マリーとグリュエール
ギルドの扉を開けると、扉のすぐ横にはマリーが一人で立ってる!
約束の二の鐘はまだ鳴ってないのに、もう待ってたんだ。
マリーはいきなり飛び出してきたグリュエールに目を向ける。
マリーの視線はグリュエールから、その手に持つ僕へ……
「え……? ウル?」
「おや! キミがマリーかい?」
「えっ? あ、はい。そうですけど……」
「そうかい! 会えて良かったよ。話があるんだけど、時間はあるかい?」
「えっと、ここで待ち合わせしてるので、今はちょっと……」
「ああ、そうだったね。じゃあ一緒に待っててもいいかい?」
「はい。構いませんけど……あなたは?」
マリーが変な人を見るような目でグリュエールを見る。
うん。いきなりこんな勢いで来られたら、不審に思うよね。
「ああ、あたしは……」
グリュエールがマリーに自己紹介をしようとした時。
モーティマが大通りからこっちへ向かって駆けてくるのが見えた。
「おお、マリー! 大丈夫だったか!?」
まだ結構距離があるのに、モーティマが大声でマリーに聞いてきた。
「うん。ちゃんと話を聞いてもらえたよ。私はお咎めなし」
「そうか。良かったな」
モーティマが近くまで来てからマリーが返事をした。
マリーの返事を聞いて、モーティマは安心したようにホッと息を吐く。
本当にマリーのことを心配してくれてたんだね。
「それで……この人は誰だ?」
マリーとモーティマを見つめながらニヤニヤしているグリュエールを指さしながら、マリーに尋ねたけど……
マリーにもまだ自己紹介してないし、聞かれても困るよね。
「私に話があるって言ってたんだけど……」
「うん。話があって来たんだよ。あたしはグリュエール! よろしくね!」
「それであんたはマリーに何の用事があるんだ?」
「キミはモーティマだよね? キミとも話したいことがあるんだよ!」
「ああ!? 俺に何を聞きたいってんだ」
「こんな人通りの激しいとこではちょっと……二人とも昇格試験の結果を聞きに来たんだよね? じゃあ、さっさと結果聞いて、その後に時間を頂戴!」
「マ……マリーはどうすんだ?」
「私は話をしてもいいと思ってるけど……」
マリーが僕をチラチラと見ながら返事をする。
僕のことを気にしてくれてるのが嬉しい!
けど……迷惑かけてないかな……?
「そうか……じゃあ俺もいいぞ。結果を聞いた後でいいんだな?」
「うん、もちろんさ! ほら、そうと決まったら、さっさと結果を聞いてきて!」
「あの……結果は二の鐘が鳴った後にって言われてるんですが」
マリーがそう言うのを見計らったかのように、王都に二の鐘が鳴り響く。
「鳴ったね。はい、行った行った!」
「ったく……なんなんだ、こいつは」
グリュエールに押されて、マリーとモーティマは冒険者ギルドへ入る。
押された勢いのまま、二人はギルドのカウンターへ向かって行った。
グリュエールはちょっと離れた所から二人を眺めてる。
マリーは合格だって昨日言われてたから、問題ないと思うけど……
モーティマはどうなんだろ。すぐには終わらないって、何があるんだろ?




