邪眼
※ GL風表現があります。
ふと、シームァはこんなことに気づいた。
「じゃあ、このお花って手入れはしてないの?」
「えぇ。水を上げても枯れてしまうの。どういう手入れがいいのか……」
「そうなんだ……」
ミンの説明に、シームァは残念そうにつぶやく。
残念そうな顔のシームァだったが、パッと思い出したように明るい顔になる。
「ハチさんは?」
「………」
「ハチさんなら畑やってたし、土とか栽培に関しては詳しいかも」
シームァは、名案とばかりに自信満々だ。
「導師様とはずいぶん親しいようね」
シームァがクスナのことを『ハチさん』と呼んでることを、ミンは知っていた。
その事を、クラルは意外に思った。
「導師様?」
シームァはきょとんとしている。
「クスナ・ク・ガイルのことよ」
ミンの目が赤く光った。
ミンが邪眼を使っているのは、クラルにはすぐわかった。
当然ながら、最高位であるクラルは掛からない。
問題はシームァの方だ。
彼女の中に巣くうモノがどういう行動を起こすのかわからない。
クラルは、万が一に備えて身構える。
だが、ミンの狙いはなんだ?
まさか、長老を誘拐しようとしてるのがバレたか――?
「私の目を見て」
ミンは、シームァにそう語り掛ける。
怪しい光を放つ瞳で。
クラルは、シームァの肩を掴み強引に庭からつれ出そうとした。
だが、シームァはその手をすり抜け、ミンにふらふらと近づく。
「シームァ君?」
「そうよ。私の目を見て……」
シームァはうっとりした目でミンを見ていた。
そして、ミンにキスしていた。
* * *
キスされたミンは、あれ?と思った。
邪眼を掛けたのは確かだけど、こんな魅了するようなことをしていない。
混乱していると、シームァの手がミンの胸に触れていた。
「きゃ!」
思わず悲鳴を上げ、シームァを突き飛ばしていた。
突き飛ばされたシームァを、クラルが支える。




