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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第1章】「オッパリオン篇」
18/489

宇宙艦隊オッパリオン016話(後編)「予言者と王宮」

挿絵(By みてみん)

今日も宇宙艦隊オッパリオンの更新です。

今回は16話目の最終話になります。

あたりまえのことを言うと、16話の次は17話!!

一体次の話には何が待っているのか!?

まずは、更新の後編お楽しみください!!


 ◇ ◇ ◇


 早く王宮へ――翔平のその思いとは裏腹に、翔平もシアも海賊の迎撃に遭い思うように前進できずにいた。

 敵はシアが狙撃に特化していることに気付くと、こちらにつかず離れずの防戦を繰り返し、完全な足止めをしてきていた。

 連携の取れた三機の海賊機は時には翔平を狙い、時には離れ、巧みにシア機を翻弄している。

「シアさん、俺を置いて先に王宮へ!」

『それはできない。あなたを敵に渡してしまうことになる。それに、皇女とZリーヌンスを引き合わせるという目的もあるから』

「皇女と俺を……?」

『そう。Zリーヌンスの真の力を発揮するためにもそれは必要と告げられているわ』

「真の力……? うわっ!?」

 敵機の内一機がビームマシンガンを掃射しつつゼータリオンに接近をかける。

『動いて! わたしの後ろに!』

「す、すいません!」

 シア機は牽制の射撃をしつつ、ゼータリオンの前に出る。すると接近してきた海賊機はあっさりと引き下がり、再び三機の編隊に戻る。完全な時間稼ぎの戦い方だった。

 翔平の焦りは募る一方だった。

「くそっ! なんとかできないのか!」

『戦い慣れている連中ね。数を減らせればいいのだけどわたしの特性を見破られてる。やりづらい相手ね』

 翔平にはシアにとって自分が足かせになっているということは重々わかっていた。三機相手に自分を守りつつ戦うことは、かなりの負担だ。

 せめて自分が一人前の戦力として動ければ良いのだと思うも、現実はそうはいかない。

 それに焦れば焦るほどに自分の中の力――Zリーヌンスが空回りを起こして弱くなっていくような気がした。

 しかしシアはそれでも状況を諦めることはなく、少しずつではあるが王宮に近づいていてはいる。

「王宮は大丈夫なのか……」

『王宮守護部隊がいるから、そう簡単に占拠されるようなことはないはず。――でも単艦で来ていることが気になる』

 シアはそれに加え、今戦っている相手の練度も気になっていた。並の帝国軍の部隊とは桁違いの強さであることは明らかだ。一介の海賊とは思えない。

 三機の編隊が微妙な変化を見せ、一機が少し距離を取った。ゼータリオンへの接近を仕掛ける――そう読んだシアは突出する一機に照準を合わせた。

 今度は外さない――そう思い一撃を放つ。だがその一撃は突出した一機が誘いを仕掛けたもので、掠めたに過ぎなかった。

『しまった! ショウヘイ下がって!』

「え?」

 突出した一機はおとりで、後ろの二機が本命だった。二機は急加速をかけ、ゼータリオンを挟むような攻撃を仕掛けて来た。

「うわっ!?」

 ゼータリオンのフィールドがビームマシンガンの掃射を弾くが、二機は近接武器の剣を構え、ゼータリオンに接近する。

 翔平も後退しようと思ったが、相手の動きも素早く、背後へと回り込まれてしまう。

 接近を許したゼータリオンのフィールドは相手のフィールドにより中和される。それを確認した海賊機は剣を振り上げてゼータリオンへと襲いかかった。

「簡単にはやられるか!」

 ゼータリオンの大剣が正面から来た海賊機の剣撃を防いだ。それはなんの変哲もない一撃で難なく防ぐことができた――が、これはフェイントだった。

 背後から迫るもう一機が仕掛ける隙を作るための一撃で、ゼータリオンは両手と動きを封じられてしまっていた。

 そこへ背後の一機が剣を振り上げて迫る。

「しまった!?」

 振り返ろうとするも、つばぜり合いに持ち込まれてしまい、機体が動かせないでいた。

 やられる――そう覚悟した時、閃光のような剣撃がゼータリオンへと迫った一撃を弾き飛ばした。

『動いてショウヘイ!』

「アーリアさん!?」

『待たせたわねシア、ショウヘイ!』

『……遅い』

 翔平の危機を打破したのはアーリアのウィルギヌスだった。

 アーリア機の登場に、ゼータリオンと切り結んでいた機体はすぐに後退していった。

『上は空母との交戦に入ったわ。そうかからずに落とせそうだからこっちに来たわ』

『……ありがとう』

『このまま一気に押し込みましょう。ショウヘイもあとをしっかりついてきて。突破するわ』

「わかりました!」

 敵三機もすぐさま編隊を組むも、そこへすぐさまアーリア機が突進を仕掛ける。だが三機はアーリア機を取り囲むような動きは見せず、後退をしていった。ここで下手に動けば後方に控えたシア機に狙撃されるのが見えているからだ。

