事後処理
「グ……グリュエール、モーティマ、マリー! お前たちはそこで待機!
他の冒険者は生き残りがいないか探して処理しろ! 特に今回はオークキングがいると思われる! 死体は必ず見つけろ! もし、生きているようであれば強力して止めを刺せ! 充分に注意しろよ! 行け!」
アーノルドが冒険者たちに指示を出した。
皆が呆然としてる中、一番に動き出したよ。さすがはギルド長だね!
冒険者たちがアーノルドの指示を受けて、森のほうへと走り出す。
僕達の近くを通るときにこっちをチラチラ見て行くけど……
怖がってる? 別に後ろから攻撃したりしないよ?
「さて、グリュエール。これはどういうことだ?」
アーノルドがこっちにきて話しかけてきた。
口元がぴくぴくしているけど……大丈夫かな?
「どうってなにがだい?」
「あの魔法だ! なんだあの威力は!!」
「言ってあっただろう? 最初に強い魔法を使ってあげるよって」
「ああ、聞いた。確かに言っていた! だが……これは……」
アーノルドはそう言って“タイフーン”の通った後を見る。
平地は草すら残らず。森に入ったら木々をなぎ倒し。そこら中にオークが飛び散ってる。
「ちょっとやりすぎちゃったかい?」
「ちょっとどころじゃねえだろうが!!
はあ……まあいい。町が助かったのは確かだ」
オークが全滅したのかは今冒険者たちが確認にいってるけど、少なくとも大群で町が押しつぶされることはもうないはず。
町が無事で良かったね!
「森があそこまで削られちまうと、生態系に変化があるかもしれねえし……これから調査しないとな……
仕事が増える……」
「冒険者たちも仕事が増えて良かったんじゃないかい?」
「おまえな……もういい。詳しく説明しろって言っても無理だろ?」
「当たり前だよ。奥の手をそんな簡単に話す冒険者なんていないさ」
奥の手?
僕の事?
「しょうがねえ。色々処理があるから冒険者ギルドへ行くぞ。町の皆にも、もう心配ないって伝えないといけないしな」
アーノルドと一緒に冒険者ギルドへ。
冒険者ギルドに着くと、アーノルドは職員とちょっと話してから、グリュエールたちを連れて会議室へ入った。
「さて、普通なら報酬を渡して終わりなんだが……あれのほとんどがお前達の功績だからな。なにか希望があれば聞いておくぞ」
「最初に話した通り、あたし達は依頼の途中でここに立ち寄っただけだよ。食料の補給をさせてもらえばそれだけでいい。あ、後はなるべく早くこの町を出たいな」
「……いいのか? この町を救ったってことで、オリハルコンランクへ推薦も出来るぞ」
「そんなのいらないよ。あたしはこのままで充分」
「他の二人は?」
「わっ……私も特になにも……」
「俺もだ」
「そうか……わかった。明日までに準備しておく。今日は宿屋で休んでくれ」
「わかったよ。明日の朝一でくればいいかい?」
「ああ、それで頼む」
「はいよ」
三人は立ちあがって会議室を出て行く。
部屋から出る直前にアーノルドをチラっと見てみると、頭を抱えてた。
このあと仕事も増えるって言ってたし、大変なのかな。
アンカの町も救えたし、魔法も使えたし、スッキリしたね!
明日はもうこの町を出るみたいだし、また旅が出来る!
旅の間はだれかが夜に起きてるから、嬉しいんだよね。




