表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
48/210

ギルド長とグリュエール

「起きてください、グリュエール!」


 ギルド長が、グリュエールに声をかけながら揺らしてる。

 それでもなかなか起きないなんて……もうお昼なのに。


「う……ん……」


「起きましたか? まったく、どんな生活をすれば……」


「起きてない」


 ギルド長の言葉を遮ってしゃべったと思ったら、またすぐに目を閉じて寝始めた!

 あ、ギルド長がプルプル震えてる。


「いいかげんにしなさい、グリュエール! あなたはいつも、いつも!」


 ギルド長がキレた!

 無理矢理体を起こさせて、頭を押さえつけてる。


「いいかげんにするのはあんただ、イリーシス。こんな朝っぱらから人の家に来るとか、非常識だ!」


「もうすぐ三の鐘が鳴りますよ! 朝っぱらではありません!」


「三の鐘!? ……やっぱり朝じゃん。あたしが動き出すのは五の鐘からだって決まってるの」


「決まってるのじゃありません! そんな生活をしているから、あなたは……」


 ギルド長のお説教が始まった。

 このグリュエールって人は、金色で腰まで届くくらいの長い髪をしてる。寝むそうに半分閉じてる目は、キレイな碧眼。そして……耳が尖ってる!

 エルフだ!

 でもエルフって森の中とかに住んでるんじゃなかったのかな。

 こんなにお酒を飲んで、お昼まで寝てるエルフって……


「わかった、わかりました! 今度から出来たらちゃんとしまーす。これでいい?」


「はあ、本当にあなたは……もういいです。せっかくあなたが興味を持ちそうな物を持ってきましたが、今日は帰ります」


「えっ!? あたしが興味ありそうな物でイリーシスが持ってくるって……

 まさかあれ!? サウザントドラゴンの素材でも手に入ったの!? それともクラーケンの方!?」


「いえ、そうでは……」


「じゃああっち!? ヒュドラとか、アトラスとか!?」


「いえ、だから……」


「まさか!! まさかあれを!? 存在するかも定かではないと言われてる……」


「落ち着きなさい! モンスターの素材ではありません!!」


「え、違うのかい? じゃあなによ。つまらないものだったら帰ってもらうわよ」


「はあ……まったく。あなたに見てもらいたいのは、こちらです」


 ギルド長はそう言って僕をグリュエールに差し出す。


「何よこれ。剣じゃない。これがどうしたのよ」


「漆黒の刃……といえばわかりますか」


「はあ!? 何寝惚けたことを言ってるんだい。漆黒の刃って言えば、呪われた魔剣のことだろう? この剣からはそんな禍々しい気は感じないわ」


「……やはりそうですか。ウルさん、自己紹介して頂いてもよろしいですか?」


 自己紹介!?

 えっと……何を言えばいいんだろ?


「ウル? いきなり何言って……」


 とりあえず……あいさつだよね!

 あとは名前?


「こんにちは。ウルです。えーと……よろしくお願いします?」


「えっ!? この剣……知識あるアイテムインテリジェントアイテムかい!?」


「そうです。グリュエールにはこの剣について調べて頂きたいと」


「やる! やるよ! あんた、ウルっていったよね」


「うん、そうだよ」


「あたしはグリュエール。あ、今までの話も聞こえてたのかい?」


「うん。グリュエールがなかなか起きない所から」


「そっか、そっか! いいね、久々にやる気でてきたよ!」


「グリュエール、それでその剣の……」


「あぁ!? イリーシス、まだいたのか。邪魔だからさっさと帰りな」


「……はあ、わかりました。ウルさん、時間のあるときに様子を見に来ます。グリュエールですが、こんなですけど信用はできるので安心してください」


「うん、わかった!」


「ちょっと、ちょっと! こんなってなにさ。大丈夫だよ。優しくするよ」


「あまり無茶はしないでくださいね。それでは私は帰りますので、後はよろしくお願いします」


「わかったわかった! 邪魔だからほら、さっさと帰りな」


 邪魔もの扱いされたギルド長がちょっと寂しそうに帰っていく。

 グリュエールって人も悪い人ではなさそうだし、大丈夫……かな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