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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第2章】「Zリーヌンス篇」
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【第2章】宇宙艦隊オッパリオン061話「スタティアの動向」

宇宙艦隊オッパリオン第61話出航!!

どうも、いつも応援頂きましてありがとうございます。

YOMです。

本日も宇宙艦隊オッパリオンの更新がやって参りました。


今回は久々にスタティアの登場です。

僚機であるアスタリアと共に海賊の追撃を逃れていたスタティアとアスタリア。

そんなアーリア提督率いる艦隊が強大なZリーヌンス反応を察知する。

スタティアとアスタリアの下した決断とは一体?

宇宙を巡るZリーヌンスと母乳力の物語は新たなる展開を見せる!!

【〇六一 スタティアの動向】


 太陽系銀河とオッパリオン宙域の中間あたりにある、どこの支配下でもない中立宙域。その宙域にある小惑星帯に、スタティアと僚艦のアスタリアは息を潜めていた。

 スタティアを発見しようと海賊部隊が何度なく偵察を行っているが、スタティアとアスタリアは発見されることなく、潜伏を続けていた。

 その理由のひとつとして、この小惑星帯が広大だということがあった。修理と潜伏のためには最適な場所で、アーリアはここで敵を引きつけておく判断をしたのだった。

 だが発見されるリスクは常にあり、スタティアもアスタリアも警戒を緩めることはできない状況が続いてる。

 そんな中、機動兵器の確認をしていたアーリアは突然艦橋に呼び出されていた。


「発見されたの?」


 艦橋に入るなり、アーリアはそう口にした。しかし艦長のミストレアは首を振った。


「いえ、発見はされていません。遙か遠方で強いZリーヌンス反応を感知しました。ここからでも感知できるほどに、これまでになく強力だと推測されたので報告しました」

「なにかあったのかしら?」


 アーリアは提督席につく。

 クァードからの連絡は予言を頼りに行動するという連絡以降、場所を秘匿するために通信封鎖を行っており連絡は取れない状況だった。また、通信の傍受も警戒して行き先もこちらには告げられていなかった。


「場所はどこかわかるかしら?」

「反応のあった方角をモニターに出します」


 センサー士の言葉で海図が中央モニターに表示される。

 そこは現在スタティアがいる宙域からは遙か離れた宙域だった。


「ロマニール銀河団……随分と僻地ね」

「そのようです。ロマニール銀河団はどこの通商路にもなっていないようです。さながら、忘れ去られた宙域と言ったところですね」


 そこになぜ? という含みを持たせるように、ミストレアはモニターを見ながら言った。


「クァードからの連絡は?」

「ありません。依然として通信封鎖を行っている模様です」


 通信士がすぐにそう応じるところを見るに、事前にもなにも連絡は入っていないということだ。


「なにをしているんでしょう?」


 ミストレアが問う。


「Zリーヌンスが発動しているということは戦闘か……あるいは他の要因か、というところね。でもクァードも行動を隠匿しているわけだから、戦闘になっていれば連絡も来るはず。そうでないところを見ると、戦闘以外のなにかが起こっているということね」


 アーリアはそう推察した。

 ミストレアは頷く。


「なるほど。予言の先でなにかがあり、Zリーヌンスが発動した、ということですね」

「そう思うわ。感知はどのくらい前なのかわかるかしら?」

「距離があるためリアルタイムではありません。詳しくはわかりませんが数十時間以上は経っていると考えた方が良いかと思います」

「わかったわ、ありがとう」


 スタティアに搭載されているZリーヌンス探知機の精度はそこまで高いものではない。だがそれでも感知できたということは相当に強い力が発せられているという裏付けでもあった。


「こ、これは……!? か、艦長! 提督! 南東方向距離五〇〇〇〇のあたりに重力振反応を捉えました!」

「遠いわね。艦のセンサー圏内ギリギリね。敵艦が来たのかしら?」


 ミストレアが素早く反応する。艦橋には緊張が走った。


「この振動パターンは……ニュートレースジャンプです。巨大質量複数がニュートレースジャンプに入ったと見られます」


 センサー士のその言葉に、アーリアとミストレアは顔を見合わせた。


「ニュートレースジャンプに入ったの? 出て来たのではなくて?」


 ミストレアがそう問うと、センサー士は振り向いて答える。


「はい。間違いありません。戦艦級の質量が複数ジャンプに入っている反応パターンです。予備動作の加速も反応に残っています」

「……この艦の追っ手が撤退した、ということでしょうか?」


 前髪から覗く片方の目を、ミストレアはアーリアに向ける。アーリアは確信を得たように頷いた。


「たぶんそうね。このZリーヌンス反応は敵も感知しているはず。だとすると敵側の方がなにかに気付いた可能性があるわ。アスタリアもこの反応は捉えているわね。連絡して哨戒機を該当宙域へ。残存戦力の確認を急がせて」

