マリーと実技試験 ~五階層~②
この階層で出現するモンスターは、オークとゴブリンくらい。
キラーアントは見かけない。
ゴブリンは集団になっていることもあるけど、オークは今のところ単独でしか遭遇してない。
ダンジョンの通路は広くなったけど、もしオークが並んで歩いたら、たぶんギリギリってくらいの幅しかない。
ここでオークの集団が来たとしても、通路で挟まってまともな戦闘にはならなそう。
オークを探しつつ、ついでに下層へ向かう階段も探す。
もし下層への道を見つけたらどうするんだろ?
もっと下にも行くのかな?
「ねえ、マリー。下へ行ける道を見つけたらどうするの? まだ下へ行く?」
「そろそろ日付が変わる時間だと思うんだ。だから見つけた時間次第だけど、探索は無理かもしれないね。戻る為の時間も考えておかなきゃだし」
もうそろそろ昇格試験の時間が半分くらい過ぎるってことだ。
帰り道は四階層が不安だけど、それより前は大体分かっているし、来た時よりは時間がかからないと思う。
それでも余裕があったほうがいいから、探索の為に使える時間はそんなに無いんだね。
「あ、階段あった」
そんな話をしていたら、マリーが下層へ向かう階段を見つけた。
この階層を探索している間に、それなりの数のオークを倒してきた。
魔石もけっこう溜まったんじゃないかな。
「もう階段見つけちゃったけど、どうするの?」
「どうしよっか。もうちょっと遅かったら諦めて戻ってたんだけど……」
「まだちょっとは時間あるんだよね?」
「うん……少しだけ下層を覗いてみようか。危なそうならすぐ戻ろう」
「わかった! 僕はそれでいいよ」
悩みつつも下層へ行くことを決めるマリー。
今の魔石量で合格できるのかどうかって不安もあるんだろうな。
「よし、じゃあ行ってみよう!」
「おー!」
マリーが六階層に向けて歩き出す。
確か、このダンジョンは全七階層って言ってたから、もう一つで最終階層だったんだね。
でも時間的にもこの階層より下へ行くことは無いと思う。
六階層へ降り立つと、ダンジョンの通路は狭くなっていた。
もう大型モンスターは終わりなのかな?
マリーくらいの大きさでも、二人が横に並んだら歩くのも大変ってくらいの幅しかない。
オークだと一匹でもギリギリ歩けるかどうかってとこじゃないかな。
そんな狭い道が一本真っ直ぐに伸びているだけ。
「進んでみようか、ウル」
「うん、気を付けて」
マリーはその一本道を進む。
少し歩くとかなり広い大部屋に着いた。
広いけど誰もいない部屋。
だけど……
「あれは……オーク、だよね?」
「うん、たぶん。あっちにはゴブリンみたいのもいるよ、マリー」
オークとゴブリンの死体が大量に転がっている。
床や壁にはモンスター達のだと思われる血が飛び散っているし、死体も頭や体の一部が潰されて、悲惨な姿になってる。
パッと見ただけだと、肉塊が大量に転がっているだけにしか見えない。
マリーが部屋へ足を踏み入れる。
「うっ……!」
一歩足を踏み入れたと思ったら、すぐに通路に戻って苦しそうにしてる。
「どうしたの、マリー!? 大丈夫!?」




