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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第2章】「Zリーヌンス篇」
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【第2章】宇宙艦隊オッパリオン048話「黒騎士とグアデリア攻防戦(前編)」

いつも宇宙艦隊オッパリオンを読んで頂き誠にありがとうございます。

YOMです。


本日、宇宙艦隊オッパリオン第48話前編の更新がやって参りました。

前回のオッパリオンは。

マシ長から予言を受けた翔平と奈菜とフレイアとリアリィは、海賊からの強襲を受けつつもなんとか惑星ラメルの中央タワーからの脱出に成功した。

そして、迎えに来たレマスとリクサーヌの機動兵器によって、母艦クァードへと帰還する。

帰還したのもつかの間、フレイアとリアリィはすぐに海賊部隊との交戦の為にクァードを後にする。

そして、ラメル市街地での機動兵器戦が始まるのだった。

そんな中、マシ長から助言を受けた翔平は、ゼータリオンの出撃をアリメルに許可して欲しいと話し始める。

【〇四八 黒騎士とグアデリア攻防戦(前編)】


「フレイア機、黒騎士と接敵、交戦に入ります。後続のリアリィ機も参戦する模様」


 翔平が艦橋に入ると、ちょうどその報告が聞こえた。


「おかえりなさいショウヘイさん。大変な目に遭いましたね」


 入って来た翔平を見てアリメルはそう労った。


「いえ、おかげで助かりました。海賊艦たちは出てきてるんですか?」

「はい。都市部を盾にしてこちらへ接近して来てますが都市部から離れてしまえば着いて来ざるを得ないですからね。本格的な反撃はそれからです」

「海賊艦からの砲撃来ます!」

「回避運動しつつ都市部からの離脱を急いでください」


 海賊艦からの砲撃はクァードからだいぶ離れた場所を過ぎていく。まだ距離が遠く、大気中ということもあり俊敏な機動が取れないために砲撃の精度は上がらないでいた。


「リアリィ機、黒騎士と接敵します」


 艦橋中央のモニターを見ると、敵機動兵器の数が無数に向かってきていた。

 こちらの機動兵器も出てはいるが、フレイアとリアリィのふたりは黒騎士についてしまうため、やや後手に回ってしまっているように思われた。


「アリメル艦長、俺もゼータリオンで出ます。行かせてください」


 翔平の突然の申出に、アリメルは驚いた表情になった。


「あなたが狙われているのですよ? なのにそのあなたを危険な戦場に出すわけにはいきません」

「でも、自分が出ればフレイアたちにZリーヌンスを届けられます。艦にだっていい影響が出るみたいですし、自分の力を効果的に使いたいんです。マシ長からも力を正しい方向に使えって言われました」

「でも――」

「艦長、わたしとしてもZリーヌンスの有用性の観点からゼータリオンを出撃させることを進言させてもらうよ。ゼータリオンの機動性があればそうそうやられることはないだろうからね」

「お願いします、アリメル艦長」


 翔平は覚悟を決めてまっすぐにアリメルを見た。アリメルの表情には迷いがはっきりと見られたが、それを断ち切るように目を閉じる。


「クァード、都市部より離脱。砂漠上空に出ます」


 その報告を聞いた時、アリメルが目を開いた。


「――わかりました。ゼータリオンの出撃を認めましょう」

「ありがとうございます、アリメル艦長! 行ってきます!」

「無茶なことはしないと約束してください。そして、Zリーヌンスを過信することもいけません」

「わかりました、約束します。迷惑になるようなことはしません」


 翔平が艦橋を出ると、その後に奈菜とミィアルーンも続いた。


「よかったのですか、艦長?」


 翔平が去った後、スオリーが聞く。


「危険は危険ですが――マシ長と会ったことでなにかが変わったような気がしました。我々もZリーヌンスを過信することは危険ですが、有効的に使う方法も模索していかねばなりません。それを考えると、ショウヘイさんの意志というのはZリーヌンスの意志でもあるのかと思い、託しました。艦長としては不安要素の多い判断ですね」

