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元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
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マリーと僕③

 それからマリーと一緒に今までのことと、今後のことを話しあった。

 マリーは村で狩猟をして生計を立てていた。だけど、あるモンスターが出たことで、森の中にいた動物達もいなくなり、できる仕事が無くなってしまった。


 だから村の為に冒険者の仕事をしてお金を稼ごうと思ったんだって。

 元々、狩猟と同時にモンスター退治してたから、冒険者ギルドには登録していたんだ。

 だけど、田舎の村ではお金になる仕事は全然なくて。

 王都まで来れば色々な仕事があるからと、護衛の依頼を受けながらここまでなんとかやって来た。


 その依頼中にあの盗賊たちに襲撃されちゃったと。

 それで、剣が折れた後に僕の他にもう一本持って行ったのは、僕が高級そうだったから。

 さすがにこの剣が欲しいって言っても、他の冒険者達が許してくれないだろうって。

 だから僕を隠して、普通の剣を貰ったように見せた。


 一応、剣を貰うって話をしただけで、一本だけ持っていくと言ったわけでもないし、皆が持って行っていいよって言ってくれたから、ギリギリ嘘はついてない……はず。

 

 ソロで冒険者をやっているのは、お金が貯まれば村に戻るって決めているから。パーティを組むと、自分のワガママで他の人に迷惑を掛けることになっちゃいそうだから。

 ジェイドなら許してくれそうではあったけど、利用し続けることになりそうで、それはイヤだった。


 だからずっとソロでって決めて、なるべく他の冒険者に迷惑がかからないようにしていきたいって考えてるみたい。


 僕を持ってきたことでも、他の冒険者に迷惑かけたりしてると思うけど……村の為にって考えてたみたいだし、僕からは何も言わない。

 僕は村の為に頑張ってるマリーを助けてあげたい! 力になってあげたい!


 今後の予定は、王都でなるべく高額の依頼を受けてお金を稼いでいきたいみたい。

 ただ、高額な依頼は冒険者ランクが高くないと受けられない。

 正確にはランクが低くても受けられる物もあるみたいだけど、凄く少ないし競争率も高い。

 だからまずは、冒険者ランクをあげていくこと。それが目標!


 冒険者ランクは、鉄・銅・銀・金・ミスリル・オリハルコンの順番になっている。

 マリーは今、銅ランク。金ランクまでなると依頼料が高額な物が多いからそこまでランクを上げたいみたい。

 ランクを上げるには、いろいろな依頼を達成していかないといけない。

 依頼を達成していくと、冒険者ギルドの方からランクアップ試験の打診がくる。

 その試験にクリアすればランクアップすることが出来る。

 金ランク以上に上がる時はかなり難しいらしいから、その勉強も必要になってくる。


 そんな話をしていたら鐘の音が聞こえてきた。


「あ、四の鐘だ。夕ご飯の時間だよね」


「そうだね。ウルはご飯っていらないの?」


「うん。何も食べなくていいっていうより、食べられない」


「そうだよね。どうする?食堂まで一緒に行く?」


「うん!連れて行って!」


 マリーは僕を背負って部屋から食堂へ向かう。

 食堂は宿屋の一階にある。

 まだ四の鐘が鳴って間もない為か、食堂には誰の姿も見えなかった。

 席に座って、宿屋の主人に注文をする。

 すぐに出てきた食事は、黒くて固いパンと色々な食材が入っているスープ。それに僅かばかりの肉だった。

 人間の食事はこれが普通なのかな?

 魔王様達が食べてた食事とは全然違うなぁ。


「それ、おいしいの?」


「うーん……おいしくない。けど、安いから。これだけの量があればお腹いっぱいになれるし」


「そうなんだね……おいしい物いっぱい食べられるように頑張ろうね!」


「……うん」


 マリーがご飯を食べ終えたらすぐに部屋へ戻る。

 今日はもうやることも無いからさっさと寝て、明日に備える。

 明日は朝から冒険者ギルドに行って、依頼を確認する。

 いい依頼があればすぐに受けて、特に無ければ必要な物の買い出しをする予定。


「明日の予定も決めたし、私は寝ちゃうね」


「寝るの? お風呂は入らないの?」


「お風呂? お風呂なんてもっと高級な宿に行かなきゃ設置されてないよ」


「そうなの!? マリーはそのまま寝るの?」


「村にいた時は川で汗を流したりしてたけど……こんな都会じゃできないし。明日になったらタオルで体を拭くくらいかな」


「えー、じゃあちょっと動かないでね……“クリア”!」


「えっ!? なにこの光!」


「“クリア”だよ。体が綺麗になってると思うよ」


「……ホントだ。ベタベタしない。あっ! さっきウルが光っていたのもこの魔法!?」


「そうだよ! 果汁が付いてたから気になっちゃって」


「ウルは綺麗好きなんだね」


「そうかなぁ」


「そうだよ。これからもさっきの魔法……お願いしてもいい?」


「うん! 大丈夫だよ!」


「ありがとっ! もうこれだけでも、ウルと一緒で良かったかも」


「大げさだよ」


 マリーはスッキリしたおかげか、ベッドに横になったらすぐに寝ちゃった。

 護衛で遠くからここまで来たし、疲れてたのかな。

 僕は寝る必要もないし……うーん。夜は暇だな。


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