伝説の『ウル』
「今の声は……グリュエール、あんたか?」
ジェイドが怪しんでるようにグリュエールを見ている。
えっと……
僕はどうすればいいのかな。
「はあ……しゃべっちゃったんなら、しょうがないね。今のはこの剣だよ」
溜め息を吐きながら、グリュエールは皆に見えるように僕を持ち上げた。
「……何を言ってるんだ?」
「ま、そうなるよね。この剣は知識あるアイテムなんだよ」
「知識あるアイテムって……本当か!?」
「ほら、ウル。あいさつして」
「うん。いきなりしゃべっちゃってごめんね、グリュエール。
僕はウルだよ。よろしくね」
「本当にこの剣がしゃべってるのか……?」
「ウル!? ウルじゃと!? まさかあなた様は……」
ウルって名前は、確か昔にテッド村を救った人の名前だってマリーが言ってたもんね。
村がピンチなときに同じ名前の人……じゃないや。同じ名前を持っている剣が現れたら、びっくりするよね。
あれ? でもこれなら……
「あ、ミドさん、違うの。ウルって名前は私が付け……」
「マリー、待って」
「えっ? どうしたの、ウル」
「僕が助けるよ! ゴブリンに連れて行かれちゃったオグロスとフェネックも。この村も!」
「ちょっ! ウル!?」
「まさか……本当に……あのウル様が……ありがたや、ありがたや」
ミドが拝みだした!?
さすがに拝まれるのは……困るんだけど……
「どういうこと?」
「わからん」
ジェイド達はなにが起こってるのかわかってなくて混乱してる。
グリューエルとモーティマもだね。
マリーだけが理解して、頭を抱えてる。
ごめんね、マリー。困らせちゃって。
でも攫われた二人をほっとけなかったんだもん!
「グリュエールも手伝ってくれる? 僕は攫われた二人を助けたい!」
「ウルが助けたいって思っているのはわかったけど、生きているかもわからないんだよ? それでも行きたいのかい?」
「うん……それでも……もしかしたら生きているかもしれないんだから!」
「……わかった。あたしは手伝うよ。マリーたちはどうする?」
「私は……私も助けたい! 二人を……フォルクの為にも!」
「俺も協力するぜ」
グリュエールもマリーもモーティマも! 皆手伝ってくれるって!
三人がいれば……きっと助けられるよ!
「よくわからないが……攫われたっていう二人を助けに行くってことか?」
「うん! 行くよ!」
「村長さんはそれでいいのか?」
「ウル様がそう言われるのであれば……わしらも協力しますじゃ」
「わかった。俺達もやるぞ。負けっぱなしじゃ腹の虫が治まらないからな! ……マリーの為にもな、うん」
「そんな小声でアピールしても聞こえないでしょ。まったく、しょうがないね。ウチのリーダがやる気だからね。あたいもやるよ!」
「はい! やりましょう!」
ジェイドたちもやる気だ!
やっぱり皆助けに行きたかったんだよね。
でもこれ以上犠牲が出るのが怖かったから。だから逃げようとしてたんだ。
僕のせいで戦うことになったけど……
皆を守るよ!
ケガもさせないように頑張るからね!




