第十九章、初めての疑惑5
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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恵美が微笑んで、「昔ね、聡君と付き合たての頃、浩二とは違って、
学校帰り私を連れて色んなお店、連れて行ってくれたの。
原宿の小物屋さんとか、オシャレで小さなパスタ屋さん、
聡君その時、中学からの明るい友達多くて、
毎日携帯で呼び出しては、集団で夜遅くまでバカやっていた。
聡君バンド入れたら、急に人気が上がったの。
女の子から、今みたいに急に支持されるようになって、学校帰り私を連れていても、
その周りに女の子が付いてくるの。私が腕組んでいるのに、
その女の子達『日曜日遊びに行こう!』って誘うの。
頭に来て#しょうがなかった。でも聡君そのファン達にきっちりと
『彼女いるから..それはごめんね!』。そう断っていた。
その時は聡君、『私が横に居るからそう断っているんだ』と、思っていた。
でも、土曜日ライブガンガンやった次の日でも、日曜午後から私を連れて、
夜遅くまで遊んでくれた。浩二とは正反対。アイツは自分の事しか考えてなくて、
従わせる事で満足していた。聡君は逆に..私の話ばかり聞いてくれていた。
すると今度は私が聡君を従わせたくなるの。何でも聞いてくれるが何時か、
何でも許してくれるになり、言う事聞いてくれないと許せなくなってくる。
それは皆な、浩二と付き合っていた時、自分の欲求が満たされない気持ちが、
聡君と付き合う事で解放されて、それが今度は安心感に変わると、
自分の隠れていた我がままを、ぶつける様になる。解るでしょ!今の香菜ちゃんならそれが..」。
香菜はその時、自分を振り返った。
恵美、「聡君の隣に歩いて居た人、私と聡君が付き合っていた時に、手紙で告白していた人なの。
久しぶりでその人、そう西島玲子は、聡君がその時、一人だったから、
わずかな間だけででも、寄り添っていたかったのよ。
聡君その時でも、香菜ちゃんの事しか考えてなかった。
だから香菜ちゃんの、学校向かっていたから偶然見たのよ、
もし香菜ちゃんに後ろめたい事したいなら、きっと香菜ちゃんが歩きそうも無い、
城南高校の反対方向に、歩いて行くよ..」。
すると恵美は、机に置かれていた、香菜の携帯を手に取り、着信暦を見た。
そこに記してある着信暦を読んだ。
「聡くん 5時16分」そう言って、メールを開いた。
恵美がそのメールを読み上げた「今、学校終わった。メール帰ってこないから、
香菜の学校、歩いてぼちぼち向かう、偶然コンビニで二年の時の、
同じクラスだった女子と会って、しゃべりながら歩いているんだ。
そっち付く頃には香菜。学校終わっている頃だと思う」
恵美が、香菜の携帯を畳んで机に置き、
「昔、聡君ね!付き合っていた時、その子から、告られている事、私に教えてくれたよ。
聡君に疑いを持つなら、その気持ちを、ありのままに伝えてごらん。
聡君正直だから顔に出るよ!今の香菜ちゃんだったら、聡君の表情見れば、
その人に本気かどうか解るでしょ」。
そう言って、部屋から出て行った。
階段を下りて居間に戻ると、「これで大丈夫よ、解ってくれたみたい!」。
聡、立ち上がり俯きながら、「有難う」。そう言って手を差し出した。
恵美はそんな聡に、微笑みかけて、「いいから、早く香菜ちゃんの所に行って上げなさいよ!」。
そう言われると、聡は軽く頷き部屋に向かった。
聡は静かに階段を上がり、部屋に入ると香菜は、ぼーとしていた。
聡は何気なく、「隣..座ってもいいか?」。
香菜は黙って頷いた。
聡は香菜の隣に腰を据えると、手を組み膝にその手を置いて、俯いていた。
香菜は急に泣き出し、悔しかった思いを聡にぶつける様に、
下唇をかみ締め、聡の両肩を両手で叩きながら、泣きじゃくった。
聡は香菜に体を向けて、叩いている状態のまま抱きしめた。
抱きしめられたまま、香菜は聡の背中を叩いていたが、
直ぐ聡の温もりに身を委ねながら、泣きじゃくっていた。
その時、居間では斉藤と恵美が、今までの自分達の経緯を話していた。
秋子、「そうだったの..」。
恵美、「結局私が、皆をハメる形になってしまいました」。
斉藤、「僕も、その泥沼の中に、入り込んでしまう様な形で、聡を呼び出して..
だけどアイツ、俺の事せめると思ったのですが、まったく予想とは違って、
恵美を敬遠していて、おかしいとは思ったんです。僕その時まだ香菜ちゃんの存在知らなくて..」。
秋子、「元を追ってみると、今の状態を作ったのは、落雷ね」。
恵美、「私は現場に居なかったのですけど、避雷針が皆なの行く末を変えました」。
斉藤、「あの、こんな事言うの大変恐縮なのですけど、
僕達が香菜ちゃんを、甘やかすような形にしました」。
恵美、「ええ、実は香菜ちゃんが現れたお陰で、皆なが一つにまとまり、
そこに居るだけで、不思議と皆なが、揉めることが無いのです」。
斉藤、「従って、皆な香菜ちゃんの言う事を、理解しようと努力するし、
細かい所でも気を使って、何でも遣って上げてしまいます」。
恵美、「それが、何時か香菜ちゃんがして欲しい事を、こちらから伺い、
お腹が空いた表情をすれば、何が食べたいか聞いて、
香菜ちゃんが食べたい物を、買って来て上げたり、お気に入りのお店連れて行って上げたり、
そう..皆な、香菜ちゃん主体で動くようになってしまいました。
この頃、何となく香菜ちゃん態度が今までと違って来ている様で..
サプリスタッフ以外、はたから見ると、やってくれる事が、
当たり前だと言う態度が、目に付き始めていす」。
斉藤、「それに、香菜ちゃんが歌を書いて、それが全国的にヒットすると、
より香菜ちゃん重視になるから、尚更..」。
秋子、「話を聞くと以前、聡君の置かれている立場と似ているわね..」。
そう言われると斉藤と恵美は、顔を見合わせて秋子を見て、「確かにそうですね..」。
しばらくすると、階段を下りてくる音が聞こえた。
香菜と聡は居間に来た。
すると香菜は幼い子の様に、鼻を啜りながら半べそをかき「こめんははい」(ごめんさい)。
と、頭を深々と下げて皆なに謝った。
皆なは微笑み斉藤が、「香菜ちゃん今日、焼肉食べそこなったな」、三人が笑った。
聡、「今から、行くか?」そう言うと、恵美が、「やだー、今からそんなもの食べたら太っちゃう」。
秋子が、「皆な晩ご飯、食べてないのでしょ?
あまりいい物じゃないけど、作るから食べて行って」。
三人は同時に、「いや..お構いなく!」。
この仲間達は、結局晩ご飯を呼ばれる事になったのである。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




