マリーとグリュエール③
第二会議室は小さめの部屋だった。
部屋の真ん中に机があって、椅子が四脚あるだけ。
二人で話すならこれくらいの広さで充分だけどね。
「ほら、座って座って! お、さすがイリーシス。お茶まで用意してくれてるなんて、気が利くね」
グリュエールが自分とマリーの分のお茶を淹れて、マリーへ座るように促してる。
「それで……話というのは、どんなことでしょう?」
「これのことだよ。ほら」
グリュエールが僕を机の上に置いてくれた。
「マリー、また会えたね!」
「ウル! 話して大丈夫なの?」
「うん。グリュエールにも今までのこと話してあるから大丈夫だよ」
「そうなんだ。でもなんで、ギルド長じゃなくてグリュエールさんと一緒に?」
「ギルド長が僕のことを調べてくれって、グリュエールに渡したんだよ。それで、もっと詳しく調べる為にはマリーとモーティマの力が必要なんだって!」
「私の力?」
「力というより、協力してほしいってとこかな。ウルのことを知る為に協力してくれるかい?」
「ウルの為になるなら、出来る限り協力します!」
マリーが力強く宣言してくれた!
僕の為ならって嬉しすぎるよ!
「おお、それはありがとう! ウルとマリーはいい関係を築いてたんだね。
それじゃあ、まずはあたしの仮説なんだけど、聞いてくれるかい?」
グリュエールが考えた仮説をマリーに説明してあげてる。
人族がいるときだけ、あの衝動がくるんじゃないかって話を。
「だからイゾウさんがいた時に? でもモーティマさんは……」
「そう! そこでモーティマなんだよ!
マリーとモーティマがいた時に、ウルは衝動の元と思われる何かと話すことが出来たらしいんだ!」
「えっ!? 本当なの、ウル?」
「うん。マリーには説明するヒマがなかったんだけど……モーティマを助ける為に戦った時、ちょっとだけだったけど、あの衝動と話せたと思うんだ」
「そうなんだ……」
「マリーにも相談したかったんだけど、ずっと誰かが近くにいたから話せなくて……ごめんね」
「謝ることじゃないよ! あの時、そんなことがあったのに私を助けてくれてたんだなって考えてただけ! ありがと、ウル!」
「ううん、良かった!」
仕方なかったんだけど、会話が出来たことをマリーには話せてなかったから、隠しごとしてたみたいでイヤだったんだ。
ちゃんと話せて良かった。
「それで……会話をする為に私の協力が必要なの?」
「会話が出来た時の状況を再現してみたいんだよ。とりあえず、マリーとモーティマ。それでも駄目ならモンスターも必要なのか。……まあ色々と実験だね」
「いろんな状況でウルを抜けばいいってことですよね。それくらいなら大丈夫です。協力できます!」
「おお、ありがとね! 後はモーティマが協力してくれればいいんだけど……モーティマはウルのこと知ってるのかい?」
「モーティマさんには話してないので、知らないかと……」
「そっか。モーティマにはウルのことを話す所から始めないとね」
「僕は何かやることある?」
「うーん……説明はあたし達でするから、最後にちょっと喋ってもらえればいいかな?」
「わかった!」
マリーが協力してくれることになった後は、モーティマが来るまで時間を潰すだけになった。
僕とマリーで一緒に冒険したときの話をしたり、グリュエールのことを聞いたり。
グリュエールは元冒険者で、今は色々な研究をしてるんだって。元って言ってるけど、冒険者資格はちゃんと持ったまま。冒険者としての活動をしていないってだけ。
しかも! 冒険者時代には、ギルド長と一緒にパーティを組んで暴れまわってたらしい!
それなりに名も売れてて、かなり稼いでたんだって。
だからグリュエールとギルド長は仲良さそうだったんだね。
そんな話をしていたら、扉をノックする音が聞こえてきた。




