表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美意識過剰  作者: 桜木 葉
60/67

妨害者たち ─2─

 



 ランチメニューに付いてくる食後の珈琲や紅茶、月島に至ってはオレンジジュースを飲みながら、打ち合わせの最終段階に入る。


 とは言っても結局の所、まだ何か危害を加えられたわけではなく、少し気味が悪いといった程度の事なので、『気を付けよう』といった在り来りの、発展的な答えには至らなかった。


 アタシはどちらかと言えば奈々の件の方が気にはなっていたが、それを海原の耳に入れるのは気が進まなかった為、何も言わないでおいた。もしかしたら後日、四ノ宮には相談するかもしれないが。




 会社へ戻る途中、わざと歩みを緩めアタシに歩調を合わせてきた海原は、


「今度の休み、デートしよ」


 と耳打ちしてきた。


「は……はい! 喜んで!」


 進展のない居酒屋風返事にも、彼は嬉しそうに微笑んでくれる。アタシは一気に、身体中が幸せいっぱいに満たされた。


 奈々の事なんて気にする必要はないんだ。彼女が何と言おうが、私達は付き合っていて好き合っているんだから。






 自分のデスクに戻ると、昨日程ではないにしろ、まだ貢ぎ物の小さな山が出来上がっていた。それを何とも言えない顔で見ていたアタシに、奈々が笑顔で近付いてくる。


「それ、ほとんど玲於様が置いてってんで。その高級そうなフルーツは部長やけど」


 まるでお見舞いのような、籠に入った豪華なフルーツのセット。一体部長は、何を求めているんだろうか。


 それよりも玲於様……いや、五百城だ。海原と付き合っていると知ってなお貢ぎ物をするとは、本当にややこしい性格としか思えない。


 返すべきか。否、あのようなタイプにそれをすると、逆上してしまうかも。アタシはともかく、海原に怒りをぶつけられてはたまらない。


 ここは一貫して、貢ぎ物は皆で分けて頂く、としておこう。



「なんか……疲れるなぁ」



 深くついた溜息は、昼休みの終わりを告げる音楽に掻き消された。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