救世主
翌朝、僕達が冒険者ギルドへ到着し中へ入ると……
「お! 来たぞ、救世主達だ!」
「この町の救世主!!」
冒険者ギルド内が大騒ぎになった。
グリュエール達が他の冒険者に囲まれちゃった!
「ありがとう! あんた達のおかげで助かった!」
「あの魔法凄かったですね! あれは何の魔法なんですか!?」
周りに冒険者が集まってきて、身動きが取れない……
三人とも揉みくちゃにされちゃってる!
「ちょっと通してくれないかい? アーノルドに用があるんだよ」
「えっ……あの……えっと……」
「お……おい!」
グリュエール達が何を言っても聞こえてないみたい。
「おい! おまえら、なにをやっている!?」
騒ぎを聞きつけてか、アーノルドが出てきた。
「あ、ギルド長! この方々にお礼を言おうと!」
「お礼を……じゃねえだろ! 迷惑かけてることに気付け!!」
ギルド長の一喝で冒険者達が押し黙る。
さすがギルド長だね。暴走する冒険者達を一瞬で大人しくさせてくれた。
「あんた達はこっちへ来てくれ。報酬を用意してある」
ギルド長に付いて、会議室へ向かう。
会議室に入ると、ギルド長が頭を下げてきた。
「すまなかった。あいつらあそこまで暴走するとは思ってなかった。出るときには俺が付いて行って大人しくさせる」
「まあしょうがないさ。気にしなくていいよ」
「そう言ってもらえると助かる。じゃあ、さっそくだがこれが報酬だ」
アーノルドが会議室の中にある箱を指さす。
中にはぎっしり食料が詰まっていた。
「あとこれもだな」
そう言って渡してきた革袋には、金貨がいっぱい入ってた。
こんなにもらえるの!? オークを退治しただけなのに。
「あと、一応報告だな。グリュエールの魔法に巻き込まれて、オークの上位種であるオークメイジやオークソルジャー、オークキングも死体が見つかった。
もしあんた達がいない状態で戦ってたら、かなりの被害が出ていたと思われる。本当に助かった」
あ、そっか。上位種もいたんだ。
上位種は普通のオークより強いだろうし、倒したときの報酬も多くなるのかな。
「やっぱりオークキングがいたんだね。無事に済んで良かったよ」
「そうだな。町に被害も出なかったし、ケガ人すらいなかった。これなら普段通りに町が動き出すのもすぐだろう」
あ、なんだろう……
今、なんか……この町を救えたんだなって実感した。
僕達が救ったんだ、ここ町を。
「さて、それじゃ、貰う物も貰えたし。すぐに出発するよ!」
「もう行くのか?」
「依頼を受けている身だからね。のんびりはしていられないよ」
「そうか。わかった。ギルドに集まってる冒険者は俺が黙らせるから安心してくれ」
「ありがとう。じゃあ、モーティマ。その箱持ってきて」
「おう」
「じゃあ行くよ」
冒険者ギルドを出るときには、また冒険者達が騒ぎそうになったけど、アーノルドがしっかり黙らせてくれた。
冒険者ギルド前に停めておいた馬車に荷物を詰め込んで、すぐに出発。
グリュエール曰く、このままここにいるともっと騒ぎが大きくなるから。なるべく早くこの町から出た方がいいって。
冒険者ギルドだけでもあの騒ぎだったもんね。町中に僕達の事を話されたらもっと凄いことになっちゃいそう。
アンカの町を救うことが出来た。
こんな旅を続けられれば、いつか世界を平和にすることも出来るのかな?
いろんな場所に行って、皆を助けて行きたいな!




