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ギルド登録 1

連続です。これから一気に進めます

「ここがツルクルか。立派な城壁もあるし、いい街じゃないか」

ユークリゥドと話してたらすぐに着いた。ツルクルの街は昔魔物の襲撃によく悩まされていたとユークリゥドは言っていた。だから街をぐるりと囲うように城壁が建っているのだ。

「門で警備兵が通行許可証やらカードやら見ているが、俺は入れるのか?」

「ふふっ。私は顔パスですよ」

なるほど。違法か。まぁいい。外から我々はヘルゼン家の者ですという従者の声が聞こえてくる。馬車が動き出したというとこは門を通過したということでいいのだろう。

「この通りを少し行ったところに美味しいタルケのお店があるのでそこで食べましょう」

「分かった。ところでタルケっていうのはなんだ?」

返答を要約すると魚を蒸して甘辛いタレに漬け込んだものでこの国の一般的な食べ物らしい。店の前に着き、中に入る。中は煌びやかな装飾が施され如何にも貴族御用達といった雰囲気だ。

「こんなところに俺みたいのが入っていいのか・・・?」

聞くところによると最低限の礼儀さえ守ってればつっかかられたりもしないそうだ。席に着いてしばらくするとユークリゥドがいつの間に頼んだのかタルケが運ばれてきた。

「私が来て席に着いたらタルケを人数分持ってくるよう言ってあるんです」

そういうことか。さて、料理も届いたことだし食うか。そう思って料理に手を出す。

「おい、あいつ何様だ・・・・・・」「ヘルゼン様より先に料理に手をつけたぞ・・・・・・」

そうか。高い位の者より先に手をつけてはいけなかったのか。

「美味いな。この・・・・・・タルケだったか?」

「あ、はい。それは良かったです。・・・・・・気にならないんですか?陰口」

まず陰口を言われた事が無い為陰口だとはわからなかった。

「気にしなければ良いだけだろう?」

ユークリゥドは呆気にとられた顔をする。何故変な顔を?と思いつつシュウはタルケを楽しんだのだった。


「さて、食事も終えた事ですしシュウさんお待ちかねのギルド登録としましょう。この大通りを真っ直ぐ行くとギルド会館に着きます。では行きましょう」

柄にもなくわくわくしている自分に気づき驚く。左右を見ると色々な店がある。登録し終えたら回るのも良いかもしれない。

「着きましたよ。ここがツルクルのギルド会館です」

目の前に周りより大きい建物が建っていた。

「気を付けて下さいね。新人と分かると冒険者の厳しさを教えてやる、何て言いながら絡んでくる輩がいますので」

「そういうやつはブチのめして良いんだな?」

苦笑された。何故か分からない。取り敢えずギルド会館の中に入る。中は他の冒険者があちこちで集まって話している。奥には飲食店があるようだ。入って正面にあるカウンターには受付嬢が2人いる。どちらも女性だ。

「あの受付に言えば良いんだな?」

「はい。私は少し買いたい物があるので外に行って来ます。ギルド登録が終わる頃には戻ってきていると思います」

そのままユークリゥドと一旦別れた。

「すまない、ギルド登録をしたいんだが」

受付嬢に話し掛けると

「ユークリゥド学園の生徒ですね。分かりました。この書類に自分の名前、所属。この場合はユークリゥド学園と書いて下さい。あと得意な武術、魔法を。書き終わりましたら魔力検査をしますので移動します」

「了解」

書類に名前、所属を書く。得意なのは剣術しか無いな。魔法なんて使った事も無いし。

「終わったぞ」

「あ、はい。ではこちらに・・・・・・っ!?」

何故か書類を見た受付嬢が驚愕する。

「も、もしかして・・・勇者様ですか?」

ああ、そういえばそういう扱いだったな。

「そうらしい。まぁ、ただの一般人と思って接してくれ。面倒ごとに巻き込まれたりしたく無い」

「わ、分かりました・・・・・・。では私について来て下さい」

受付嬢について行くとそこは玉のような物が置かれた部屋に連れて行かれた。

「この球体は魔力を測る装置です。大昔の大賢者が作ったと言われてますね。この球体の上に手をかざして下さい。出来るだけ力を抜いて」

「分かった」

手をかざす。何も反応が無かった。色が全く変わることもなく、変化しない。

「な・・・・・・これは・・・・・・?魔力が全く無い!?ウソ!人なら皆・・・・・・。いえ、勇者様だから・・・・・・?それにしても・・・・・・」

「一人で呟いてないで俺にも分かるように言ってくれないか」

受付嬢によると俺は理論上死んでるらしい。人は死ぬと全魔力を体から発し、まったく魔力が無くなる。今の俺がまさにそんな状態だそうだ。

「弊害は魔法が使えないだけか?」

「前例が無いのでわかりませんが、恐らく。ただし魔法がまったく使えないとなると大変ですよ?しかもランク付け、出来ませんし」

「他に方法は?」

「うーん、ちょっとギルドマスターに聞いてくるのでこの部屋で待ってて下さい」

受付嬢は部屋から出て行った。

「ギルドマスターか・・・・・・。マスターというからには強いんだろうな・・・・・・。で、あんたは誰だ?」

「うおう!?バレてた!?気配完全に消してたつもりだったんだがなぁ・・・・・・」

後ろに巨漢のおっさんが立っていた。

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