表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
34/210

マリーと実技試験 ~オーガ戦~②

 僕が咄嗟に“ファイアーボール”を使った瞬間……


「うわあああぁぁぁ!」


 マリーが僕を振るう!

 目の前に出てきた火の玉に僕が突っ込まれる!


 熱っ……くないや。

 あれ? 火の玉が僕の刀身に沿って纏わりついてる。


 火を帯びた僕とオーガの拳が衝突する。

 オーガの拳を、真っ二つに割りながら燃やす。


 僕の刀身はオーガの肘までしか届かなかったけど、炎はオーガの肩にまで達しようとしている。


「ぐをっ!? ぐをおおおおぉぉぉ!」


 燃える腕を見ながら叫ぶオーガ。

 僕を振るったままの格好で呆然とその姿を見ているマリー。


「マリー! しっかりして!」


「あっ!」


 まだオーガは生きているんだから。


 オーガは腕を燃やしている炎を消そうと、地面に腕を擦りつけ出した。

 しゃがんでいるから、オーガの顔がマリーの目の前にある。

 マリーはオーガの頭に向かって、僕を振り下ろした。


 僕の刀身からは、すでに“ファイアーボール”の火は消えている。

 それでもオーガを斬るのには問題なかった。

 頭から胸に掛けて、僕が通った。

 血を噴き出しながら倒れて行くオーガ。


 部屋中に響くような音を立てながらオーガが倒れた。

 残っていたゴブリンやオークが一斉にこっちを見る。


「ぐぎゃ! くぎゃ!」

「ぐもっ!」


 今まで連携をして戦ってたのがウソみたいに、ゴブリンもオークもバラバラに動き出した。オーガがいなければ、まとまりなんて全くない。

 部屋から逃げて行くのもいれば、モーティマに向かって行くのもいる。

 でもマリーに近付いてくるのはいない。

 さすがにオーガを倒したマリーには近付いたら負けるってくらいはわかるのかな。


 マリーは目の前に倒れているオーガを見ながら呆然としてる。


「マリー、大丈夫」


「…………」


「マリー?」


「えっ? あ、うん。なに?」


 マリーには目の前までオーガの拳が迫ってたはず。

 あの拳に直撃してればたぶん……マリーは死んじゃってたと思う。

 助かってよかったけど、マリー自身が今の状況を把握できてないみたい。


「マリー、オーガを倒せたね」


「うん。そうみたい。ウルのおかげだね」


「マリーもすごかったよ! 魔法使っちゃってごめんね」


「ううん、あの魔法なかったらどうなってたかわからないし……ありがと」


「うん! それとね、マリー」


「なに?」


「モーティマを助けてあげなくてもいいの?」


「えっ? あ!!」


 逃げたモンスターもいたけど、残ったモンスターすべてがモーティマに襲いかかってた。

 連携がなくなって楽になったとしても、あの数を相手にしてたら、さすがに無事じゃ済まなそう……


「モーティマさん! 今行きます!」


 マリーがモーティマに向かって走り出す。

 マリー側にいたゴブリンやオークは、マリーが近付いてくると気付いたら逃げ出した。

 数が減ったからか、モーティマにも余裕が見えてきた。


「うをおおお! マリー、離れろ!」


 モーティマが棍棒を振りまわし、周りにいたモンスターを叩き潰す。

 その場で棍棒を持ちながら、自身もくるくると回る。

 まるで竜巻みたいになったモーティマがモンスターの群れの中へ突っ込んでいく。


 竜巻にぶつかったモンスターは血や肉片を飛ばしながら倒れて行く。

 あ、これだったんだ。

 前の部屋で壁に飛び散ってた原因は……


 モンスターは近付くだけで潰れていく仲間達を見て諦めたのか、残りは逃げ出しちゃった。

 これでなんとか、この大部屋にいたモンスターを退治できたのかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