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月色の砂漠~コーヒー売りはチート嬢~  作者: チク


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59/60

彼目線

※ 痛い描写があります。


     * * *



 シヴァはルウの地を見ていた。

 いや、正確には見ていたのはルウの地ではなく、ルウの地の方角を見ていた。


 シヴァには、ルウの地が見えていなかった。

 気のいい行商のパースに気に入られ、一度はその地に足を踏み入れることが出来たが、今となっては見ることもは行くことも出来なかった。

 シヴァの目にはずっと砂漠が続いていた。



 ある日、結界らしきものが見えた。

 魔法には自信のあるシヴァのこと、その結界を裂いてみた。

 中に畑らしきものが見えた。

 後にして思えば、その時、ルウの地に侵入するべきだったのだ。


 裂いた結界は、その日のうちのに環境維持ロボが修復していた。

 さすがに神の使いと言われるだけはある。



 その時はまだ呑気に構えていたが、今は限界が近い。

 ルウの地に行って、なんとしても………



 そんな時、偶然にも、歩いている女の姿が消えた。

 ルウの地の結界に入ったにしては……?


 そこはルウの地ではなかったはず。

 ルウの地の他に、結界で覆われた地があるのか?



 しばらくすると、女の姿が現れた。


 女は環境維持ロボと一緒だった。何やらロボを調整している。

 その様子を見て、シヴァは気づいた。


 女の目は機械だ。



 ロボを調整し終わると、女は歩き出した。

 女の歩く方向は間違いなく、ルウの地の方角。


 シヴァは確信した。

 女の機械の目は魔導機械だ。

 ルウの地の魔法の結界も見通せるのだろう。


 シヴァに好機が訪れた。



 シヴァは、女を襲撃する。

 そばにいる環境維持ロボも破壊した。

 神の使いといわれているロボだ。何をしでかすかわからない。


 心臓を一突きした女は生きていたが、もう虫の息だ。

「ごめんね。僕には時間がないんだ」



 女から機械の目を引きずりだし、そしてシヴァは自分の目を引きずり出した。

 痛みは感じない。ためらいもなかった。

 そこに女から引きずり出した目を入れる。


 魔導機械の目はシヴァの目となった。

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