表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/88

第八章、始まり9

避雷針から..ファーストラブ オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1498311.html

そんな聡を、横で見つめていた香菜。東急東横線の、中目黒駅付近に差し掛かった時だった。


香菜は通り沿いのハンバーガー屋で、足を止めた。


急に止まったので、俯いていた聡は驚いて香菜の顔を見た。


すると、「ほなは、すはない?」(お腹空かない?)。


そう言って、笑顔で首をかしげた。


聡は微笑んで、「あ..あ、そうだな..。俺も昼から、なんにも食べてないや!」。


そう言うと香菜が笑顔で、「こうは、ほこふよ」(今日は、おごるよ)。


聡もそんな香菜を見て、俯き加減でやるせない表情が綻んだ。


香菜は、今度は逆に聡の手を引いて店内に入った。


空いている店内に入ると、香菜はカウンターに聡を連れて佇んだ。

 

そして..あの時の様に、直ぐ店員が、「ご注文をどうぞ」。


香菜がカウンターに置いて有った、メニューの品物の写真を、人差し指で追って指差した。


店員は、香菜が指をさした品物を言葉にした。


店員、「チーズ&フィッシュですね!単品でお一つ?」。


そう尋ねられると香菜は、聡の顔を見た。


聡は微笑みながら、「俺もチーズ&フィッシュでいいよ!」。


香菜は、店員の顔を見て店員が、「チーズ&フィッシュお二つで宜しいですか?」、


頷いて香菜はまた、メニューを指で追った。


店員がとっさに、香菜の指を見ていた。


それを確認した店員が、「お飲み物は召し上がりますか?」と、


尋ねられ、香菜は店員の顔をチラッと伺い、メニューを指で追う。


飲み物の枠で指が止まり、すっと、自分が飲みたい品物の所で、人差し指を置いた。


同時に店員は、メニューを見つめ、置かれた指の品物を口にする。


「アイスカフェオレですね、お一つ?」。


店員は香菜を見て尋ねると、香菜は頷いた。


香菜はまた、メニューのドリンク枠を指で追っていた。


店員もまた、とっさにメニューを見た。


そしてジンジャーエールの所で指を止めた。


店員はまた、指差した品物を口にする、「ジンジャーエールも、お一つ..?」。


香菜は頷いた。


すると香菜、「はっ」と、声を出した。


すると店員が、“へ”と言う表情で首を傾げ、香菜の顔を見た。


香菜は、メニューのポテトに指を置いた。


店員が、「サイズの方は?」。


すると横に居た聡が、微笑みながら香菜を見て、「Lでいいよ、ポテトは俺が払うよ」。


そう答えると、香菜は聡を見つめて首を振った。


店員がどちらを見ていいのか迷い、二人の顔を交互に見て、


「えーとLで宜しいですか?」と答えると、二人は同時に頷いた。


聡はそんな香菜を見ていたら、やるせない気持ちが晴れて行くのであった。


そしてこの二人は、店内の窓際に席を取っていた。


始めて会った時の様に..。


今日は香菜が弾んでいた。ハンバーガーを頬張り、嬉しそうに食べていた。


聡はそんな香菜を見つめながら、ハンバーガーを食べた。


聡は香菜を見つめながら、「へー..芸術校か~」。


香菜は食べながら頷いた。


聡は、「通っていそうな、感じするよね..」。


そう問いかけると、香菜は口をモグモグさせながら微笑んだ。


香菜はカフェオレをストローで飲んで、「はとひ君は?」(聡君は?)。


聡、「あー、俺は普通高さ、東京都立城南高校」。


香菜は、「ばんほ、いはへも、はってふの?」(バンド、今でもやっているの?)。


その問いかけに聡は、「いや..その事で、周りが..」。


その表情を見て香菜が、聞いてはいけない事だと察知して、「ごへんなはい」(ごめんなさい)。


聡は、「いや..いいんだ、気にすんなよ..」。ぎこちない面持ちで答えた。


聡が何気なく、「学校の展覧会って、どんな事するの?」。


香菜はその問いかけに、「あ..あーん」、一生懸命に声で説明しようとしていた。


聡は香菜にゼスチャー。自分の頭を指差した。


香菜は落ち着いて、静かに聡を見つめた。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