マリーとダンジョンの入り口で
ダンジョンから出ると、そこにはもうカティナもミゲルもイゾウも居た。
「さて、これで全員揃いましたね。それでは王都へ戻りますので、馬車へ乗りこんでください」
試験官がそう言うと、先に戻ってたメンバーが馬車へと向かって行く。
「私達も行こうか」
「おう」
マリーとモーティマも馬車へ向かおうとすると、試験官が近付いてきた。
「マリーさん、少々よろしいでしょうか?」
「はい? なんでしょう」
「リンという冒険者はご存じですか?」
リン!?
ダンジョン内でマリーにキラーアントを押しつけてきた人間のことだ!
「はい……知ってます」
「そのリンさんですが、今馬車の中にいます。マリーさんにモンスターを押しつけられたと言っておりますが……」
えっ!? 逆だよ!
リンが押しつけてきたんだよ!
「そんなことしてません! 私じゃなくて……あの子がキラーアントを私に……!」
「わかりました。王都に戻ったら双方からお話を聞きますので、冒険者ギルドに到着した後、お時間を頂いてもよろしいですか?」
「……はい」
「おいおい! マリーはそんなことする奴じゃねえぞ!? 少し一緒にいただけだが、それくれえはわかる!」
「モーティマさん……」
「モーティマさん、先程も言いましたが、王都に戻ってからお話を伺います。もちろん、マリーさんが何もしていないのであれば、罰則等ありませんので、ご安心ください」
「……そうか。マリー、なにかあれば俺に言え。助けに行くからな」
「大丈夫だよ、モーティマさん! あったこと話すだけみたいだし、私はなにも悪いことしてないから、心配しないで」
「……おう」
「ほら、皆を待たせちゃ悪いし。行こっ!」
マリーが馬車へと向かうと、モーティマも試験官も後に続く。
マリーが馬車へと入ると、試験官が言っていた通り、昇格試験を受けていたメンバーの他に、リンも座ってる。
「あ、やっと来た! この人殺し~」
マリーが馬車へ乗りこんだ直後、リンがマリーを指さして人殺し扱いしてきた!
「いきなりなんて事言うの!?」
「ボク殺されそうになったもん。ボクじゃなきゃ、死んでただろうなあ、あれは」
「私はなにもしてないし、あなたが私を殺そうとしたんでしょ?」
「うわー! うわー! ボクにあんないっぱいキラーアントを押しつけておいて、人のせいにするの!? うわー、最悪~」
「だから! それをやったのはあなたでしょ!」
なに、このリンって人……
ウソばっか。
「そこまでです!」
遅れて馬車に乗り込んできた試験官が止めてくれた。
モーティマはいきなり始まった口論に対応できず……
ミゲルとイゾウは顔が隠れてて表情はわからないけど、カティナはつまらない物をみるような目で睨んでいただけ。
「リンさん。話は冒険者ギルドに戻ってから詳しく聞くと言ってありましたよね?」
「うん。でも目の前にボクを殺そうとした人がいるんだよ? 黙ってられないじゃん!」
「その事実確認の為に、この後話を聞くんです! それまでは大人しくしていてください」
「はーい。だってさ、人殺しさん」
「リンさん!」
なんだろ、この人達……
人間ってこんなのばっかなの?
もし冒険者ギルドでマリーの話をちゃんと聞いてくれなかったら……
その時は僕が……!




