表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月色の砂漠~コーヒー売りはチート嬢~  作者: チク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/60

危惧

     * * *


 ケイの腕の中で、シームァは眠りに落ちていた。

 邪眼にかけたのもあるが、そもそも疲れているせいもあったのだろう。

 いや、シームァは邪眼にかかったのだろうか?


 ケイにはよくわからなかい。

 ただ、さきほど、わずかながらシームァの左目の瞳孔が動いていた。

 左目が回復してくれることを願うばかりだ。



 ケイはベッドにシームァを横たえる。

 シームァの左肩に頭を乗せてみる。

 目を閉じ、気配を探る。

 そこにいるはずの彼女の中に巣くうモノ、気配は感じない。

 今はおとなしくしているようだ。


 さっき、キョウの家で子どもたちの声が聞こえなかった時は、ぞっとした。

 シームァの体内にいるモノが子どもたちを何かしたのではないかと思ったのだ。結局、杞憂だったが。

 もし、そういう事態になっていたら、このシームァを始末しなければならない。

 最高位として、この地を守るため、ルウの民を傷つけるやつは容赦しない。


 そうはならなかったことに安堵していたケイだった。



 頭を上げると、今度は眠っているシームァの左肩をなでるように手をおいた。

 彼女の中に巣くうモノ、眠ってるのだろうか? そのまま眠ってくれていればいい。


 ケイはシームァから離れ、椅子に座る。

 しばらく、ぼーっとしてた。

 すっかり夜も更けていた。



     * * *


 カースは環境維持ロボを操り、ラテーシア邸のそばを周回していた。


 その理由は?


 愛しのミン・ラテーシアが何をしているのか気になったから……ではなく。


 ミンに何か危機感のようなものを抱いていた。

 長老代理として謁見に訪れるようになったミン・ラテーシア。

 その役割に重さを感じてるのか、彼女本来の責任感なのか、かなり思い詰めてるように見える。

 長老を暗殺……なんてことにならなければいいのだが。



 その時だった。

――カース君? 聞こえる?

 そんな声が脳裏に聞こえた。ケイだった。


(あぁ、聞こえるよ)

 カースは動きを止めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