5ー5 ハイキャンプ
俺たちは日が登ったので手分けしてオークを討伐しつつハイオーク。もしくはそれ以上の存在を探していた。
((いたぞ。))
俺は木陰に隠れつつオークが近寄って来るのを待っていた。
((今だ!))
俺は龍の掛け声と同時に陰から飛び出し「「スレイヤー。」」で勢いよく首を刎ねた。
他のみんなは?
ズドーン
バサバサバサ
大きな何かが倒れる音がした。
まぁ何ともないだろう。
ギシシ
正面から新しくハイオークがやってきた。
俺は出来るだけ被弾を避けたいので魔力を足に流し木を軽く登り、上から「「スマッシュ。」」で一気に叩き込んだ。
「「スマッシュ。」」は上から下へ振り下ろす強攻撃。比較的どの武器でも発動させることは可能であり、斧などの打突系の武器になればなるほど高威力になる。
それを真上から打ち込まれるので昨日力負けしたハイオークもこの通り頭部を破壊し一撃だ。
((それにしても以前よりも体の動かし方が上手くなって来てるな。あとはもうちょっと地形を利用してもいいと思うぞ。今みたいにな。))
もっと地形を利用か。もっと木々を利用するのは悪く無いかもな。
((後方にもう1匹ハイオーク。こっちには気づいてないぞ。))
俺は近場の木に登り、木を飛び移りながら一気に距離を詰め、ハイオークの背後におり、その瞬間剣が光った。
「「空断。」」
赤紫色に光った刀身は空間を切断し、さらにクリティカルダメージが発生し耐え切れないハイオークは真っ二つになって倒れた。
「「空断。」」は元来空間を切断、一定時間切断箇所を分断する。
そしてこの剣術にはクリティカルが存在し、力の加減や剣が対象を斬る速度など様々な条件を通った時のみクリティカルが発生する。ある程度のレベル差があれば空間を分断したまま死んでしまう。
俺は昨日、エレボスがボソッと言ったことが気になっていた。
それはハイオークより上の存在について。だ。
本来群れることのないオークがここまでの数集まっていること。
さらに今日だけでもハイオークに2匹。
そう、そう易々とハイオークになれる訳でもないのだ。
恐らくいるだろう。最上位級の存在トップオークが。
まぁ今単独行動しているのは俺とエレボスだけ。
他の4人のところは出ても大丈夫だと思うが単独行動している俺とエレボスは気をつけないといけない。
((お前は凄いよ。今立てたフラグ速攻で解決しちゃったよ。))
俺は龍の言っていることが何のことか分からなかったとがその疑問も秒で答えが出た。
いるのだ。ハイオークを3匹連れた明らか体格がデカイやつが。
(やばいな。1匹ずつ倒すにもトップオークの力量が分からないのに突っ込むのは得策ではないし…)
「ねぇ、ユウキ。なんでコソコソしてんの?」
「うわ!びっくりしたぁ。」
後ろにはヒカリ、アルデバ、エリカ、インドラ、エレボスがいた。
しかし思わず大きな声を出してしまった。
気づかれてない?
