。詰まるところは、前起きると膝枕されていたのに対し、逆に膝枕していたのだ。どうやら座ったまま食卓で眠ってしまったらしい。まぁ当然美少女とはフィナのことである。
前よりも冷静だと思わないか?諸君?そう!美幼女?の姿をしているが、中はとってもお年を召している師匠の扱いで既に女性に対しての耐性がついているのだ!まぁ師匠の場合は中身と外見が違うからね。
……実は冷静に見えて叫ぶ寸前だったのは内緒である
そんなふうに、何故か勝ち誇っていた俺だが視線を横に向けた瞬間、思わず叫んでしまう。
その、あれだ。師匠がいた。どこにかって?……膝だよ!俺の膝。フィナは1回膝枕の経験があったのでかろうじて叫ばなかったが、師匠はまずい。何故かって?師匠は酒を飲んで酔わない限りこんなことをする性格でないのだ。そして師匠は結構酒に強い。つまり酔っている時のことを覚えていない可能性があり、起きた時この状況を見たらどう思うと思う?例え、俺だとわかっていても「ほう、何のつもりじゃ?」とか言って魔法を打ってきそうだし、最悪なのが寝ぼけていて俺のことを俺と認識できていない場合だ。師匠視点から考えて欲しい。
朝起きたら知らない男に膝枕されていた。そして自分はそれを撃退するだけの実力を持っている。
武力行使確定ですね。はい。しかし、驚きのあまり叫んでしまったので、何を考えてももう後の祭りだ。
俺の叫び声でみんなが起き始める。師匠も。
俺と師匠の目が合う。
「ほう、何のつもりじゃ?」
はい!予想どうりでした!というか逆に俺が考えたことを的確に読み取って言っているんじゃないかと思うほど、俺が頭の中で考えたセリフを、抑揚までしっかり同じように喋ってくる。
「あのな、師匠、これはなーー「問答無用!【火球】!」ぐへぇっ!」
頭に直撃しました。死ぬかと思った。また、後でチリチリに焦げた髪の毛を王様達に笑われたことは言うまでもない。
あれからしばらくして、ただいまフィナと買い物中です。え?前言っちゃったからな。修行が休みの今日は買い物に付き合ってあげると。
買い物に行く時、フィナは妙に張り切っていたが、大丈夫だろう。ーーと考えていた時期が俺にもありました。女性の買い物はとてつもなく疲れるのだ。まずは服屋、いくつもいくつも目移りしていて、「これはどうでしょう?うーん、これもいいですかね?浩介さんどう思いますか?」と意見を求めてくるのだ。最初の方はしっかりと受け答えしてあげていたが、それが数時間続くとなれば話は別だ。だって話すことがなくなるし。しかしそうすると、何かのセンサーがついているのか?と思うほどに鋭いかんで「聞いてますか?」と言ってくるのだ。そのため数時間に及び色々な褒め言葉をひねり出し褒め続けなければならないのだ。
これだけでも十分にきつかったが、1番精神的にきたのは下着屋だった。服屋は褒めていれば大丈夫だったが、こっちのほかの女性からの奇妙なものを見るような目は何ともならない。フィナから離れたら、ろくなことにならなそうなので必死にフィナについて行くのだった。
そんなこんなでもう、小さな子はというか、俺でさえ普段なら寝ているはずの時間まで買い物について行かされて、ただいま精神的と肉体的に疲れながら、帰宅中である。
(もう次は来たくないな…)
と、思いながら眠い目を擦りながら歩いていると突然フィナが振り返ってくる。
「浩介さん今日はありがとうございました。また次もよろしくお願いしますね!」
だってよ。そんなニコニコ笑顔で言われたら断れない、というか断れるわけがない。俺は一応「はい…」とだけ返事しておいた。
あれからそれぞれの部屋に戻って寝ようとしたが、忘れていたことを思い出す。俺はいつの間にか、【索敵】スキルと【気配察知】スキルを手に入れていた。俺たちにこそこそついてきている人がいたので気配を探っていると突然手に入れたのだ。まぁこそこそついてきている人達はフィナの護衛だったが。
どちらも、字面から分かるように、敵を探るスキルと、気配を感じるスキルだ。どっちの効果も合わせると、マップっぽくなる。明日からの対魔物との訓練で役に立ちそうだ。どちらも効果を確認したところで、疲れたけど、有用なスキルも手に入ったし、フィナのあの笑顔を見れたからいいか。と考えながら眠りにつくのだった。
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