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月色の砂漠~コーヒー売りはチート嬢~  作者: チク


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50/60

邪眼

※ GL風表現があります。


 ふと、シームァはこんなことに気づいた。

「じゃあ、このお花って手入れはしてないの?」



「えぇ。水を上げても枯れてしまうの。どういう手入れがいいのか……」

「そうなんだ……」

 ミンの説明に、シームァは残念そうにつぶやく。



 残念そうな顔のシームァだったが、パッと思い出したように明るい顔になる。

「ハチさんは?」

「………」


「ハチさんなら畑やってたし、土とか栽培に関しては詳しいかも」

 シームァは、名案とばかりに自信満々だ。


「導師様とはずいぶん親しいようね」

 シームァがクスナのことを『ハチさん』と呼んでることを、ミンは知っていた。

 その事を、クラルは意外に思った。


「導師様?」

 シームァはきょとんとしている。


「クスナ・ク・ガイルのことよ」

 ミンの目が赤く光った。


 ミンが邪眼を使っているのは、クラルにはすぐわかった。

 当然ながら、最高位であるクラルは掛からない。


 問題はシームァの方だ。

 彼女の中に巣くうモノがどういう行動を起こすのかわからない。

 クラルは、万が一に備えて身構える。


 だが、ミンの狙いはなんだ?

 まさか、長老を誘拐しようとしてるのがバレたか――?



「私の目を見て」

 ミンは、シームァにそう語り掛ける。

 怪しい光を放つ瞳で。


 クラルは、シームァの肩を掴み強引に庭からつれ出そうとした。

 だが、シームァはその手をすり抜け、ミンにふらふらと近づく。


「シームァ君?」

「そうよ。私の目を見て……」


 シームァはうっとりした目でミンを見ていた。

 そして、ミンにキスしていた。



     * * *


 キスされたミンは、あれ?と思った。

 邪眼を掛けたのは確かだけど、こんな魅了するようなことをしていない。


 混乱していると、シームァの手がミンの胸に触れていた。


「きゃ!」

 思わず悲鳴を上げ、シームァを突き飛ばしていた。

 突き飛ばされたシームァを、クラルが支える。


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