グガァァッァア
ですよねー。見つかりますよねー。
「お前らさっさと剣を抜け。トップオークだ。バレちまったしやるぞ。」
トップオークは右手に持っている片手剣を担ぎ、「「スマッシュ。」」の発動モーションに入った。
俺はすぐさま「「スレイヤー。」」の発動モーションを起こし、迎撃体制を作る。
「俺とエレボスでトップオークをやる。だからみんなは取り巻きのハイオークをやってくれ。」
俺はそのままトップオークに突っ込む。
上から振り下ろす系の剣術には下から切り上げる剣術の方が実は当てやすい。俺は少し体を逸らしながら「「スマッシュ。」」を打ち返す。
ガギン。
鈍い音で互いの剣術がぶつかり合い、お互いの剣が弾かれ体勢を崩す。
本来はお互いの剣を弾くのは自分の体勢を立て直すのに時間がかかるのであまり良い行動では無い。が、それは1人の時の話。
「今だ!エレボス。」
エレボスは俺の掛け声と同時に走り出し、加速する。
まだ加速する。
まだ加速する。
エレボスの刀身は黒紫色に光る。
そのまま加速したエレボスはトップオークの左横っ腹を斬りつける。
「浅いか。」
エレボスはトップオークを斬りつけ走り抜けた後、硬直してしまった。
俺はエレボスが前に言っていたことを思い出した。
「俺も昔は自分で剣術を作り出してたんだよね。刀身が黒紫色になる剣術は完全に自己流なんだよね。いつかお前にも見せるよ。ただ、効果が絶大すぎて使った直後フリーズすんだよね。5秒くらい。」
そうだ。エレボスが前に見せるって言っていた自己流剣術はこれか。
トップオークは痛む間も無く振り返り動けないエレボスに剣を黒く光らせ発動モーションを始めた。
((恐らくあれは「「スワイプ。」」だ。あれがエレボスに直撃するタイミングとエレボスの硬直が終わるのは同じだ。))
俺はエレボスの元に駆け寄りながら左手をトップオークに向ける。
「「ライトニング。」」
電気中級魔法「「ライトニング。」」をトップオークに当てる。
「ラッキー。当たらないでもいいから時間稼ぎになればいいって思ったけどしっかり当たってくれた。」
トップオークはバチバチと少しの間だが痺れ、さらに「「スワイプ。」」の発動を阻止できた。
「ユウキナイスだ。さっきあいつが打とうとしてた技は超大型横範囲攻撃「「スワイプ。」」あれはどうやっても受け切れずにゲームセットだった。」
あっぶねー。ってか「「スワイプ。」」ってそんな恐ろしい技だったんだ。
「あの技は溜めに時間を使うから隙を見せなきゃ大丈夫だ。あいつは頭が良いから使い所をちゃんと把握してるんだ。それにほら。もう2対1じゃなくて5対1だ。」
エレボスが視線をやると他4人は無事取り巻きを倒し切っていた。
「悪いがちょっと時間を作ってくれ。大技を打つ。」
「わかった。とりあえず任せとけ。」
俺はトップオークから出来るだけ距離を取らず一気に駆け寄る。
あまり距離を取るとやつに溜める余裕ができ「「スワイプ。」」が打ち込まれる心配があるからだ。
「「コリエンテ。」」
からの
「「フリーズ。」」
水魔法の「「コリエンテ。」」で槍状の形にし、それを「「フリーズ。」」で凍らせトップオークに撃ち込んだ。
しかしトップオークは切り落とし「「肩並行斬。」」の発動モーションに入った。
「「太陽の光雨。」」
しかしトップオークは「「肩並行斬。」」が発動する前にエレボスの攻撃を食らい失敗した。
魔法とは違う何かがトップオークに降り注ぐ。
「「獅子上がり。」」
アルデバは隙をつき攻撃を加える。
「あ、ずるい!私も!」
ヒカリは単発突き攻撃「「ストレートライン。」」打ち込む。
トップオークは立て続けの攻撃を食らい「「咆哮」」を使い逃げる準備に入った。
だが俺がそんなことを許すわけもない。
「「肩斬。」」
一気に切り抜けトップオークの背後を取る。
「「スレイヤー。」」
トップオークの背後から「「スレイヤー。」」を放ち、下から上へ飛ぶ。
トップオークほどの巨体には流石に体全部を使った打ち方をしないと大ダメージにならないので大きく踏み込んでトップオークの頭を飛び越えた。
「「スマッシュ。」」
そしてトップオークの頭上から「「スマッシュ。」」を叩き込んだがトップオークはまだ倒れない。
意外とタフなようだ。俺は未だ空中に残ったままだった。やがて俺はトップオークに捕まってしまった。
高さ3メートルもあるトップオークに捕まってしまった為足が地面につかない。
さらに奴の大きな手で体全身を掴まれている為逃げることもできない。
「「魔法鏡。」」
俺はヒカリの横に移動した。ということは…。
「アルデバ!。」
アルデバは俺と位置を入れ替えたのだ。
ステータス
浮島 優樹 Lv.1
能力 ??
技能 無し
剣技 肩並行斬→肩斬
ビクトリースラッシュ
スレイヤー
空断
スマッシュ
魔法 【初級】
ファイヤー
ウォーター
アース
【中級】
ゲイル
ライジング
コリエンテ
クエイク
【準中級】
フリーズ
龍化 ドラゴンブラスト
ドラゴンブレイカー