【第2章】宇宙艦隊オッパリオン066話「それは破滅の力だと言った」
宇宙艦隊オッパリオン本日も出航です!
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本日もオッパリオンの更新です。
今回のオッパリオンは決戦編!!
黒騎士と呼ばれる脅威「ドロアズ」とフレイア率いるフレイア隊が遂に激戦に突入する!?
果たして、勝つのはどちらか?
Zリーヌンスの力を扱えるようになった翔平も急ぎ戦地へと赴く。
戦いは徐々に過熱していく・・・見逃すな!!
【〇六六 それは破滅の力だと言った】
フレイアはシェアトスのレーダーで、海賊艦を出た五機の機動兵器を確認していた。
「一機データにない速いやつがいる。新型ね」
編隊から突出している新型と思われる機影を見て、フレイアはそれが黒騎士ではないかと思った。ラメルで損傷した艦は補給を受け、そこで新型を受領したのだろうと。
『新型がいるね。たぶん黒騎士だよね』
同じ事を考えたリアリィが通信を入れて来た。
「やっぱりそう思うよね。みんな警戒して。どんな性能かわからないけど、今まで以上に厄介なことだけは確かなはずだから」
突出した新型の進路はクァードを目がけているが、過去のデータから速度は控えめに感じられた。こちらの出方を探っているのか、または目的のものを見つけていないのか。どちらにしてもフレイアのやることは変わらない。
「黒騎士はあたしが押さえる」
『手伝うよ。ひとりじゃ不安だろう?』
「不安なんてないよ」
そうは返したが、リアリィ機がフレイア機に近づき、進路を同期する。
「フレイア機よりクァードへ。接敵まで三〇。交戦を開始する」
『クァード了解。健闘を祈ります』
モニターには急接近を仕掛けてくる新型機が捉えられた。データにある旧型機と比較するとわずかに小型化されているように見えた。
そろそろライフルの射程に入るか――そう思った時、向かってくる新型機が急加速をかけた。そして射撃を行ってくる。
「リアリィ」
『わかってるよ』
フレイア機とリアリィ機は左右に分かれてライフルの射線から逃れる。このまま左右から挟み込む軌道を取ると、新型機はフレイア機の方へ向かう動きを見せた。
『フレイアの方に食いついたよ!』
「望むところじゃない」
『すごい動きだ』
リアリィが驚くほどの軌道を見せ、新型機はフレイア機に向かって行った。
いくつかの光芒がフレイア機めがけて流れるが、当たるフレイアではなかった。
「そんな攻撃で――」
接近速度は落ち着いたもののこちらへ向かって来ることに変わりはない。射撃はあくまでも牽制で本命は接近戦だとフレイアにもわかっていた。
こちらに注意が向いているのならそれはリアリィにとって好都合になると思い、フレイアは応戦はしなかった。黒騎士と思われる新型機はそんなフレイア機の進路に割り込むように接近を仕掛ける。その挙動はフレイアが想像していたよりも細かく、鋭かった。
「こいつっ!?」
黒騎士は想定していた距離の外から加速をかけ、長剣を振りかぶってきた。想定範囲外からの攻撃ではあったが、フレイアは反応することができた。シェアトスに急ブレーキをかけ、斬り込みの間合いを狂わせる。
そこで急発進をかけ斬撃を回避しようとしたのだが、黒騎士の反応も早かった。すぐに軌道を変え、間合いを詰めてくる。フレイアも長剣を構え迫る剣先を剣で弾く。
「くっ」
操縦桿にショックが返るくらいに黒騎士の一撃は重かった。接触の瞬間、関節が弛緩してショックを和らげてくれたものの、片手で受けるには危険な攻撃力だとフレイアは感じた。
だがこの攻防の一瞬、黒騎士は動きを止めていた。そこをリアリィは見逃さずに接近を仕掛け、黒騎士の背後からふたつの剣で斬りかかる。
『この距離なら!』
リアリィ機の瞬発力は高く、黒騎士の機体を捉えたかのように見えた――が、黒騎士の機体は想定外の瞬発性を発揮してリアリィ機の剣撃をかわす。
