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月色の砂漠~コーヒー売りはチート嬢~  作者: チク


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手を握る


 ルウの地に来た時、それまでの砂漠の地とは違い、からっからで体力が奪われるようなあの感覚がなくなっていた。

 オアシス地形のせいだろうかとも思っていたが、クラルの言う結界とかの影響もありそうだ。


「温度が見えるんだ」

 クラルはそんなことを呟く。


 シームァは頷くのだった。




     *


 クラルも、ルウの地の外を見た。

 シームァの機械の目は温度が見えるらしい。

 普通なら手で触ってわかることが、彼女は目でわかるらしい。


「じゃあ、魔脈は見えてる?」

 クラルの質問に、シームァは首を傾げる。

 これまた、クラルはどう説明したものか若干悩む。

 クラルにだって、魔脈を感じるものの見えてはいないのだ。


「このルウの地には、水脈と同時に魔脈も存在してね。感覚が鋭い者はその影響を受けるみたいなんだが?」

 かつては子どもの頃のキョウや、最近ではクスナがそれで具合が悪くなる現象が起きている。

「具合悪いとか、何か感じない?」


「よく、わからないわ」

 シームァはそう言った。

 彼女の中に巣くうモノは、何か感じてるだろうか?


 クラルは気配を探ってみる。

 彼女の中のソレはおとなしくしてる。

 このルウの地にいて、魔脈も感じなければ、危険も感じてないようだ。



「場所、かえようか」

 クラルは、シームァの手を握る。

 片方の視力が極端に弱くなってしまった彼女への配慮だった。

 シームァもごく自然に手を握り返してきた。




     * * *


 クスナは自分で自分が信じられなかった。


 まさか、シーナとシームァを間違えるなんて。

 二人は従姉妹にあたるそうだ。似てはいるものの見間違えるほどは似ていない。

 最近の自分は本当にどうしてしまったんだろう?



 思えば、熱中症で倒れた時からおかしいような気がする。

 欲求不満だったのろうか。

 かなり生々しい夢を見た。

 誰かが自分の服を脱がせる。細い指先……


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