【第3章】宇宙艦隊オッパリオン082話「帝国領の果てで」
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YOMです。
本日もやって参りましたオッパリオン!!
今回のオッパリオンは第3章の序章。
翔平を海賊が奪取してから幾ばくかの時が流れた。
海賊艦はニュートレースジャンプにてどこかの宙域へ逃げていった。
その頃、マーラ帝国の帝国領内では、不穏な動きが始まっていた。
第3章、次回から新キャラも出てきますのでお楽しみに!!
おっぱい分が増えるようにスケキヨ氏には頑張って貰います!!
【〇八二 帝国領の果てで】
「本当に間違いないんだな?」
「識別信号は出していませんが艦影が照合と一致しています。あの艦はトリアルダである可能性が極めて高いと思われます」
帝国国境警備艦隊は定期巡回の帰り道、広域探査で報告にない艦影を発見し、規定の航路を外れてまで調査に出向いていた。
その先で見つけたのは第二皇太子ヴァツルドが座乗する艦艇、トリアルダと護衛のデラーザ級艦四隻だった。
「殿下を見かけたら連絡するようにと本国から指令があったのが二時間前だったか。それにしても本当にあれはトリアルダなのか?」
警備艦隊旗艦の艦長ロッドネスは迷っていた。本国からの命令も突然のことでいまいち納得がいっていなかったのもある。
ロッドネスは堅物だと評されている。命令は絶対ではあるのだが一度疑問が浮かぶとそれが解決するまでは例外的行動も取る人物でもあった。
「通信は?」
「呼びかけてはいますが応答はありません。……しかし変ではあります」
「どこがだ?」
「トリアルダであるとすればもっと速度が出るはずです。しかしあの艦はかなり遅いんです。なにかを待っているようにも見えます」
「待っている……か。よし、艦をトリアルダの針路上へ回せ」
「いいのですか?」
「確認だ。殿下の乗るトリアルダであるならば何らかの通信はあるはず」
「不敬になりませんか?」
「これも任務の一環だ。殿下の艦船とは言え国境を出るのであれば一報するのが常というものだ。それになんらかの任務があるのであれば連絡もあろう」
「了解しました。リシルド、針路変更。トリアルダ前方へ」
国境警備艦隊と言っても配備された艦は一線を引いている旧型艦で、数も二隻となっている。ロッドネスの乗るリシルドと、もう一隻はケムルと言う。
「俺が通信を入れる。回線を開け」
「了解」
「こちらマーラ帝国国境警備艦隊、前方を航行する艦艇、所属と行き先を明かされたし」
しばらく待っても、ロッドネスの呼びかけに応じる気配はなかった。
しかしリシルドが追いつく頃になるとトリアルダと周囲のデラーザ級が加速をはじめた。
「追尾中の艦艇が加速します」
「あちらに本気を出されたら追いつけんな。しかし――殿下であるとすればなぜこちらに応じてくれないのか……」
ロッドネスの知るヴァツルドはそんな無粋な態度を取る人物ではなかった。末端に対しても節度を持って対する人物だと思っている。
「本国へ連絡しますか?」
「待て。まだトリアルダと断定したわけじゃない」
「しかし……このままでは行かれてしまいますよ?」
「通信で呼びかけを入れつつ、偵察の機動兵器部隊を出せ。近づいて確認すれば真偽もわかるはずだ」
「りょ、了解です」
ロッドネスの命令は速やかに艦載の機動兵器部隊へと告げられ、三機の機動兵器がリシルドから飛び立っていった。
「か、艦長!」
「どうした?」
「前方八〇〇〇にジャンプアウト反応! 規模からして三隻が出て来ます!」
「なんだと? 艦種は?」
「ジャンプアウト確認! 艦種不明! 識別信号もありません!」
「モニターに回せ」
最大望遠で映し出された艦艇はロッドネスの知る艦艇ではなかった。一隻は一部が破損しているようにも見える。
「呼びかけを続けろ。ここは帝国領だぞ」
