宇宙艦隊オッパリオン019話(前編)「大型機動兵器バルフォングス」
今回は19話の前編。
皇女アティを奪われたオッパリオン人は、彼女を救う為に攻勢に出る!!
スタティアは、以前追われていた宇宙海賊を、今度は追う形になる。
果たして、オッパリオン人は皇女を取り戻すことができるのか。
海賊船では不穏な動きがみられ、この戦い一筋縄ではいかなそうな予感!!
となっております。
どうぞ引き続き宇宙艦隊オッパリオンを宜しくお願い致します。
【〇一九 大型機動兵器バルフォングス】
オッパリオン星の重力圏を離れたスタティアは単艦、皇女を乗せた海賊艦を追撃していた。
「目標との距離七〇〇〇に接近。目標以外の敵艦を四隻捕捉しており、合流まであと一〇分ほどと思われます」
「わかったわ。本艦は進路このまま。提督たち機動兵器部隊には出撃用意を伝えて」
「了解しました」
「本当に足が遅いですね。機関の不調なのか、それともこちらを待っているのか……」
副艦長のエテレスがそう告げるが、それはミストレアも考えているところだった。
「本当の狙いはZリーヌンスかもしれないわね」
「あの海賊艦たちは当初Zリーヌンスを狙っていましたからね」
「でも――どうして海賊なのかしらね。軍を動かしているのなら正規軍がZリーヌンスを狙ってもおかしくないはずなのに」
「それは……たしかにそうですね」
「それにマーラ帝国がオッパリオンの伝承を知っていることも、Zリーヌンスの場所を知っていることも気になるわ。今回の王宮襲撃の件もそうだけど、どこかで情報が漏れていることは確実ね」
「オッパリオンにも戦争反対派はいますからね。わたしは帝国の支配下に入ることは望みませんが……」
「帝国はわたしたちオッパリオン人をエネルギー源としてしか見ていないわ。そんなところの支配を受けたらわたしたちはどうなるか――」
「そうですよね」
「目標との距離五〇〇〇に接近。間もなく主砲の射程距離に入ります」
「わかったわ。対艦戦闘用意。相手の艦には皇女がいます、迂闊に手出しはできませんが、足止めの牽制射撃は行います。主砲用意」
「了解、主砲用意」
「機関稼働率七〇%で安定。微弱ではありますがZリーヌンス波動も検知しています。ゼータリオンは起動中です」
すでにZリーヌンスの恩恵は受けているものの、この力はまだ真の効果を発揮していないと、予言者も言っていた。一体どのような効果があるのか、ミストレアも予測しかねている。――が、そればかりに頼ってもいけないと自戒する。
『アーリアより艦橋。機動兵器は全機海賊艦に向かうわ。わたしが取り付いて皇女を取り返すまで、スタティアはなんとか持ちこたえて。わたしが取り付けない場合はスタティアを接舷させて突入部隊を送ります』
「ミストレア了解しました。こちらも皇女奪還に全力を尽くします。艦の足止めくらいできるよう援護はしますので」
『ありがとうミストレア』
「提督もどうか無理だけはなさらずに」
『ええ。でも少しくらいは無理もしないといけない時はあるわ。今とかね』
「……まったく」
モニターに苦笑を返すと、アーリアからの通信は途切れた。
間もなく双方主砲の射程距離に入る。敵艦からの応戦もあるだろう。
今回も楽な戦いにはならないだろうと、ミストレアは覚悟を決めた。
◇ ◇ ◇
「輪っか付き、本艦の追跡を継続。距離六〇〇〇に接近」
「よーし、対艦戦闘用意だ。主砲開け、射程に入り次第撃って行くぞ」
アルガノスは中央モニターを見ながら指示を飛ばす。
「Zリーヌンス反応は?」
「艦内に微弱な反応を検知中です。王宮上空で確認されたものと同一の模様」
「わかった。今回もZリーヌンスは機動兵器で出てくるだろうからな。そこを狙っていくぞ。バルフォングスは本当に出られるのか?」
「はい。マシウスは出られると言ってます。今まで留守番だったので、早く出たいそうです」
「任務は捕獲であって破壊でないことをよく伝えておけ。あの馬鹿はどうにもやりすぎる」
「了解しました」
「ディジル隊との連携は大丈夫なんだろうな? 突出したらいい的になるぞ、あんなデカ物」
「シミュレーションは数回行っている模様です。ディジル隊の練度なら大丈夫でしょう。ディジル隊、やってみると言っています」
「悪運を信じると伝えておけ。輪っか付きが本艦を撃沈するつもりで来るとは思えんが撃ってはくるだろうからな、支援は期待するなよと」
「了解。ディジル隊各機発進スタンバイへ入ります」
「輪っか付きとの距離五〇〇〇に接近」
「フィールド展開。ソルド、うまいこと追いつかれる感じを演出しろよ」
「任せてくださいよ」
ソルドと呼ばれた操舵士は後ろを振り返り、アルガノスに笑みを見せた。
「あっちにとっては皇女もZリーヌンスも大事だろうからな。だがメルクコアは変に大胆なところもある。派手に仕掛けてくるだろうからそこを絡め取る。チャンスは少ないがお宝をすべて手に入れる最後の機会だ」
「距離四〇〇〇に接近。輪っか付きに高エネルギー反応! 砲撃来る!」
「回避運動!」
アルガノスの命を受け、ソルドが舵を取る。海賊艦は回避運動を取りつつ、スタティアの前を進んだ。
「輪っか付きより高熱源体の射出を確認、機動兵器の模様。数三、訂正、六、本艦へ向かうコース」
「早いな。やる気満々って感じだな」
「こちらも出しますか?」
「まだ待て。敵機動兵器の中にZリーヌンス反応は?」
「解析にもう少しかかります」
「急げ。そこが今回の作戦の要だ」
「解析完了。機動兵器内にZリーヌンス反応を検出! Zリーヌンス機を捕捉!」
「よし、よくやった。目標をバルフォングスへ回線開け」
「開きます」
「聞こえているかマシウス」
『聞こえてるよキャプテン、やっと俺の出番ってわけだな。王宮襲撃の時も留守番って知った時はどうにかなりそうだったぜ』
「いいか、今回は破壊じゃない。目標を捕らえて持ち帰るのがおまえの任務だ」
『わかってるよ。派手に壊しちゃダメなんだろう? パイロットも生きたまま捕まえてやるって』
「相手は手練れだ、援護のディジル隊としっかりと連携しろ」
『わかってるって、上手くやるよ』
「しっかりやれよ。その機体はただでさえ燃費が悪いんだ、あまり使いたくはなかったがおまえに任せる」
『そこは感謝してるぜ。そろそろ出ないと、この艦沈められちまうぞ?』
「減らず口はそこまでだな。出撃の時間だ。やってこい」
『了解!』
回線が切れると、アルガノスは大きく息を吐いた。
「あの暴れ小僧にこの局面で頼ることになるとはな。まぁ仕方ないか。よし、ディジル隊を先に出せ、ディジル隊が発進したらバルフォングスを発進させろ」
「了解。ディジル隊、発進せよ」
「――さて、こっちも上手くやらないとな。あちらも同じ事を考えてはいるだろうがな」
アルガノスは顎を擦りながら、中央のモニターを見つめた。
Zリーヌンスを巡る争いもこの一線が大きく局面を変える、アルガノスはそう確信していた。
次回、更新日は土曜日!
スタティア組と海賊との激闘が始まる!!
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