 アーリア機に押されるように三機は後退し、翔平たちは一気に王宮へと近づいていく。

『この三機、ショウヘイたちの乗っていたシャトルを押さえていた三機ね』

「あの時の……!」

『妙に戦い慣れてる。海賊ではないわね。帝国の特殊部隊かもしれないわ』

 その言葉に翔平は不安を感じたが、アーリアもシアも臆することなく距離を詰めて行った。

 そして気付くと海上を抜け、陸地の上を飛んでいる。眼下には街並みのような建造物が見えていて、翔平にはそれが都市なのだということがわかった。

 すると目の前に大きな建物が見えた。そのそばには一隻の宇宙艦が駐まっている。

『単艦で首都の防空を突破したっていうの? いや、まさか――誰かの手引きでもなければ王宮にここまで接近できないはず……!』

 アーリアは独り言のようにそんなことを言っていた。

『海賊がZリーヌンスを知っていたことも含めて……王宮に内通者がいる?』

『可能性はあるかもしれない。でも提督、ひと足遅かったみたい』

『えっ?』

 王宮らしい建物から二機の機動兵器が離れ、近くにいた艦に戻って行く。そしてそれと同時に艦が王宮から離脱していく動きを見せた。

「どういう……ことだ?」

『――皇女が敵の手に落ちた』

『シア、滅多なことは言わないで』

 行く手を阻んでいた三機も一目散に母艦へと引き返した。

 アーリアたちはそのまま王宮上空へと向かう。

『こちらアーリア機、王宮、応答願えますか』

『こちら王宮管制、アーリア機確認しました』

『状況はどうなっているの?』

『海賊を名乗る組織に襲撃を受けました。死傷者も出ていて……状況はこちらでもよくわかっていません。王宮守護部隊が侵入者と交戦したようですが……』

『管制には状況は伝わっていないのね、わかったわ、ありがとう』

 王宮上空まで行くと、所々壁が損壊しているのが見えた。

 停止したアーリア機に倣い、翔平もゼータリオンを王宮上空で待機させる。

 アーリア機は崩れた王宮の壁まで行き、コクピットハッチを開けた。アーリアは身を乗り出している。

 翔平はその様子をモニターで拡大した。

『アーリアです! 王宮になにがあったのですか!』

 アーリアの呼びかけを受け、ひとりの女性が崩れた壁のところへとやってきた。

 その音声をゼータリオンが拾い、翔平の乗るコクピットへと伝える。

『海賊の襲撃を受けました。皇女が――アティ皇女が連れ去られました』

『なんですって!?』

『……遅かった』

「皇女が!?」

 翔平はすぐに去って行った海賊艦の方を振り返った。

『連れ戻します!』

 アーリアもすぐにコクピットへと飛び込み、機体を反転させる。そして弾けるような勢いで去った海賊艦の後を追おうとした――が、アーリア機の前にシア機が立ちはだかった。

『シア!?』

『待って提督。この戦力じゃ無理。冷静になって』

『だって皇女が!』

『スタティアで追いかけましょう。重力圏を離脱されたら機動兵器じゃ追いつけないわ』

『くっ……わかったわシア。すぐにスタティアを呼びます』

『うん。皇女はすぐにどうこうされたりしない。それに皇女を取り戻す機会も来る』

『その予言、信じるわシア……』

 いつになく落胆するアーリアの声に、翔平はかける言葉を見つけられないでいた。

 オッパリオンの皇女が連れ去れたということの重大さを翔平はいまいち掴めないでいたが、一瞬冷静さを欠いたアーリアから察するに、これは大変なことなんだと思い至った。

 このまま上空で待機していると、すぐにスタティアがやってくるのが見えた。

 皇女を連れ戻す戦いになる――翔平はそう確信し、操縦桿を強く握った。

「俺も力にならないと……」

 その決意と共に――。

来週の水曜日も更新予定になります。


いつも「宇宙艦隊オッパリオン」を応援頂き誠にありがとうございます。

小説家になろうの機能の評価とレビューの方も、お時間御座いましたら何卒宜しくお願い致します。

読者の皆様の声が、レビューが、評価が、「宇宙艦隊オッパリオン」の明日をつくる!!

面白い作品に仕上げていく為にも、些細な事でも気楽にレビュー頂けますと幸いです。

スケキヨとYOM、引き続き精進して参る所存です!!

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