「了解」
帝国領内に許可なくジャンプアウトしてくるのであれば、それは戦闘行為と見なされても仕方のないことだった。ロッドネスの常識から言えばよほどの命知らずでない限り、してくる行為とは思えなかった。
「トリアルダと思われる艦はどうなっている?」
「依然加速中です。機動兵器部隊が間もなく接触します――え!?」
「どうした?」
「正体不明艦より高速物体が射出されました」
「ミサイルか?」
「いえ、この軌道は……機動兵器!? それにしては大きい……通常の機動兵器の倍くらいあります」
「どういうことだ?」
「わかりません。データに合致するものはありません。こちらの部隊へ接近してきています」
「部隊へ警戒するように伝えろ。様子がおかしいぞ」
「前方の不明艦より通信! 電文です!」
「なんと言っている?」
「即時停止し規定の巡回航路に戻るよう伝えています」
「こちらの所属は理解しているということか? 所属は明らかにしていないのか?」
「不明です。不明艦の機関波長よりデラーザ級に類似性が確認されました」
「デラーザ級と類似だと? あの艦は帝国製だというのか?」
「そうなります」
ロッドネスは軽く混乱していた。トリアルダらしき艦影を見かけたこともそうだが、そのトリアルダを出迎えるように現れた正体不明の艦影。自分の知らないなにかが起こっているのか、あるいは不穏分子の偽装なのか。
「機動兵器部隊が正体不明機と接触! 一機が戦闘不能になりました!」
「仕掛けて来たのか!?」
警告もなしに仕掛けてくるのであれば、相手はどこの所属であれ無法者ということになる。
「二機目も行動不能! 隊長機が両機の救護に入りました!」
「不明艦より続けて入電! これ以上の追跡へ警告を発しています! 次は撃沈すると!」
こちらの機動兵器は行動不能にされただけで、撃破はされていない。相手がデラーザ級ということならば、こちらはもう射程に入っているはずだ。それなのにあちらからの砲撃はない。
無法者かもしれないが、ただの無法者ではないということになる。
「どういうことだ……」
戦力は比べるまでもなくあちらの方が優位だった。こちらの機動兵器が一瞬で無力化されてしまったことにも驚きを隠せない。
不明艦はトリアルダと同軸の航路を取り、帝国領の外へと向かう針路へ移った。
「追尾中の艦艇さらに加速! 振り切られます!」
その声にロッドネスは我に返った。
「つ、追尾はここまでにする。座標情報を本国へ送信。不審艦を発見したと伝えるんだ」
「トリアルダではないのですか?」
「確認はできなかった。詳細を聞かれたら答える」
「了解しました」
してやられる形とはなったものの、ロッドネスはあれはトリアルダであるという確信が密かにあった。もしそうであるとすれば、あのヴァツルド殿下なにか考えがあってのことなのだろうと。
ロッドネスはヴァツルドに関する噂を聞いたことがあった。ヴァツルドは現在帝国が進める移住計画に反対し、マーラ星の再生を計画していると。ロッドネスは表にこそ出したことはないが、そんなヴァツルドの考えに密かに賛同していた。誇り高く高貴なマーラ人は故郷を捨てることなどはせず、守り抜くのだという念がロッドネスにも少なからずあった。
だからか――ヴァツルド殿下なにかしていられるのだ、そう考えた。
帝国を裏切ることはできないが、なにか殿下に利することをした方がいい、そう考えたロッドネスは報告を遅らせることが精一杯だと考え、実行した。
願わくば殿下の思いが遂げられるように――そう祈りながら。
次回、第3章のメインヒロインのマーラ帝国メイドさんの登場です。
マーラ帝国側からヒロインが現れるとは思いませんでした。
次回もご期待ください!!
評価・コメント・感想など色々あればよろしくお願い致します。
スケキヨ氏とYOM皆様の反応を楽しみに捜索を続けて参ります。