「いえ。時には直感に頼るのも大事だと思います」

「ありがとうスオリー。――機動兵器全部隊にゼータリオンが出撃することを伝えてください」

「了解しました。機動兵器各機へ通達、ゼータリオンが出撃します――」



 ◇ ◇ ◇



「あんたはここでストップよ!」


 フレイアが黒騎士に仕掛ける。加速をかけて長剣を斬りつけると、黒騎士は回避しきれないと判断して剣を構えて受け止めた。

 接触の衝撃が両機に走る。

 すると黒騎士はすぐにフレイア機から離れ、眼下の都市部に構うことなくライフルを連射してくる。


「容赦なしね!」


 ライフルからのビームを避けつつ、フレイアは黒騎士の上空を取る。そして急降下を仕掛けて再度斬りかかる。

 しかしその動きは読まれていたらしく、黒騎士にあっさりと交わされてしまった。


「上を取られる!?」


 急上昇をかけるも機動性は黒騎士の機体の方があり、黒騎士に上を取られてしまう。再度射撃を受けるかと思った時、黒騎士の真横からもう一機の機動兵器が突進を仕掛けた。


「リアリィ!」


 攻撃を仕掛けたのはリアリィ機だった。十分に速度の乗った攻撃に、黒騎士は不意を突かれるような形を取ったが、リアリィの一撃は黒騎士の剣によって防がれた。


『やれると思ったのに!』

「脅威的な反応速度じゃないの! リアリィ、もう一回仕掛けるわよ!」

『もう不意打ちは効かないから正攻法ね!』

「そういうことよ!」


 フレイアとリアリィは同時に黒騎士から離れ、挟撃の体制を取り接近を仕掛ける。

 二機同時の攻撃に対し、黒騎士は急降下をして市街地すれすれまで降りた。


『こいつ! 街を盾にしてる!』

「さすがは海賊ね! やることが汚い!」


 接近するリアリィ機はライフルの射撃を受けて回避のために上昇をかける。そこを突くようにフレイア機が接近するも、黒騎士は切り結ぶことをせずに上昇してフレイア機を回避した。

 そしてフレイア機の横を取るとフレイア機へと斬りかかる。


『フレイア!』

「見えてる!」


 その一撃を受け止め、フレイアは黒騎士を押さえ込むようにつばぜり合いへと持ち込んだ。

 フレイアは黒騎士の下をとっていたため、ここで距離を空けるとフレイア機から撃たれることになることを黒騎士はわかっていた。


『リアリィ今!』

「わかってる!」


 動きを塞いだ一瞬を突き、黒騎士の背後からリアリィ機が一気に距離を詰めた。

 この間合いならやれる――フレイアもリアリィもそう確信したのだったが、黒騎士はライフルをリアリィ機へと向け、発砲する。


『後ろが見えてるの!?』


 リアリィ機は予想外の反撃に進路を変えて回避に移った。


「なら正面がお留守!」


 一度剣を引き、フレイアはコクピットのある胸部を狙って突きを繰り出したが、黒騎士の剣がその突きを払う。

 そしてそのまま黒騎士は加速をかけ、フレイア機に肩からぶつかる。


「くっ!?」

『フレイアっ!』


 至近距離からの加速であったが振動は思いのほか大きく、機体の高度が下がる。

 フレイアもリアリィも、黒騎士の手強さを改めて実感する。二機が取り付いていても冷静を失うことはなく、的確な攻防を繰り返している。ふたりにとっては今まで戦ってきたどの相手よりも強く感じられた。