『うそっ!?』
その挙動にリアリィは思わず驚きの声を上げた。
「リアリィ! 上!」
急加速をかけた黒騎士は即座に反転し、リアリィ機の真上から長剣を振りかざしてきた。
『なんて速さっ!?』
リアリィ機の回避は間に合わず、剣で攻撃を受け止めるに至った。
軽量化されているリアリィ機は押し込まれると弱く、押し負けてしまう。かと言って下手に距離を取れば射撃を受けることになる。
なのでフレイア機が即座にカバーに入り、黒騎士へと斬りかかる。リアリィもそれを知っていて押し負けつつも機体を維持していた。
「新型だからって調子に乗るなっ!」
しかしフレイア機の一撃は空を斬るにとどまる。黒騎士の機体はフレイア機の攻撃を完全に予測しており、それを承知でリアリィ機を押し込んでいたのだった。それは自らの膂力を誇示しているかのように思えた。
この攻防を受けて黒騎士は一度二機と距離を開けた。そして射撃へと切り替える。フレイア機とリアリィ機は射撃をかわしつつ再び二手に分かれた。
『同じ手は何度も通じないんじゃない?』
リアリィが言う。
「勢いだけでどうこうなる相手じゃないからね。何度か仕掛ける中で相手のミスを狙うしかないかな」
『根比べは好きじゃないんだけどさ』
「やるしかないっしょ」
『それもそうだね』
距離を開けようとする黒騎士に、今度はフレイア機が接近を試みる。――とその時、レーダーに友軍機の表示が出現した。それはゼータリオンだった。
フレイアは特に注意することはなく黒騎士の機体へと接近をしていたが、黒騎士がゼータリオンに反応を示した。待っていたとばかりに、ゼータリオン目がけて急加速をかける。
「リアリィ! こいつの進路を!」
『わかってるよ!』
黒騎士の進路にリアリィ機が割って入るが、黒騎士は急軌道でそれをすり抜けていく。
「ショウヘイ、厄介なのがそっちに行く! 気を付けて!」
『わかった。フレイア、リアリィ、Zリーヌンスの力をそっちへ――』
翔平のその言葉の直後、シェアトスの出力ゲージが上昇する。
『フレイア、これなら追いつける!』
「リアリィ、無理はダメ!」
急加速をかけるリアリィ機を追うようにフレイアも加速をかけた。ふたりは黒騎士を追いかける。
◇ ◇ ◇
ゼータリオンのコクピットには敵機の接近を知らせるアラートが鳴り響いた。
敵機体のデータは表示されず、詳細不明と出ている。
「これ、新型か!?」
『黒騎士の機体だから!』
フレイアの声が届くころ、敵の新型機も目の前に迫っていた。
直線的に接近してくる黒騎士の機体へ照準を合わせ、ライフルを放つ。だが黒騎士は回避しつつこちらへの距離を詰めてくる。
翔平は咄嗟に大剣を取り出す。
それと同時、正面から凄まじい速度で接近してきた黒騎士が斬撃を放ってくるが、ゼータリオンは大剣を盾のように扱い、その一撃を防いだ。
黒騎士はすぐに剣を退き、二撃目を繰り出してくる。それは胸部を狙う鋭い突きだったが、翔平は体が勝手に動いたように反応してその一撃を弾くことができた。
攻撃を弾かれた黒騎士は体勢を崩したように見えたが、ゼータリオンの大剣を蹴りつけて距離をあける。
「なんてやつだ……!」
その運動性に翔平は驚愕した。まるで隙がなく、行動に一切の無駄がない。
『ショウヘイ、止まらないで!』
フレイアの声に翔平は慌てて機体を上昇させた。
その間、ゼータリオンと離れた黒騎士にはリアリィ機が仕掛けている。
すると、コクピットにノイズに混じった声が聞こえた。
『Zリーヌンスを持つ者……聞こえるか』
『黒騎士の声!?』
フレイアが即座に反応をしたところから察するに、その声の主は黒騎士であり、フレイアたちにも聞こえているということだった。
その黒騎士はリアリィ機の猛攻を剣で防いでいた。
『無駄話してる余裕なんてあるの!?』
『双剣のパイロットか、おまえには用はない、用があるのはZリーヌンスだけだ!』
