これはこれでいいよね①
先頭のシズエが警戒しながらも前に進んでいく。
それを後ろからみんなで追っていくというスタイルだ。
これにはバスターソードは剣を構えることによって防御もできるという武器だからで女の子を前にするなんてってホントは思っているけれど今の自分にはそんなことも言えなかった。
そうして進んで行くがどうやらゴブリンたちはほとんどこちらに気づいても無視をしているようだ。
「異様な光景だねー」
「うん、これは気持ち悪いよ」
「そうよね。
普通は私たちのような冒険者を敵は見つけると襲いかかってくるのにね」
「これぞ、嵐の前の静けさってやつなのかな?」
「本当っぽいからやめてよ、カナっち」
「そうだね、もし本当にそうならうちだって嫌だ」
とそんな雑談をしているととうとうというか周り全てをゴブリンに囲まれていた。
「ヤバイよね」
バスターソードを肩に担いですぐに振り下ろせる位置に持っていったシズエに続くようにして全員臨戦態勢をとる。
正直なところボクとしては戦いたくはないのだけれど、向かってきたのなら仕方がないと思う。
だけれどそのゴブリンたちは襲ってはこない。
まるでこちらを伺っているかのようにこちらに目を寄せながら理解不能な言語で話しをしている。
「一旦戻ろう」
それを見たボクはそう提案する。
するとみんなは小さく頷くと、ダッシュでその場を逃げた。
だってリアルに怖いんだもん。
というわけでゴブリンたちの姿が見えない位置までやってきたボクたちはどうしたものかと岩場に座った。
「視線が怖い……」
「あはは、あたしでも冷や汗でたよ」
「うん、夢に出そう」
そう言ってみんな顔を青くしていて、カナさんに至ってはガクブルと今でも震えている。
それはそうだ。
今更ながらに先程までいたゴブリンのことを表してみると、顔も見たくもない気持ち悪いキャラクターなのだ。
愛嬌は無し、無表情のような笑っているような不気味な顔。
顔が大きくて二頭身のような感じだが手などもある、よくいうゴブリンだけれど、リアルすぎて気持ち悪い。
簡単に言うと駆逐したい、殲滅したい。
「それでどうする?」
だけれどもここでずっといるわけにはいかないのでそう提案するとまだガクブルと震えていたカナさんが急に立ち上がって言う。
「うちは行く温泉に行く。
だからはやくあの不気味なやつ倒そう」
誰も反論しなかった。
いや、みんな思っていたのだ。
はやくクエストを終えて先程のことで汚れた体を洗いたいと……
そうあくまでも温泉に行きたいから行くのだ先程のところに。
そう剣を構えて……
というかっこいいことを思ってもみたが実際のところはボクはドラゴンを見たかった。
だってリアルに見れるということは奇跡なんだよ。
この目で画面というフィルターを介して見るのではなくて直接自分の目で見る。
これのなんと素晴らしいことか……
ボクも決意を決めて立ち上がる。
そしてすぐに二人も立ち上がった。
よし行こう。
男の子のロマンであるドラゴン退治へ。