 一度高度を下げたフレイア機が体勢を立て直すと同時、モニターに新たな友軍機を示すマーカーが表示される。


「ゼータリオン? ショウヘイが出るの?」


 フレイアが思わずそう口にした直後、黒騎士は急加速をかけゼータリオンの方向へと向かっていった。


「まずい! リアリィ! ゼータリオンを守るよ!」

『反応早いわね!』

『機動兵器各機へ通達、ゼータリオンが出撃します――』


 それはクァードからの通信だった。


「このタイミングじゃなくてもよかったじゃない! 黒騎士が出てるってのに!」


 黒騎士はZリーヌンスを狙っているので、ゼータリオンが出れば標的にされることは明らかだった。

 フレイアとリアリィも急加速をかけて黒騎士を追う。


「ショウヘイ聞こえる!? そいつは普通のとは違うよ! やり合おうなんて思わないで!」



 ◇ ◇ ◇



 ゼータリオンのモニターの奥から猛烈な速度で接近する敵機がある。


「こいつが黒騎士ってやつか」

『ショウヘイ聞こえる!? そいつは普通のとは違うよ! やり合おうなんて思わないで!』


 フレイアの声がゼータリオンのコクピットに響いた。


「注意をこっちに引けば隙だってできるはず! 自分を守るくらいなら大丈夫だ! ゼータリオンのパワーだって上がってる!」

『逃げ回って!』


 フレイアの言葉と同時、黒騎士が眼前に迫る。それはフレイアの言葉通り、普通とは違う加速性だった。

 装備していた大剣を盾のように構えると、黒騎士はそれを蹴りつけた。

 それと同時、聞き慣れない声が通信に入る。


『その機体、Zリーヌンスの機体と見受ける』

「この声……黒騎士か!?」

『ほぅ、私はそちらではそう呼ばれているのか。騎士ではなく海賊なのだがな。まあいいことだ』

『黒騎士の通信!? なに考えてるの!?』


 黒騎士の声はフレイアたちにも聞こえているらしかった。


『聞くがいい、Zリーヌンスとメルクコアよ。貴様たちの使おうとしている力は銀河に滅びをもたらす破滅の力だ』

「破滅の力……?」

『帝国がなにを言うのよ!』


 黒騎士の背後からフレイア機が斬りかかると、黒騎士は振り返り刃を受ける。


『貴様ら野蛮人には過ぎた力なのだ。その力が銀河を滅ぼす前に、私が貴様らを討つ!』

『勝手な言い分よ!』


 フレイア機が再度斬りかかると、接近していたリアリィ機が合わせて斬りかかる。翔平から見てそれは巧みな連携攻撃だった。

 だが黒騎士はその攻撃を難なくさばいていく。


『貴様たちの連携も見慣れてきた。手練れのようだがそこまでだな。だが今は貴様らの相手をしている時ではないのだ』


 上空で急旋回した黒騎士は再びゼータリオンを目がけて加速をかける。


『ショウヘイ回避!』

「Zリーヌンスが滅びの力なわけがあるか!」


 突進してくる黒騎士を正面に捉え、大剣を構える。

 マシ長の言葉を信じるなら、Zリーヌンスは宇宙を救う力のはず――翔平がそう強く思うと機体が反応し、ゼータリオンのパワーゲージが上昇を見せた。


『素人のような動きを見せる!』


 黒騎士は接触の直前で剣筋を変え、ゼータリオンに襲いかかる。だが翔平にはその動作が一瞬だけ見えたような気がして、反応することができた。


『防いだだと!?』

「この力をおまえたちに渡すものか!」

『くっ!?』


 パワーで勝るゼータリオンは黒騎士の機体を弾く。


「フレイア! リアリィ! Zリーヌンスを使ってくれ!」

『できるの!?』

「やってみる!」


 明確なやり方を知っているわけではなかったが、力を渡すということができるような気がしていた。そしてそれは翔平の思った通りに働き、フレイア機とリアリィ機の母乳機関は出力を向上させた。


『フレイア! これなら!』

『仕掛けるよリアリィ!』

『滅びの力を使うか!』


 パワーと速度の向上したフレイア機とリアリィ機が黒騎士に仕掛ける。

 黒騎士は直接刃を交えることを避けて回避しようとしたが間に合わず、フレイアの攻撃を受け止めることとなった。


『よくわからない力を使う……! ギドルっ! こちらの援護へ回れ!』

『仲間だって手一杯なんじゃないの!?』


 フレイアはそう言って攻撃を続ける。フレイアの言葉通り、シュレン機が海賊艦へと迫っているため、他の機動兵器は防衛に当たらざるを得ない状況だった。


『ギドル! 防衛に回るな! 今はZリーヌンスを墜とす時だ!』

『正気!? 帰る艦がなくなるわよ!』

『そうそう墜とされるものか!』


 パワーの向上したフレイア機とリアリィ機を前に、黒騎士は防戦気味になりながらも持ちこたえていた。ここで決着を付けようという気は両者に強くあるらしく、どちらも引かない攻防を見せている。


海賊艦グアデリアとドロアズの操る黒騎士は、並の戦闘力ではない!!

劣勢ではないが攻めきれずにいるフレイアとリアリィ、そして前線に久々に出る翔平操るゼータリオン。

黒騎士との戦いの行方は、どうなるのか!?

次回更新は48話後編の予定。

お楽しみに!!

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