「了解。アスタリアへ短距離通信を入れます」


 アスタリアはスタティアから少し離れた場所に潜伏しているが、そこへの連絡は傍受されにくい短距離通信が使えた。

 まだ敵の戦力が残っている可能性があるため、隠密行動は解除できない。


「アスタリアから返信。哨戒部隊を出すとのことです」

「了解。本艦並びアスタリアは第一警戒態勢へ移行、機動兵器各隊は発進準備で待機」


 アーリアの指示に艦橋は一気に緊張感が高まった。


「海賊はなにを掴んでいるのでしょう?」

「わからないわね。もしかしたら合流するつもりなのかも知れないわ。しびれを切らしてね」

「――そうだとしたら……センサー、敵のジャンプした方向はわかるかしら?」

「重力振の振れ幅から察すると……ロマニール銀河団方向と思われますが、精度は高くありません」

「それだけで十分です。提督、どうやらロマニール銀河団方向でなにかあるようですね」

「そう見た方が妥当ね」


 アーリアがそう言って頷いた時、今まで静かだったシアが不意に立ち上がった。


「シア? どうしたの?」


 寡黙な予言者は真っ直ぐ先を指さすように手を上げる。


「クァードに危険が迫る。こちらも急いだ方がいいかもしれない」


 シアは静かに、しかしはっきりとそう告げた。


「なにを感じたの?」


 アーリアが問うと、シアは目を閉じる。


「はっきりとは見えない。でもクァード周辺に敵の気配が集まりつつある。クァードは逃げ場のない場所で敵に囲まれる形になる」

「場所はわかる?」

「場所は……反応のあった銀河団の、忘れられた惑星。航路のない惑星を探して」


 シアはそう言うと、再び椅子に深く腰を下ろした。


「航路のない惑星? 航海長、ロマニール銀河団の海図を検索して航路のない惑星を見つけて」

「取りかかります。ロマニール銀河団だけでも二五〇〇の既知惑星があるので少し時間はかかるかもしれません」

「なるべく急いで」


 ミストレアはめずらしく急いでいるそぶりを見せた。


「偵察に出たアスタリアの部隊から報告です。レーダー索敵の上では敵艦影は発見できずとのこと。もう少し接近してみると言っていますが、アスタリアから指示を待つとのことです」

「十分よ。敵の動きはわかったわ。偵察部隊は後退させて。航海長、まだ見つからない?」


 アーリアが言う。


「三つに絞れました。いずれも辺境惑星です。重力振の残滓にもっとも近いとされる惑星はここです」


 中央モニターには海図が表示され、ひとつの灰褐色の惑星がクローズアップされた。


「ここは?」

「惑星ベールヌです。航路もなくどこの支配下からも外れている星です。周辺宙域は静かなのですが、こちらから向かう途中に危険宙域があるため近くまではジャンプできません」

「シア、なにか感じる?」


 アーリアがシアに問うと、シアは静かに目を開く。


「わからない……けどこの場所からなにかを感じる。なにかがここにいるはず」


 シアの意見はおぼろげではあったが、アーリアに取ってはひとつの判断材料となった。


「どうしますか提督?」

「どちらにせよロマニール銀河団へ向かいましょう。隠密行動は解除よ。アスタリアにも行き先を伝えて。とりあえずの目標はその惑星、ベールヌにします」

「了解です。全艦へ通達、隠密行動解除、ニュートレースジャンプ用意、目標はロマニール銀河団惑星ベールヌ」


 モニターに表示されていた周辺宙域の海図に、消していたアスタリアの反応が現れた。アーリアの指示を受け、アスタリアも迅速な行動を取っている。


「銀河団まではジャンプ一回で行けるのかしら?」


 アーリアの問いに、航海長は首を振った。


「かなり遠方です。一回のジャンプでは不可能です。最低でも二回は必要になる計算です」

「わかったわ。航路をアスタリアにも送信しておいて」

「はい、すでに共有しています」

「ありがとう」


 航海長にお礼を言うと、アーリアは立ち上がった。


「このまま行けば海賊部隊の後ろを取ることになるわね。だとしたら攻撃のチャンスでもあるわ。もしクァードが交戦状態になっていたとしても、正面にクァードを置いてわたしたちが背後から突く挟撃にできる。海賊たちが焦って動いて隙を見せた、ここを活用させてもらいましょう」


 アーリアの判断にミストレアは頷いた。


「思いのほか早く決戦が来ましたね」

「ええ。クァードも優秀な艦よ。少しくらいなら多勢相手でもやってくれるはず。でもこちらも早く動かないと危険ね」


 相手が先手を取って動いてしまったので、遅れは否めない。しばらくの差ではあると思いたいが、クァードは敵の全戦力と対峙することになってしまう。

 アーリアは内心の焦りを押さえつつ、冷静な判断をしていかねばならなかった。


「ジャンプ可能宙域までの移動を開始。最大艦速」

「スタティア、最大艦速にて移動開始」


 長らく穏やかな運転だった母乳機関が出力を上げて運転を開始する。スタティアとアスタリアは自身を隠していた小惑星帯から出て、ロマニール銀河団、惑星ベールヌへと向かい行動を開始したのだった。


惑星ベールヌでの決戦に向けて物語は動き始める。

翔平達はこの局面を打破できるのか?

惑星ベールヌ編まだまだ続きます!!


宜しければ、感想やコメントなど頂けますと大変励みになります。

スケキヨ氏と共に楽しく拝見させて頂いておりますので、本作を気に入って頂けた方、是非ともよろしくお願い致します。

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