黒騎士はリアリィ機から逃れるように距離を取る。
『聞こえているのなら返事をしろ!』
「俺に何の用だ!」
翔平が返事をすると黒騎士は迫るリアリィ機に向けて射撃を行い、さらに別方向から迫るフレイア機と距離を取る。
『貴様はなぜZリーヌンスを使う? その力の持つ危うさを知らないようだな』
「危うさ?」
『そうだ。その力は星を、いや、宇宙を滅びへと導く力だ。それもわからずに使い続けることは危険なのだ!』
「滅びへ導く……? そんなことはない!」
黒騎士は再びゼータリオンを正面に捉え、接近を仕掛けてくる。しかしその進路にはフレイア機が割って入り、黒騎士は接近を阻まれる。
「この力は星を救う力だ! 滅びの力なんかじゃない!」
『それは使う側の詭弁だな。現にその力はこうして戦いに使われている。オッパリオン星海戦でもその力は破壊に使われた。そんな力を野放しにしておくことができるか!』
「それは帝国が攻めて来るからだ!」
黒騎士はフレイア機を突破し、再びゼータリオンへと斬りかかってくる。
『危険な力を放置し、銀河に平穏が訪れるはずはなかろう! メルクコアの力とて使い方を誤れば危険なものだ!』
『母乳力を勝手に使っているあんたたちが言う言葉!?』
思わずフレイアが叫んだ。
ゼータリオンの大剣が黒騎士の剣を受け止める。その一撃は重く、大剣が押し戻されるほどだった。
『野蛮で愚かな者たちが力を持つのは危険なのだ。すべての力と資源は帝国に管理されるべきものだ。それがわからぬというのならば排除するしかあるまい!』
「そんなことあるか!」
『帝国の勝手な言い分でしょ!』
フレイアと翔平の声は重なった。
『それが正義というものだ! Zリーヌンスは排除する!』
「それは一方的すぎる見方だ!」
黒騎士の剣を弾くと、フレイア機が横から黒騎士目がけて突きを繰り出した。その鋭い攻撃に黒騎士の回避は間に合わず、剣で弾くに至る。そしてその隙を狙い、リアリィ機が攻撃を仕掛ける。二振りの剣を使い、黒騎士の退路を塞ぐ形での剣撃だった。
『もらった!』
リアリィの意気込みが聞こえた瞬間、翔平にも黒騎士はここで仕留められたかのように思えた――だが。
『甘いな!』
『なんだって!?』
黒騎士は自らのライフルを盾に、リアリィの剣を防ぎ、そこを起点に機体を回転させもう一方の剣を回避する。リアリィの剣を受けたライフルは真っ二つになったが、黒騎士の機体はこの窮地を脱することに成功していた。
『武器を捨てた!?』
リアリィが連続して驚きの声を上げた。
黒騎士はその隙にこちらとの距離を開ける。
『ふんっ、貴様たち程度などこのデネグロマーラと、剣ひとつがあれば十分!』
黒騎士は宣言するように言い放った。
それは虚勢や誇張ではなく、確かな自信と実力に裏付けられた言葉であり、翔平は一瞬恐怖のようなものを感じた。
この人物は相当に危険だ――と。
『それならやってもらおうじゃないの!』
フレイアはその発言に臆することも遠慮することもなく射撃を連続して行う。黒騎士は巧みな回避に入りつつもこちらへと接近してくる。
『こいつの狙いはショウヘイなんだから、それを逆手に取ってしかけるよ! ショウヘイはとにかく気を付けて!』
「わかってる!」
『ここで落とす!』
『こちらもここでZリーヌンスを排除する! 逃げ場はないぞ!』
黒騎士の気迫を感じつつも、翔平はゼータリオンの操縦桿に力を込める。
今日が決戦になる――そんな予感が強くしていた。
戦闘は激化していく!!
クァード組、フレイア隊、そして翔平の操るゼータリオンは黒騎士「ドロアズ」を倒すことができるのか!?
惑星ベールヌ宙域での戦いは続く!!
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スケキヨ氏と私YOMが楽しみに待ってます。
次回でもお会いしましょう!!




